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生きづらさを感じている人たちの居場所を創りたいー”私がcircleを創る理由”インタビュー Vol.2

暮らしを多様化することで、一人一人が自身の軸を見出すためのサードコミュニティを作っていくーそんなビジョンを掲げる、暮らしのサービス「circle」。

運営の人はどんな人?何でcircleに関わってるの?ということで、"私が circleを創る理由"をnoteにてご紹介していきます。
第二弾は、circle立ち上げメンバーで現在NPO法人で奮闘する鈴木莉帆さん!
莉帆さんの経験や想いを、インタビューでお届けいたします。

【鈴木莉帆さん・プロフィール】

兵庫県出身。学生時代からカナダでのホームステイや北欧への留学を経験。
株式会社クラウドワークスへ新卒入社後、フリーランスキャリアサポートサービス「クラウドテック」にてキャリアアドバイザー、セールス、マーケティング業務などに従事。のち新規事業circleに異動し、サービスの構想・立ち上げから携わる。
プロボノで以前より関わっていた、性教育のNPO団体ソウレッジに転職。現在副理事を務める。

ーcircleの立ち上げに関わる経緯や、今までの経験をぜひ教えてください。

社会人になる前の学生時代の就活時から、自分のキャリアについてはいろいろと考えることがありました。業務改善のコンサルで内定が出ていたのですが、それが本当にやりたいことなのかとか、非営利の活動に興味があるのかもとか。明確に自分の方向性について見えているわけではありませんでしたが、”人の人生の選択肢を増やす”ということには確かに興味がありました。クラウドワークスに入社することにしたのも、それが背景にあります。

入社して社会人になり、仕事をするようになってからも、日々の仕事や社会、周囲への違和感、問題意識というものにすごく敏感だったように感じます。目の前の仕事を進めてはいるのですが、自分が心の中に感じているモヤモヤが、どういったものなのか、どうすればいいものなのか、わからずにいました。
社内の同期や先輩に少し話してみたり、キャリアカウンセラーをやられている社外の方をつないでもらったりして、自分の考えを整理しようとしていました。

こんな風にいろいろ考えてしまってもやもやしてしまう自分はなんなんだろう、という気持ちもありました。仕事で目標数字が上がっても、他の人に褒めてもらっても、全く達成感がありませんでした。

そんな中でも、シェアハウスや居場所などに関心を持つことが多くて。この頃から、場づくりや「居場所をつくっていく」ということは私にとってのキーワードだったんだと思います。人の人生の選択肢を増やしていくということに共感はしているものの、「生きづらさ、居心地の悪さを感じているような人の居場所が作りたいのかもしれない」というようなことを感じていました。

モヤモヤの模索を、ずっと続けてきた

ー「居場所をつくる」ということへの関心に気付きながらも、ずっとモヤモヤされていたんだと思いますが…その時はどのように動かれていたんでしょうか。

社外のいろんな場に足を運んで、人に会うようにしていました。SNSでやり取りをして自分の会社をやっている人のお話を聞きに行ったり、友人が運営しているコミュニティ関連のイベントに参加してみたり、ソーシャルバーの一日店長体験に参加したり…。

色んな人がいましたが、皆”仕事を楽しんでいる”人ばかりで…とても刺激になりましたね。社内だけではなく社外に足を広げて、少しでも「良さそうだな」「ちょっと関心あるかも」「前向きな活動だなあ」と感じたようなものは、心の琴線に触れるものは”とりあえず足を運んでみよう”と考え、動きながら模索していました。

シェアハウスで気づいた、人と共に暮らす、生きるということ

そうこうしているうちに社会人2年目になり、事業部でセールス人員強化のためセールス業務に異動になりました。

セールスは一度やってみたかったですし、何かを作ろうと思ったとき売る経験は必要だろうなと考えていました。とはいえ、相変わらず自分がどうしていきたいのか、何をしていきたいのかが見えないので…色々やってみて、その輪郭をはっきりさせていくしかありませんでした。

ちょうどこのころから、生活のほうではシェアハウスに住み始めました。その前も友達と2人でルームシェアをしていたのですが、長くなってきていたので刺激を受けたいな、コンフォートゾーンを飛び出したいなと思っていました。家賃も安かったですし、「知らない人と一緒に暮らすのは楽しそう」と思いました。

入ってみると、大学院生や音楽活動に熱心な人、会社経営をしている人など住人は様々で、さらに外からも色んな人が来る環境だったので、自然と人間関係が広がっていきましたね!

そのころから、ジェンダーの課題に関心があるのかな?と思い始めました。シェアハウスで出会った住人の方が、ジェンダーなどに関心が強くて。深掘っていくと家族関係の在り方みたいなところにもつながるようなテーマなので、人と話すことで”自分の関心があったんだなあ”と気づきました。また、日本ではあまり性教育についてオープンに話し合うという習慣が全くないので、まだまだタブー視されていることであり、自分の中にある”社会規範”みたいなものにも気づかされました。

合わせて、引き続きコミュニティづくりには関心があり、住んでいるシェアハウスでイベントを企画したこともありました。

実際に一つのコミュニティの中で他の人と共同生活をしてみて、住人の入れ替わりだったり、住人同士の人間関係、几帳面な人と鈍感力の高い人の衝突、自身のメンタルとの向き合い方、話し合いやお互いのケアなど…一緒に誰かと暮らしていくことの難しさや深さ、意義などをすごく考えさせられましたね。また、コミュニティにおいてコンセプトやコンセプトを大切にして意思を持って取り組む人の重要さも考えるところがありました。

自分自身の”ガタ”に気付く

仕事については、できることが増えていく喜びはありつつも、自分の関心とは少し外れているのでは?という思いが消えないまま、モヤモヤしたまま過ごしていました。

ずっと言葉にならない違和感を抱え続けている中で、ある日自分自身の”ガタ”を自覚しました。普段できていたことがうまくできなかったり、周囲の人にも「最近、元気ないんじゃない?」と話しかけられることがありました。

自分でもよくない状況だと思い、そこからはやりたいこととありたい姿、今の仕事との紐づきを整理したり、ありたい姿になるためのアクションの検討など、紙に書きだしながら考えていく時間をとるようにしました。

振り返ると、仕事と自分の人生をうまく接続できないもやもやの中で、先輩として他の方のメンターを担当することになったりと、自分自身が余裕がない状態なのに自分の気持ちと他者からの期待という面でかみ合っていなかったんだろうな、と思います。

人に背中を押してもらってきたからこそ。人の可能性を信じて、つなぎたい

その時自分で書き出したノートのメモを見てみると、「性教育に興味がある」「人の可能性を狭めているものを取り払っていきたい」「これが広まることで価値があると感じられるサービスに関わりたい」などと書かれています。

『人の可能性』というものが以前から自分にとってキーワードなのは、私自身が人に背中を押してもらってきたということが大きいんだと思います。昔から通っていた英会話教室の先生や、高校生時代の先生や塾のメンターの方などが、自分の職務の範囲を超えて励ましたり背中を押してくれたことに、すごく助けられて大人になったという自覚があって。自分もそういう人のようでありたい、という気持ちがどこかにずっとあるのかな、と思います。

現状の自身の課題整理もして、ワクワクしていない、価値を感じられていないと感じていることが分かったので、今の仕事以外の選択肢も持とうと考え、転職活動も行いました。

ただ、「組織の価値観とは合いそうだけど、事業内容に愛着が持てるかな」「世界観はいいと思うが、その問題意識を自分は強く持っているかな」と納得しきることができず。納得しきれていないまま転職して、またモヤモヤしながら働くのは嫌だったので、新しい取り組みをしながら考え続けようと思いました。最終的にまず社内で異動し、マーケティングの仕事をしてみることにしました。

その後、当時circleの事業案を考えていた紺谷さんから「まさに今あなたが抱えているモヤモヤに向き合うような事業を創る」という話を聞きました。過去の自分や今の自分の役に立つ事業ならきっと、価値を信じて創れるだろうと思い、一緒に事業の構想段階から取り組むことになりました。

そうして生まれたのが、今のcircleです。

海外との違いに気づいた高校時代

地元は地方都市で、人も多く便利な地域でした。小中学校は地元の公立に進学したのですが、閉鎖的で陰湿ないじめや意地の悪いコミュニケーションが多い環境だったように思います。
そんな中でも、5歳の頃から自分に英語を教えてくれていた英会話の先生や、中学2年生の時の英語の先生がはつらつとした女性で憧れていました。

英語が得意だったのもあり、より開けた多様性のある環境に進学したいと思い、高校は県立の国際高校に進学しました。

単位制の高校だったので自由選択の授業がいくつかありました。foreign affairsという授業でジェンダー平等が進んでいる国の話や、発展途上国でcotton labor の子供たちの教育機会や水の汚染による健康被害などが取り扱われていました。移民についてのエッセイを書くこともあり、高校生活は社会問題に関心を持つきっかけになりました。「自ら問いを立てて解決策を考える」というのをはじめて経験したような気がします。

また、高校2年生の時にはカナダで1週間のホームステイをして、ホームステイ先の家族が夫婦別姓で、家事の分担や育児の分担が均等に見え、日本で見たことのある家庭とのギャップを感じたことを鮮明に覚えています。

circleを超えて、さらに人の選択肢をつくっていく

現在私はクラウドワークスを退職しており、circleには関わり続けているのですが、在職中からプロボノで1年以上関わっていた性教育のNPOで活動することを決めました。

こう振り返ってみると、私はいろんな形でコミュニティを分散させながら生きてきましたし、”人の選択肢をつくっていく”ということに、昔も今も、そして今後も関心を持っているんだなと感じています。

コミュニティを広げていくということ。そして時には選択することもあるかもしれません。すごく重要なテーマであると感じています。ちょっと場を出てみることができれば、いつもと違う話ができるような人と出会えますし、新しい自分と出会えるかもしれません。きっと、誰しもにとって必要なプロセスなのではないでしょうか。

今でも、人と深く関係を築いていくことは大切だけど自分にとっては苦手なことでもあると思っているので、今後も向き合っていきたいと考えています。人と人との関わりに価値があると、私は信じています。

たとえすごく深い関係ではなくても、背中を押したり、押されたりというのはあると思います。ささやかなちょっとした居場所や関係を、circleを通して見出していただけると嬉しいです。

ー今後の活動も引き続き応援しています!莉帆さん、ありがとうございました!


あなたもcircleで、自分にとっての”居場所”を見つけてみませんか?

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