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夫婦ふたり暮らし

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40代夫婦。子どもはいません。 将来は縁側でお茶を啜るようなおじいちゃんおばあちゃんになりたい。 そんな我が家のふたり暮らしについて書きました。
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記事一覧

人間性だだ漏れスーパーマーケット

人間性だだ漏れスーパーマーケット

スーパーの袋詰めコーナーって
人間観察が楽しい場所ですよね。

先日は、袋詰めの間ずーーっと奥さん(たぶん)に文句言ってる旦那さん(たぶん)がいました。

恐らく、小言はいつものことなのでしょう。
奥さん(たぶん)は弱々しく笑って「ごめんね」と謝っていました。

見ていたわたしは、口を出しそうになりました。

ここはスーパーマーケット。
今、袋詰めの段階。

もし、買い物かごに入れ過ぎだな
こない

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共に暮らすには1分間の努力が要るのかも/いっぱしの女

共に暮らすには1分間の努力が要るのかも/いっぱしの女

氷室冴子著『いっぱしの女』を読みました。

このエッセイがすごいのは、初出は1992年なのに、今読んでもほとんど引っ掛かりがない、どころか共感する部分があり過ぎるところです。
読みながら何度も、あれ?となって刊行年を確認しました。

時代の隔たり故の考え方や発想や思い込みに
ギョっとしてしまうことが、無い。

(差別語は登場するけど、排他意識は感じない)

以前も書きましたが
それはとても、稀有な

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夫は、わたしのものではない

夫は、わたしのものではない

先日レビューを書いた「けむたい姉とずるい妹」。

内容は非常に興味深いのですが、ドラマの中でこれでもかというほど繰り返される同じセリフに、どうにも引っ掛かりを覚えています。

「彼は、私のものだったのに」
「大丈夫、彼はあたしのもの」

夫(元彼)を「自分のもの(だった)」とする表現です。

わたしの…もの?

どうも、もやっとします。

その発言がいちいち気になり過ぎて、次のセリフが入ってこない

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なんで察してくれないの、と思ったら

なんで察してくれないの、と思ったら

今日は、パートナー間でよくある(とされている)論争のひとつである

「なんで察してくれないの」
「言ってくれなきゃ分からないよ」

問題についてです。

わたしも結婚当初、夫によく訴えたものです。

なんで察してくれないの。
仕事してる時間はそっちの方が長いかもしれないけど、帰ってきて家事してる時間も含めたらトータルの労働時間変わんないよ。
どう見てもわたし、疲れてるでしょう。
分かるでしょう。

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選べない家族と選べる家族

選べない家族と選べる家族

生育家族って、選べませんよね。

だから、生まれてしまってから「あ、しまった!超絶合わない!」と思ったとしても原則、別家族に移籍することは出来ません。
(両親死亡や虐待等の場合を除き)

でも、現代のわたしたちには就職や結婚のタイミングで再起を図るチャンスが残されています。

つい数百年前まで、わたしたちには職業の自由が与えられていませんでした。

武士の子どもは武士
農家の子どもは農家
左官屋の

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「その日」を迎える覚悟は出来ている(つもり)

「その日」を迎える覚悟は出来ている(つもり)

思えばわたしは「好き」の継続が不得意でした。

今度こそはと意気込んでいた趣味も結局しんどくなって続かず、運命の相手と思える彼氏ができても、差別的な面が見えたり尊敬できなくなったりするとすぐ、冷めていました。

「飽きっぽい性格」で片付けていいのかしら、わたしには何か、人としての決定的な欠落があるのではないかしら、と悩んだこともあります。

でも、夫のことは出会ってから今までずっと好きで、嫌いにな

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わたしにしかわたしの苦しみは分からない、と知っているのに

わたしにしかわたしの苦しみは分からない、と知っているのに

わたしにしか、わたしの苦しみは分からない。
あなたの苦しみを完全に理解することも出来ない。

どんなに言葉を重ねても、すごく気が合うように感じても、全部、丸ごと、分かってもらうことなどあり得ないし、そんな単純なわたしでもあなたでもない。

という認識のもと、日々を暮らしています。

わたしにとって唯一無二の存在であり、わたしの一番の理解者であると断言できる夫であっても、わたしの苦しみや悲しみやコン

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今日は這ってでも、無事に家に帰らなきゃ

今日は這ってでも、無事に家に帰らなきゃ

夫が、無言で会社に行きました。

いつもは玄関先で見送るわたしと一言二言、何か話してから笑って家を出るのに。
ドアが開く音がして、え?何も言わずに行くの?と驚いて言った(たぶん夫の耳にも届いた)声も空しく、目の前でパタンとドアが閉まりました。

夫はたまに、こういうことをします。

何か不機嫌の理由があったのでしょう。
十中八九、わたしが原因なのでしょう。
そうじゃないと、この酷い仕打ちに説明がつ

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結婚は推し活の一種かもしれない

結婚は推し活の一種かもしれない

わたしには友だちが1人しかいないのでよく分からないのですが、世の中には3人組が溢れている、ように思います。

街を歩いていると、3人組のおば様方や、3人組のおじい様方なんかをよくお見掛けします。
ここにも、あちらにも。

と他人事のように思っていたら、わたしの母親も仲良しグループ3人組でよく集まっているらしいことが判明しました。

これは好機、と思い「なぜ3人組なのか」と尋ねてみたところ「楽だから

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一緒に暮らす=共に生きる、ではないよね

一緒に暮らす=共に生きる、ではないよね

「サンは森で、わたしはタタラ場で暮らそう。
 共に生きよう。」

って、いいセリフだなと思います。
ジブリの「もののけ姫」にドップリと嵌ったのは、たしか中2の頃。
当時仲良しだった女の子と交換日記をしていて、アシタカやサンの似顔絵を描いたり物真似したりして、キャッキャウフフしていました。
懐かしい。

でも、あの頃はこう思っていました。
「好きなら一緒にいればいいのに。」

そう。
わたしは、何も

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話しかけないで×話しかけていいよ/感覚の相違

話しかけないで×話しかけていいよ/感覚の相違

わたしは不器用な人間です。
シングルタスク型、と言うのでしょうか。
…いや、でもその割に単一作業すらまともに出来ていない気がします。

ただ、間違っても同時進行で様々なことを執り行う事の出来るマルチタスク型でないことは確かです。

例えば読書をしているとき、わたしはその世界に入り込んでいます。
外界と隔てられた物語の海に沈んでいて、わたしは時に登場人物のひとりであり、時に彼らの間に漂う空気か何かで

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あした何食べる?/結論の出ない質問をする理由

あした何食べる?/結論の出ない質問をする理由

きのう何食べた?のオマージュです。
夫がよく、そういう質問をしてくるのです。

お昼を食べているときに
「夜は何食べる?」とか。

まだ週の半ばだというのに
「週末、何食べに行く?」とか。

何だ、その質問は。

今食べているものを今は楽しんで、夜に何を食べるか、週末に何を食べに行くかは、その時に考えれば済む話では?

わたしは、考えることが面倒な人間なのです。



いや、頭の中で考えたどうで

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好きじゃないけど幸せでいて/夫婦の共通点

好きじゃないけど幸せでいて/夫婦の共通点

わたしは、好きな人が極端に少ない人間です。

突き詰めて考えたら、本当に心から好きな人は夫だけ…かもしれないことに気付きました。

好きな所もあるけど、こういう所本当嫌い、とか
良い人だけど、なんっか好きになれない、とか
一緒にいて楽しいけど、半日が限界だな、とか

大体、そんな感じです。

知れば知るほど嫌いになってしまう可能性が高いから、出来る限りそれぞれ適切で安全な距離を保っていたい、という

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ベストパートナーについて真剣に考えてみた

ベストパートナーについて真剣に考えてみた

パートナーシップにおいて最も大事なのは「対等な立場で話し合いが出来ること」だとわたしは思っています。

もう終わったドラマの話をします。
しますが、ドラマを見ていなくても問題なく読めるよう努力するので、よかったら見ていってください。

ネタバレはするので、結末を楽しみにしている人は通り過ぎてください。

1)「あなたがしてくれなくても」〜陽ちゃんとみちの場合〜

みちは、精神的(←キスまで)とは言

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