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Twitter & note、ハッシュタグについて考える。小劇場あるあるを例に解説します。

Twitterでのハッシュタグの意味合いと使われ方、noteでのハッシュタグの意味合いと使われ方。サービスによってこんなにも違うのかと興味深く思います。

そして今回は、演劇業界でよく見掛ける「ハッシュタグをめぐるアレコレ」を解説しまーす。小劇場あるある。

ちょっとだけ長くなりそうだから目次つけておきます。

▶ Twitterは制作者・作り手優位
▶ noteは読者・受け手優位
▶ Instagramはほぼ同等
「感想を #○○○ でツイートしてください!」
▶ 公演の規模・団体の人気に左右されるイメージ
▶ 関係者しか使っていないのは完全にアウト
「ハッシュタグ=拡散」という勘違い
▶ ファンでないユーザーの目に触れる機会とは
▶ いま立っている位置を客観視すること
▶ その上で響くポイントを考えてみる
▶ せっかく作るんだもん、ひとりでも多くの人に見て欲しいよね。

Twitterは制作者・作り手優位

Twitterは制作者や作り手側が情報収集するための手段に寄っていると思います。演劇で言えば、役者やスタッフなど、公演関係者が感想などを見つけやすくするためのツールであり、「拡散<収集」というイメージ。付随してユーザー情報収集のツールという感じ。作り手優位。

Twitter
◎制作者のため
◎作り手に有益な情報収集
◎使うのは役者・スタッフ・関係者

noteは読者・受け手優位

noteは読者の興味関心・リサーチのための情報収集に寄っていると思います。書き手が読み手に向けて「広がれ!」「見つけて!」「引っ掛かれ!」と思って使うツール、つまり発信者はあくまでも見つけてもらうのを待つ立場・受け身であり、情報を探している人(読み手)に向けた使われ方。「拡散>収集」というイメージ。受け手優位。

note
◎読者のため
◎受け手に有益な情報収集
◎使うのは読者、付随して発信者

Instagramはほぼ同等

インスタでのハッシュタグは表現方法の一部であり、発信者と受信者・拡散と収集、それぞれ等しいようなイメージ。とはいえ、私はInstagramに登録しているのみで使っていないので詳しいことはわからない。

Instagram
◎発信者と受信者が同等
◎拡散と収集が同等
◎発信者・受信者それぞれの使い方

「感想を #○○○ でツイートしてください!」

演劇公演・小劇場あるある。終演時のあいさつなんかで「ぜひとも #○○○ でツイートしてください!」「感想を広めてもらえたら嬉しいです!」みたいなのがあるんだけど、正直あれ、微妙な気持ちになる。なりませんか?私だけ?

公演の規模・団体の人気に左右されるイメージ

Twitterでハッシュタグを使って得られる効果は……残酷ながら公演の規模や動員数によるところが大きくてだな。中規模以上でそれなりの影響力がある団体がやると見栄えもするし、情報の拡散という意味合いも強くなる。

小規模の場合は、さして拡散の効果はない割に内々で盛り上がってる感が強くなるっていう。いや、やらないよりはいいんだけど、やらないよりはいいんだけど……!やるにはデメリットも大きくない?どうする?本当にやる?みたいな。

関係者しか使っていないのは完全にアウト

小規模なら小規模なりに集まればいいんだけど、小劇場系によく見掛けるさ……そのハッシュタグ、関係者しか使ってなくない?っていうのはアカン。これだけは絶対にダメ。閉塞感と内輪感しかない。

その場合はもうちょっとどうにかして周囲を巻き込む策を練って広める努力をした方がいいです。っていうか、周囲を巻き込む努力してください、お願いします。それを見せられる方がツライ。関係者(もしくは極めて近いファン)しか使っていない時点で販促に失敗しています。

「ハッシュタグ=拡散」という勘違い

Twitterを使う役者などの間で多いのが「ハッシュタグで情報が広まる」という勘違い。これ、結果から言うとトレンドにでも入らない限り、広める・拡散することにはならないんだよね。中小規模の公演で使われるタグの大半は関係者およびその公演に既に興味がある人が感想を追いかけやすくするための手段でしかない。

だって、団体名や公演タイトルのタグを使う人・踏む人なんて、関係者か観に行く前提・観に行くかどうか迷っているユーザーでしょう?それから役者の熱心なファン。

ファンでないユーザーの目に触れる機会とは

現状まだファンではないユーザーが目にすること=広めることだと思うんだけど、実際、そういうユーザーが特定の団体や公演についてのハッシュタグを目にする確率って限りなく低いのよね。

1、自分のフォロワーがファンであり、その人がタグを付けてツイートした。
2、フォロワーのリツイートやいいねでタイムラインに流れてきた。

ほぼその2択だから。そういう意味では興味のあるないはともかく、役者・スタッフ・演劇関係者の中には交友関係を通して比較的届きやすいのかもしれないけれど、一般のユーザーの目に触れる機会はとても少ない。私だって、密な関わりもない役者や公演について、わざわざ自分から情報を取りに行かないもん。

いま立っている位置を客観視すること

適正なアプローチをするために考えたいこと。団体にせよ役者個人にせよ、客観視して、以下のような項目を洗い出すことはとても大事。

◎いま自分はどんな場所にいるのか
◎どんな人たちに囲まれているのか
◎どの程度のファンを抱えているのか
◎どんなキャラクター・イメージなのか
◎どこにどの程度の影響力があるのか
◎どんな活動が求められているのか
◎どんな活動ができるのか

その上で響くポイントを考えてみる

どこがどんな風に誰に伝わるか、コントロールできるものではないので難しさはあると思うものの、上記を踏まえて以下を考えれば、おそらくこれまでの発信よりは響くようになるのではないかなと思う。

◎どんなフィールドに響くのか
◎どんな人たちアピールしたいのか
◎どんなファンをつけたいのか
◎どんな人に観て欲しいのか
◎どんな影響を与えたいのか
◎どんなアピールをすれば響くのか
◎どこを刺激すれば観たいと思ってもらえるのか

せっかく作るんだもん、ひとりでも多くの人に見て欲しいよね。

繰り返しになりますが、さいごにもう一度。見落とされがちだけれど大切なこと、ハッシュタグを使うのは圧倒的に作り手です。それから、一部の熱心でオープンなファン、あるいは、プロモーションに携わる者。それは「目にして欲しい」「注意を向けて欲しい」「来て欲しい」という思いがあるから。そういう気持ちを、どうやってお客様に届けるか。少しでも関心を寄せてくださる方を生むには、どうしたらよいか。

ハッシュタグというのはオープンで広がっている手段でありながら、それを広めるのはまた別の話でとても難しいこと。Twitterというツールも同じ。オープンであることと拡散することは別。

せっかく使うのであればそのあたりを念頭に置いて、無駄に数を打つのではなく、効果的な販促に役立てたいものです。Twitterの使い方に関しては私ももっと探りたいと考えているので、演劇に携わるみなさまと共に勉強・成長してゆけたらいいなと思っています。

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