PARK GALLERY × crevasse presents『COLLECTIVE』2018 特設ブログ

2018年8月1日(水)より PARK GALLERY で開催中の 47都道府県の ZINE を公募し展示販売するエキシビジョン COLLECTIVE 2018。各地から100タイトル近く集まった様々なジャンルの ZINE を、その地域の魅力と併せて順に紹介していきます。

オオイシモヘ 『MAYDAY』 (静岡県静岡市)

多くの小学生がそうであるように他聞にもれずぼくも毎日のように漫画を描いていた。日本中の男子が人生に一度は描くであろう『主人公』が剣を持って冒険するタイプのギャグ漫画である。誰に見せるでもなく描かずにはいられない衝動あれは今思えば ZINE の目覚めかもしれないが、日々廊下を全力でダッシュする少年の有り余るエネルギーと感受性の矛先がノートの上に描かれたスライムかと思うと泣けてくる。けれど、あの時、誰

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山上 健太郎 『2』 (新潟県)

ぼくの髪が少し伸びすぎてる時、ぼくの髪がおかしな方向にハネてる時、ぼくが髪をくしゃくしゃに掻きむしってる時、そんな時は決まってあんまり『よくない』。よくない時期であり、よくない日であり、よくない瞬間である。そういう時は決まって仕事が忙しかったり、生活のリズムが乱れていたり、そのせいで余裕がない。時間が経つのが早い。足並みが揃っていない。昨日のランチが思い出せない。そんな時は「えいっ!」と目に止まっ

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ヤグチリコ 『アサクサジン』 (東京都台東区)

とにかく本とお酒、それと音楽が好きな彼女が指定する待ち合わせ場所は、いつだってお酒が飲めるお店で、遅刻癖のあるぼくに罪悪感を感じさせないよう本を読んで待っている。メールで「遅れる」というと、「もっと遅れて」と返ってくる。

その日は浅草。指定された待ち合わせ場所は昭和の風情漂う喫茶店。指を挟んだ吉行淳之介の文庫本(エッセイ)をそっとポーチにしまいながら、「冷房が効きすぎのくせに瓶ビールはぬるい」と

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星野佑奈 『in a water.』 (東京都杉並区)

一冊の本に綴じられたとき、そこには「一つに綴じられるだけの何かがあった」と感じる。それはコンセプトと呼ばれたりテーマと呼ばれたりして、「私」と「あなた」の接点がない場合には特にそれは重要な意味を持つ。

「私」と「あなた」の間にはなにひとつ共通言語がないから、互いの共通言語となりえるポジションを設定することは大事になるんだと思う。ZINE の場合もそれは同じはずだが、比較的その共通言語が未成熟なも

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イシミチヨ 『わたしのお気に入り』 (福岡県福岡市)

捨てられないでずっと持っている『お気に入り』があるひとがうらやましい。モノ・コトを大切にできる気持ちがうらやましい。『便利』に負けない気持ちがうらやましい。

いまこうして原稿を書いている部屋にだって集中できないくらいたくさんのモノが溢れているけれど、とっておきのお気に入りというものが1つも見当たらなくて愕然としている。捨てられないものはある。一点物もある。けれど、だいたいのものはまた買えばいいし

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福田 真也 『FLOPS & LINES - 10 stories about "Good Life" -』 (東京都世田谷区)

一度レビューは置いておいて(ついにレビューを置いた!)

今回の COLLECTIVE 。『ZINE』のあり方について大いに語る時間も機会もたくさんたくさんもらえたし、それを理論的に構築する相手も、感情的に隆起させる相手も幸いいて、でもまだまだ輪郭が掴めずにいる。エキシビジョンも終わったばかりでとてもじゃないけれど整理されていないので、語弊なく言えたらいいけれど、輪郭が掴めない要素を少しだけ分解し

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