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登場人物に「感情移入」してみる「ベル・カント」

<文学(56歩目)>
ペルー・日本大使館人質事件をベースにした物語に感情移入してみる。映画よりもイイです!

ベル・カント
アン・パチェット (著), 山本やよい (翻訳)
早川書房

「56歩目」もリーダビリティが素晴らしい、現代的な作品です。

南米ペルーの在ペルー日本大使公邸占拠事件(1996(平成8)年)をベースに構成された小説です。

もう四半世紀も前の事件ですが、私にも記憶ある事件です。
この事件から、あらたなフィクションを作ったとのことで、当初は多読の最中に出遭った作品でした。

しかし、著者のアン・パチェットさんの「構成力」には脱帽でした。
「ベル・カント とらわれのアリア」なる映画化された作品も見たのですが、この原作の方がはるかにいいと感じました。

理由は、映画の方は人質となった男女に有名俳優を配役した結果、いわゆる立てこもったゲリラ側が薄くなったことでした。

その意味で、アン・パチェットさんの原作は「濃い」作品であり、美しい作品に仕上がったのだと思いました。

かなり厚い本ですが、リーダビリティがよくて一気に感動まで運んでくれます。期待以上に心を掴む作品です。

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