能傍タルツ

皆さんこんにちは❗ YouTube「現代筑前奇談考」。 こちらでも文章化させて頂きます…

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皆さんこんにちは❗ YouTube「現代筑前奇談考」。 こちらでも文章化させて頂きます❗ よろしくお願いいたします❗

記事一覧

能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」その31-6月-『そんなもんだろう』

 筆者は先々月  旧知の「劇団テンペスト」という  若者たちの演劇グループの  イベントに呼んでいただき  コーナーの一つとして  テンペストの俳優さんたちと  実話…

能傍タルツ
2週間前
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能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」 その三十 -5月-『豊津にまつわる怪事件等 その二 (親父の備忘録よ…

(個人名などはイニシャル。  明白な誤字脱字以外は  基本的に原文ママ   ※注釈のみ筆者とす)  怪No.2  ◎兄の部屋で高校時代  勉強中(一人で)  夜12時頃…

能傍タルツ
1か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」 その二十九 -4月-『豊津にまつわる怪事件他 その一(親父の備忘録よ…

 筆者の父は  五年前に八十七で世を去った。    その父は生前  生まれそだった福岡県豊津のことを  事細かに備忘録をつけていたのだが  その中から「怪」と銘打たれ…

能傍タルツ
2か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」その二十八 -3月-『バリでかいおばちゃん』“パンクスの語る実話怪談 …

筆者の仲間内のTくんは 現在は建築業を生業とする 古くからの博多パンクスであり 酒とアコーディオンを愛する好漢である。 そんな彼から聞かされた 少年時代の記憶。 今か…

能傍タルツ
3か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクション「現代筑前奇談考」その二十七 -2月-『信号機』

筆者の大学時代からの友人、 S氏から聞いた話。 大宰府市に在住のS氏。 二十年前くらいの話だが 当時やっていた バンドの練習帰り。  福岡市と大宰府市を繋ぐ  通称「…

能傍タルツ
4か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクションその26 「現代筑前奇談考」-1月-『スエコおばさんの話』         

 これもまた  筆者の仲間内のバンドだが  Nu-CA(ヌーカ)という   パンクバンドでギターを弾く  シュウゴ氏から教えて頂いた話。  彼は小学校くらいまで  博多…

能傍タルツ
5か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクション その二十五「現代筑前奇談考」-12月-『元、ヘルズキッチン ノリさんの話』

もう何年も会ってないが 筆者の知り合いのノリさんは かつて福岡の上人橋通りで 「ヘルズキッチン」という ハード・コアマニア専門の レコード屋をやっていた。 だが、あ…

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7か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクション その23 「現代筑前奇談考」-11月-『岩石人間、その他』

(前回からの続き)  最近とみに耳にするようになったのが  いわゆる  ヒーラー、チャネラーと自称する方々である。  そういった能力はもとよりない筆者としては  「…

能傍タルツ
8か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクション。その二十二「現代筑前奇談考」-10月-『超常現象うどん屋K』

 読者の皆さんは  佐賀県の山裾にある  一部の好事家の間で 「超常現象うどん屋」と称されていた 「手打ちうどんK」をご存じだろうか?  筆者は九州在住だが  ある女…

能傍タルツ
8か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクションその二十一「現代筑前奇談考」-9月-『逆立ち幽霊』

筆者の知り合いの Pさんという既婚女性から 聞いた話。 現在、Pさんは 福岡市の隣、春日市というところに 家族三人で暮らしているが 実家は宗像市神湊という 海沿いの港町…

能傍タルツ
9か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクションその二十「現代筑前奇談考」-八月-『血の海』(コーエイ氏(ANTiFAD Vo)より聞き書き)

 筆者の仲間うちに  コーエイ氏という方がいらっしゃる。  彼はアンチフアッドという  九州で活躍中のパンクバンドの  ボーカリストだが  福岡の飯塚市にある  お…

能傍タルツ
10か月前
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能傍タルツの実話怪談コレクションその十九「現代筑前奇談考」-七月-『旧筑肥線、陸軍墓地近辺』

 筆者は福岡市の  城南区と中央区の境目あたりに  かれこれ三十年以上住まいしている。  そこから徒歩十分くらいに  東西に走る幹線道路 「筑肥新道」は  その名が…

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能傍タルツの実話怪談コレクションその十八「現代筑前奇談考」-6月-『いなか、の、じけん』

現在では地名が変わっているが 筆者は福岡県の 京都郡豊津町という、 いにしえの国分だった 土地の生まれである。 「みやこ」郡と読ませる ところからして かつては北九州…

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能傍タルツの実話怪談コレクション。その十七。「現代筑前奇談考」-5月-『中洲時代のはなし』

筆者は若いころ、 九州最大の歓楽街 中洲の大通りのど真ん中にある 中華料理屋で働いていた。 「中洲交番24時!密着取材」とか テレビ番組に出てくる交番は 薬屋を挟んで…

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能傍タルツの実話怪談コレクションその十六「現代筑前奇談考」-4月-『目を合わせてはいけない』

 数日前、なぜか  筆者が三十代のころ働いていた  会社の同僚から聞いた  ちょっとした話をふと思い出した。    話してくれたのはK代子という  持田香織に雰囲気が…

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能傍タルツの実話怪談コレクションその十五「現代筑前奇談考」-3月-『十一代目当主のはなし』

 筆者の本業の同僚のTさんの家系は  福岡では有名な大病院の一族である。  極めて由緒正しい血筋であり  現在の当主が十六代目となる。  そんなTさん一族だが  盆正…

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能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」その31-6月-『そんなもんだろう』

能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」その31-6月-『そんなもんだろう』

 筆者は先々月
 旧知の「劇団テンペスト」という
 若者たちの演劇グループの
 イベントに呼んでいただき
 コーナーの一つとして
 テンペストの俳優さんたちと
 実話怪談を語らせて頂いた。

 女優さん二人に
 男性も筆者含め二人。

 様々な興味深い
 体験談が飛び出し
 大盛況に終わったのだが
 本番終わって
 控え室に戻ったあと
 女優さんたちは
 スイッチが入ってしまったのか
 オフレコで

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能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」 その三十 -5月-『豊津にまつわる怪事件等 その二 (親父の備忘録より)』

能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」 その三十 -5月-『豊津にまつわる怪事件等 その二 (親父の備忘録より)』

(個人名などはイニシャル。
 明白な誤字脱字以外は
 基本的に原文ママ 
 ※注釈のみ筆者とす)

 怪No.2

 ◎兄の部屋で高校時代
 勉強中(一人で)

 夜12時頃から
 背中に水を打つように
 鳥肌がたつ

 後の本棚にした
 (まわりに飾り彫り○※一字判読不能)
 何故か霊気が感ぜられる

 母に告げると
 ある時より霊気がしなくなった

 母が祈祷師に頼み
 祈祷した

 

◎小

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能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」 その二十九 -4月-『豊津にまつわる怪事件他 その一(親父の備忘録より)』

能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」 その二十九 -4月-『豊津にまつわる怪事件他 その一(親父の備忘録より)』

 筆者の父は
 五年前に八十七で世を去った。
 
 その父は生前
 生まれそだった福岡県豊津のことを
 事細かに備忘録をつけていたのだが
 その中から「怪」と銘打たれた項目を
 そのまま抜き出してみたい。

 「豊津にまつわる怪事件他(体験記)」

 怪No.1

 ◎H兄が
 焼けた離れの茶室で一夜
 (筆者注 
  本家は親父の若い頃、火事を出している)
 窓の外で足音がする。雨の音?

 そ

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能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」その二十八 -3月-『バリでかいおばちゃん』“パンクスの語る実話怪談 T君の体験談”

能傍タルツの実話怪談コレクション 「現代筑前奇談考」その二十八 -3月-『バリでかいおばちゃん』“パンクスの語る実話怪談 T君の体験談”

筆者の仲間内のTくんは
現在は建築業を生業とする
古くからの博多パンクスであり
酒とアコーディオンを愛する好漢である。

そんな彼から聞かされた
少年時代の記憶。
今から四十年近く
昔の話である。

福岡市の東部に住まいしていた
Tくんであるが
小学校高学年の時分
千早という場所にあった
曰く付き廃墟に
悪戯仲間数人と
深夜、
探検に行ったことがあるそうだ。

今で言うところの
心霊スポットに肝試

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能傍タルツの実話怪談コレクション「現代筑前奇談考」その二十七 -2月-『信号機』

能傍タルツの実話怪談コレクション「現代筑前奇談考」その二十七 -2月-『信号機』

筆者の大学時代からの友人、
S氏から聞いた話。

大宰府市に在住のS氏。

二十年前くらいの話だが
当時やっていた
バンドの練習帰り。

 福岡市と大宰府市を繋ぐ
 通称「五号線」は
 都市間の交通の動脈であり
 朝早くから夜まで非常に
 交通量が多い通りだが
 深夜ともなると打って変わって
 たまにタクシーが通りすぎるくらいの
 寂しい通りとなる。

 S氏が深夜
 五号線の岡本という四つ角を

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能傍タルツの実話怪談コレクションその26 「現代筑前奇談考」-1月-『スエコおばさんの話』         

能傍タルツの実話怪談コレクションその26 「現代筑前奇談考」-1月-『スエコおばさんの話』         

 これもまた
 筆者の仲間内のバンドだが
 Nu-CA(ヌーカ)という 
 パンクバンドでギターを弾く
 シュウゴ氏から教えて頂いた話。

 彼は小学校くらいまで
 博多湾に浮かぶ
 志賀島というところの
 古い木造の長屋に住んでいたらしい。

 その頃よく
 誰もいないはずの
 玄関の右階段から

 とん とん とん
 と、
 姿の見えない
 誰かが登り下りする音を
 聞いたことがあった。

 

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能傍タルツの実話怪談コレクション その二十五「現代筑前奇談考」-12月-『元、ヘルズキッチン ノリさんの話』

能傍タルツの実話怪談コレクション その二十五「現代筑前奇談考」-12月-『元、ヘルズキッチン ノリさんの話』

もう何年も会ってないが
筆者の知り合いのノリさんは
かつて福岡の上人橋通りで
「ヘルズキッチン」という
ハード・コアマニア専門の
レコード屋をやっていた。

だが、ある時から
家庭の事情等により店を閉め
お祖母さんの介護をしながら
それ以前は
亡くなった曾祖母も起居していた
鞍手町にある実家に戻ることとなる。

築五十年は経とうかという
昔のままの家は
なんでもノリさん曰く
日野日出志「蔵六の奇病

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能傍タルツの実話怪談コレクション その23 「現代筑前奇談考」-11月-『岩石人間、その他』

能傍タルツの実話怪談コレクション その23 「現代筑前奇談考」-11月-『岩石人間、その他』

(前回からの続き)
 最近とみに耳にするようになったのが
 いわゆる
 ヒーラー、チャネラーと自称する方々である。
 そういった能力はもとよりない筆者としては
 「ああ、そうですか」と
 申し上げることしか出来ないのだが。

 筆者の知り合いで
 Mさん、Yさんという
 妙齢の女性の二人組がいる。
 
 彼女らはもちろん
 本業はそれぞれ別にあるのだが、
 趣味として
 あちこちの遺跡や神社仏閣を

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能傍タルツの実話怪談コレクション。その二十二「現代筑前奇談考」-10月-『超常現象うどん屋K』

能傍タルツの実話怪談コレクション。その二十二「現代筑前奇談考」-10月-『超常現象うどん屋K』

 読者の皆さんは
 佐賀県の山裾にある
 一部の好事家の間で
「超常現象うどん屋」と称されていた
「手打ちうどんK」をご存じだろうか?

 筆者は九州在住だが
 ある女性たちから聞くまでは
 そんな店の存在は
 全く知らなかった。

 あるいはおそらく
 同郷の方々でも
 筆者同様、
 見たことも聞いたこともないかたが
 ほとんどではないだろうか。

 断っておくが
 決して怪しい店舗などではない

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能傍タルツの実話怪談コレクションその二十一「現代筑前奇談考」-9月-『逆立ち幽霊』

能傍タルツの実話怪談コレクションその二十一「現代筑前奇談考」-9月-『逆立ち幽霊』

筆者の知り合いの
Pさんという既婚女性から
聞いた話。

現在、Pさんは
福岡市の隣、春日市というところに
家族三人で暮らしているが
実家は宗像市神湊という
海沿いの港町である。
こうのみなと と、読む。

窓の外はすぐ
砂浜と松原が広がる
一軒家だったのだが
その中の一室で寝ると
必ず深夜に身体が動かなくなる。

そのうちに
ラジオ放送の混線したような
声が聞こえ始め
やがてそれがまとまり始める

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能傍タルツの実話怪談コレクションその二十「現代筑前奇談考」-八月-『血の海』(コーエイ氏(ANTiFAD Vo)より聞き書き)

能傍タルツの実話怪談コレクションその二十「現代筑前奇談考」-八月-『血の海』(コーエイ氏(ANTiFAD Vo)より聞き書き)

 筆者の仲間うちに
 コーエイ氏という方がいらっしゃる。

 彼はアンチフアッドという
 九州で活躍中のパンクバンドの
 ボーカリストだが
 福岡の飯塚市にある
 お寺さんの三代目住職さまでもある。

 そのコーエイ氏が以前、
 仮にAさんとするが
 警察官の檀家さんに
 聞いた話である。

 飯塚という街は
 若宮町と久山町に近い。
 その2つの町をかつて
 結んでいたのが所謂
 犬鳴トンネルで

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能傍タルツの実話怪談コレクションその十九「現代筑前奇談考」-七月-『旧筑肥線、陸軍墓地近辺』

能傍タルツの実話怪談コレクションその十九「現代筑前奇談考」-七月-『旧筑肥線、陸軍墓地近辺』

 筆者は福岡市の
 城南区と中央区の境目あたりに
 かれこれ三十年以上住まいしている。

 そこから徒歩十分くらいに
 東西に走る幹線道路
「筑肥新道」は
 その名が示すように四十年前くらいまでは
 国鉄の筑肥線であった。

 博多駅から
 朝日ビール園のある竹下。
 そこから区役所のある鳥飼までの
 路線であったが、
 環状線などではなく
 以外の何処にも繋がっていないこともあり
 付近の住民以

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能傍タルツの実話怪談コレクションその十八「現代筑前奇談考」-6月-『いなか、の、じけん』

能傍タルツの実話怪談コレクションその十八「現代筑前奇談考」-6月-『いなか、の、じけん』

現在では地名が変わっているが
筆者は福岡県の
京都郡豊津町という、
いにしえの国分だった
土地の生まれである。

「みやこ」郡と読ませる
ところからして
かつては北九州における
それなりの重要な位置を占める
場所であったのだろうか。

また、
北部九州はどこもだが
ここもまた、
むやみに古墳や土器が出土する
土地柄でもある。

そんな場所なら
いかにも怪談話が
ごまんとありそうな気もするが
筆者の

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能傍タルツの実話怪談コレクション。その十七。「現代筑前奇談考」-5月-『中洲時代のはなし』

能傍タルツの実話怪談コレクション。その十七。「現代筑前奇談考」-5月-『中洲時代のはなし』

筆者は若いころ、
九州最大の歓楽街
中洲の大通りのど真ん中にある
中華料理屋で働いていた。

「中洲交番24時!密着取材」とか
テレビ番組に出てくる交番は
薬屋を挟んで二軒先にある。

その薬屋さんの
気の弱そうな店主を初め
周辺のスナック客や、雀荘の出前で
結構繁盛していたように思う。

時はバブルの真っ只中。
金と欲がフラミンゴの羽で
舞い踊っていた時代の話だ。

そのころの
筆者の業務の一つ

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能傍タルツの実話怪談コレクションその十六「現代筑前奇談考」-4月-『目を合わせてはいけない』

能傍タルツの実話怪談コレクションその十六「現代筑前奇談考」-4月-『目を合わせてはいけない』

 数日前、なぜか
 筆者が三十代のころ働いていた
 会社の同僚から聞いた
 ちょっとした話をふと思い出した。
 
 話してくれたのはK代子という
 持田香織に雰囲気が似た
 なかなかの美人であった。

 その彼女と休憩中に雑談をしていると
 子供の時の話になり
 何でもその当時、
 母親や家族と一緒に
 人混みなど歩いていると
 その中に必ず何人か
「目を合わせてはいけない」人がいたらしい。

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能傍タルツの実話怪談コレクションその十五「現代筑前奇談考」-3月-『十一代目当主のはなし』

能傍タルツの実話怪談コレクションその十五「現代筑前奇談考」-3月-『十一代目当主のはなし』

 筆者の本業の同僚のTさんの家系は
 福岡では有名な大病院の一族である。
 極めて由緒正しい血筋であり
 現在の当主が十六代目となる。

 そんなTさん一族だが
 盆正月の親戚が集まる時など
 折に触れて
 十一代目の当主の話が出るらしい。
 
 時期は1800年代後期とのこと。
 幕末頃の話か。

 その時の家督を継いだ
 当主は医学の道に進み
 博多で今の病院の礎ともなる
 療養所を運営してい

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