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満点を取るまで絶対に次に進まない~ヨッシーアイランド~

年上の従兄弟の家にはファミコンがあった。

私がまだ幼稚園の頃、従兄弟の家に遊びに行く時は姉や従兄弟と共にファミコンをやっていた。
クニオくんと風雲たけし城だったと思う。
多分マリオのソフトもあったけど
私はクニオくんや風雲たけし城が好きで
マリオをやった記憶はあまりない。

 
 
だから私が初めてしっかりとマリオを意識したのは
スーパーマリオワールドである。

私が小学校に入学した頃、スーパーファミコンという画期的なハードが発売された。
CMで見る限り、映像は非常に鮮明で美しく
ファミコンにスーパーがついただけある代物である。
ファミコンは本体が白とアズキ色だが
スーパーファミコンはグレイを主体としながらも
ボタンが緑や青や黄色や赤と
非常にカラフルで今風だった。
ハードデザインも新しかったのである。

 
スーパーファミコンは売れた。
スーパーマリオワールドという、マリオ新シリーズソフトと共に売れた。

 
 
そうして私が小学校一年生の頃
私と姉共同クリスマスプレゼントとして
我が家にスーパーファミコンとスーパーマリオワールドがやってきた。

我が家にやってきた、初めての家庭用ゲーム機とソフトである。

 
 
そのスーパーマリオワールドから、マリオ界に新キャラが登場した。

ヨッシーである。

緑色の体の恐竜で、本名をT.ヨシザウルス・ムンチャクッパということを今年初めて知った。
本名はいまだに覚えられない。

(ヨッシー初登場ソフト。私はチョコレー島がとにかく大好きでした。)

 
 
ヨッシーは優しい顔立ちで、なんでもよく食べる。

食べたものによっては、体の色が変わり
羽根が生えて空を飛べたり、地震を起こせたり、火を吹いたりと
特殊能力に優れている。
臆病者で、幽霊等怖いものは苦手だし、敵に当たると慌てて逃げ出してしまうが
その姿さえ非常にキュートである。

 

 

 

(スーパーマリオワールドより。この画像の美しさは、ファミコン世代に衝撃を与えた。)
 
 
 
 
ヨッシーは大人気であった。

マリオゲームのスピンオフゲームとして
ヨッシーのタマゴ(ゲームボーイ用ソフト)やヨッシーのクッキー(スーパーファミコン用ソフト)が発売された。

 
スーパーファミコンだけでなく、やがてゲームボーイという別のハードを手に入れた私は
貪るようにヨッシーのタマゴをプレイした。
両親はゲームボーイにテプラで私の名前を貼り、バッテリーも買ってくれた。
ゲームボーイは今のハードにはまずない、乾電池で遊べるゲーム機で
別売りのバッテリーを買っておかないと
ちょうどいい場面でデータが消える恐れがある。
ゲームのセーブ機能は昔はまだまだ発展途上で
セーブできないことはザラだった。

 
ヨッシーのクッキーは従姉妹が持っていたので
従姉妹の家に行った時は姉や従姉妹としょっちゅうプレイした。
なお、ファミコンの楽しさを教えてくれた従兄弟とはまた別の従姉妹である。

 
 
やがて、マリオカートというゲームが発売された。

ゲームセンターでレーシングゲームはよくあるが
基本的にはスポーツカーのようなかっこいい車に乗り、サーキット場を走る設定で
映像はリアルさやかっこよさを追求していた。
車好きの方や男性寄りのゲームといえる。
アクセルを踏む本格派である。

 
だが、マリオカートはマリオ達キャラクターが
デフォルメされた簡易マシーンに乗り、架空の夢のステージを走り回り、アイテムを多用してレースで勝つというものだった。
同じ車を走らせるでも、こちらはあくまでドリーム&ファンタジーだ。
ターゲット層が異なる。
こちらのゲームにもヨッシーはドライバーのキャラの一人として登場し
姉はメインとしてヨッシーを使っていた。

私はキノピオをメインとして使っていたが
バトルゲームというミニゲームではヨッシーをメインで使った。
バトルゲームはヨッシーとピーチ姫のスペックが勝負に有利というのもある。

 
 
そんな風に、7歳にヨッシーと出会ってから
様々なゲームを通してヨッシーとの愛を育んできた。
マリオシリーズもマリオスピンオフゲームもすこぶる好調な売れ行きで
時代は完全にスーパーファミコンだったし
マリオシリーズだった。

 
 
だが、任天堂はそれに甘んじることなく
ある画期的なソフトを世に送り込んできた。
それが

ヨッシーアイランド

である。

 
 
 
私は最初に友達からソフトを借りて全クリをして返した後に
大ハマリ過ぎて、親にねだって買ってもらったのが
このソフトである。

 
 
ヨッシーアイランドは、ヨッシーが主人公のゲームである。

まだクッパ(マリオの敵。ラスボス)が赤ちゃんの頃
マリオとルイージ(マリオ弟)が
やがて成長して災いが起きると占いに出た為
クッパの手下カメックがコウノトリを襲うのである。

 
コウノトリは襲われた際に、マリオだけ落としてしまい
コウノトリとルイージはそのままカメックにさらわれてしまう。

 
マリオが落ちたのは、ヨッシーアイランド。
様々な色のヨッシーが暮らす島である。
ヨッシー達は相談し、マリオと共に旅をしてお城を目指し、みんなでコウノトリとルイージを助けることにした。

 
というのが、ヨッシーアイランドのオープニングである。
ジャンルとしては、アクションゲームに当たる。

 
 
 
ヨッシーアイランドはまず、なんといってもタッチがかわいらしい。

絵本風の親しみやすい世界観の描き方が秀逸である。
スーパーファミコン独特の色合いやドット画に、絵本風のデザインが非常にマッチしており
マリオシリーズの最新作として、新しい景色や可能性、未来を見せてくれたといっても過言ではない。

 
基本的に、ヨッシーは赤ちゃん(マリオ)を背中に乗せている。
子守りスタイルがスタンダードなのである。
ヨッシーアイランドのメルヘンチックな世界観は
赤ちゃんに合わせたような優しさで溢れている。

敵キャラも落書き仕立てのようなかわいらしいキャラクターも多いし
ブロックなどにスマイリーマークが描かれていてかわいい。

 
ヨッシーが上を向くと、真似をしてワンテンポ遅れて赤ちゃんも上を向いたり
ヨッシーがしゃがむと、やはり赤ちゃんも下を向いたりと
赤ちゃんはヨッシーの動きを見本として動くこともある。

 
また、今作では卵を投げたり当てたりする動きが加わるのだが
待機中のたまごがリズムをとるようにルンルンした動きがあるのだ。
そういったキャラクターやたまごの動きもまた
いちいち本当に愛くるしいのである。

 
BGMや効果音がまた、その世界観に合っていて非常に素晴らしい。
  

(知人より画像拝借。これがボスなんだぜ……かわいすぎないか…。)

 

(このお猿さんの3面が好きでした。かわいい。ラブリー。スーパーマリオワールドと比べると、ヨッシーは丸みを帯びたフォルムに変わっていることが分かります。) 
 
 
 
アクションゲームとして斬新なのは
タイムがなかったことである。
それまでのアクションゲームは1ステージ以内が何分と決められていて
その時間内にクリアしないといけなかったが
ヨッシーアイランドはその決まりがない。
ゆっくりまったりクリアしてもよいのだ。

 
アクションゲームはゲームオーバーにルールがあり

①敵に何回か当たる
②穴やマグマ等に落ちる
③トゲに刺さる
④時間内にゴールに行けなかった

と、昔から決まっていた。

 
 
だが、ヨッシーアイランドはルールが少し異なる。

①穴やマグマ等に落ちる
②トゲに刺さる
③星が0になる

この三つさえ避ければ良い。

 
 
ヨッシーアイランドはタイムがない代わりに、星を重視する。

星の数はステージ中、画面左上に大きく表示されている。 
通常はプレイ中、タイマーや点数やアイテムやコインの数が
メイン画面の左上や上部、右下に常に表示されているが
ヨッシーアイランドは星の数のみ表示にした。

非常にシンプルであり
だからこそ画面はアニメーションと見間違うほどの可愛らしさで
プレイヤーは絵本のような世界観に浸りやすいとも言える。

 
ヨッシーアイランドでは、タイムボタンを押した際に
アイテム等が表示される工夫を施した。

 
 
星は、ゲームスタート時に10ある。

もしもヨッシーが敵に当たったり、隙を見せて敵に背中の赤ちゃん(マリオ)を奪われたら
赤ちゃんは巨大なシャボン玉に包まれて宙を浮かび、泣きじゃくる。

 
その瞬間にカウントがスタートする。
星は赤ちゃんの泣き声に比例し、1秒ごとに1減るのである。
0になったら、タイムオーバーと同じなので
赤ちゃんが泣きじゃくり、シャボン玉に包まれたら
直ちに取り返しにいかなければいけない。

ヨッシーは舌が長いので
プレイヤーはボタンを操作し、舌を伸ばしてシャボン玉にタッチさせてあげたり
シンプルにシャボン玉に体当たりでもよい。

赤ちゃん(マリオ)の泣きじゃくる声はリアルであり
子守り疑似体験プチゲームというか
泣き出すと普通に焦るし、罪悪感を感じる。
うっかり星が0になったら
敵がキシシシシ…と音を立てながら赤ちゃんを取り囲み
赤ちゃんを連れ去っていくグラフィックが流れる。

 
上手い作りだなぁと思うのが
連れ去られていく瞬間は赤ちゃんは大人しく
敵の嫌らしい音だけが響くのだ。

「あぁぁぁ………。」

プレイヤーの罪悪感はマックスである。
赤ちゃんにミルクをあげたり、オムツ交換をしたりはしないのに、母性や父性をやたらと鍛えられるゲームだ。

 
断言してもよい。
手慣れたプレイヤーであっても、赤ちゃん(マリオ)を全く泣かせずにステージをクリアしていくのは至難の業である。
とにかく赤ちゃんはよく泣く。
そして星はカウント式で減る。

星は10以上だったら、黄色で輝かしい文字色だが、
10未満になると黒と赤で縁取られたおどろおどろしい文字色になり、プレイヤーに危機感を煽るのだ。
本当に10未満の時は赤ちゃんは泣くし、黒赤のカウント数字は怖いし、心穏やかにいられない。

 
星は、赤ちゃんを取り返してから10未満の場合はじっと大人しくいれば、自然治癒のごとく10までは回復する。
赤ちゃんを取り返した安堵に包まれるヨッシーとプレイヤーはリンクする。

私達が気が高ぶっている時は深呼吸をしたりするように言われるが
この10カウントはプレイヤーに一度落ち着く間をもたせてくれる。
この工夫が素晴らしい。

 
通常アクションゲームは攻めの一手で
ステージクリアするまでの間に休む隙はない。
時間制限があるし、敵が次々に襲ってくるからだ。
タイムボタンを押して一時停止はできるが
そうすると良くも悪くも集中力が一旦途切れてしまう。

 
だが、ヨッシーアイランドにはそれがない。
敵が襲ってこない安全地帯で一呼吸置く時間を、任天堂側が作ってくれたことが素晴らしい。
更に、通常アクションゲームと同じようにタイムボタン機能も備えてある。
用意周到である。

 
星はゲームスタート時に10、何らかのアクシデントで数は減るが
ステージゴールまでにマックス30を目指すという目標がある。こちらは任意である。
ゴールまでに、様々な手段で星を集めることができるし、アイテムを使って増やすこともできる。

ただし、1ステージ最大30までしか星はなく
一旦ゴールしたら
次ステージスタート時、星は再び10に戻る。

 
 
ヨッシーアイランドの良さとして私が着目したいのが
初めての点数制システムだと思う。

ヨッシーアイランドは、各ステージごとにゴールをしてから点数を発表される。
各ステージには必ずフラワーが5個、赤コインは20枚ある。
赤コインは赤い色をしているものもあるが、ほとんどが、ややオレンジがかった色に擬態しているものが多い。
たくさんコインが空に浮いている時は、通常コインが黄色に対して赤コインはややオレンジがかった色だから、よく見れば違いはすぐに分かる。

星が1個1点     → 最大30点
赤コインが1枚1点  → 最大20点
フラワーが1個10点  → 最大50点


と、ステージ中で星、フラワー、赤コインを所定数集めたら、100点がもらえる。
ゴールをすると評価表が現れ、赤ペン先生のごとく、各項目ごとに○をつけられる。
100点なら花丸だが、99点以下はただの○だ。

つまり極端な話だが、1~99点は同列扱いである。
自己満の世界だ。

(知人よりSwitch画像拝借。この後、花丸満点をつけていただける。ひゃっほーい。)

 
 
各ステージごとにクリアしたら過去プレイ中最大点数のみ上書きで残る。
何点でもいいから、とにかく星が0にならない限りはゴールもしくはボスを倒せばステージクリアができる。

だからステージクリアにのみ集中したいならば
アイテムは二の次でガンガン進めばいい。

 
 
ヨッシーは優秀である。

歩く、走る、ヒップドロップ、空を飛ぶ(踏ん張りジャンプ)、舌が長く敵を好き嫌いなくなんでも食べる(鉄等は無理だが)、卵を何かに当てる、ものを凍らせる、スイカのタネで攻撃する、火を吹く……と
非常に優秀である。

 
更に、時にはヨッシーは潜水艦やヘリコプター等の乗り物に変身するし
赤ちゃんも時にはスターで無敵モードで針山などを駆け上がるし
順路に沿って進めば、なんとかゴールまで辿り着けるはずだ。

 
ステージクリアだけなら、プレイヤーが頑張れば、6面まで進めるだろうし、ラストステージまでクリアし、ラスボス(クッパ)を倒すことも可能だ。
エンディングも見られるだろう。
攻略本はいらない。

 
 
ただし、だ。

各ステージ100点を取った人には特別ボーナスが与えられる。
これがヨッシーアイランドの憎い演出だ。
小学生(以上)が頑張ればクリアできる難易度に設定しつつ
やりこんだ上級者向けにスペシャルなプレゼントを用意してくれているのだ。

 
面は全てで6面あり
一面につき、ステージは8ある(中ボス、大ボスステージあり)。
この8ステージをオール満点でクリアした場合
スペシャルステージとボーナスステージが出現する。

 
各ステージで100点をとるのも快感だが
1~8ステージまで花丸満点の点数が表示され、スペシャルステージとボーナスステージが出現した瞬間は
最高である。

 
スペシャルステージは、めちゃくちゃ難易度の高いステージである。
とにかくすぐにヨッシーが死ぬ。
100点を取るどころではない。
各面ボスステージなど簡単に思えるほどに
スペシャルステージはえげつない。
そそる。

 
ボーナスステージはアイテム等を増やしたりできる。
通常はプレイ中に時折しかできないボーナスステージだが
オール満点者には好きな時に遊べる権利が与えられる。
嬉しいものだ。

 
 
 
私は負けず嫌いである。

1面をクリアした時に、予期せず出現したスペシャルステージとボーナスステージに感動した私は
プレイして早々に目標を立てた。

【ヨッシーアイランドでオール満点を取ってやる!】

である。

 
 
私が小学校四年生の時のことだ。

 

 
私は自分を甘やかさなかった。

100点未満でもゴールすれば次のステージは出現してプレイできるか
必ず各ステージ100点でクリアしない限り
決して次の面で遊ばないマイルールがあった。

(知人よりSwitch画像拝借)

 
 

(画面がいちいちかわいらしい♡記憶力が低下し、神経衰弱系はなかなかに厳しくなってきた。) 

 
 
私はアクションとパズルゲームが得意だが
だからといって限度はある。
攻略本を持っていないし、読むと負ける気がした私は
とにかく時間の許す限り、各ステージを探りまくり
100点を目指した。
あと一歩のところで100点を逃しそうな時は悔しくて
わざと赤ちゃんを泣かせて敵にさらわせたり
穴の中にヒップドロップをして潔く散ったりと
私はわざと死んだ。

 
中間ポイントでセーブさえしておけば
やり直しができるからである。

 
何度赤ちゃんを見殺しにし、何度ヨッシーをヒップドロップのまま穴に落下させたか分からない。
赤ちゃんが泣き続けていた時は音量を0にしてやり過ごし、ヨッシーを自殺させる時は「ごめん。」「あばよ。」「すまん。」「ヒップドローップ!」と叫んだ。
ヒップドロップで散るのは、絵的にかっこいいのと、時間短縮である。

姉から、「お前はアホか。」と突っ込まれる。

 
 
同じステージを何回やり直したか分からない。
正直苦手な面はあるし、早く新たなステージをプレイしたい。
だが、それでも、私は必ず順番通りにクリアした。

 
 
スペシャルステージ1は「このバカイヌといわないで」というすごいタイトルで、面を食らった。
順番通りにクリアにこだわった私が初めてプレイしたスペシャルステージは当然1である。

 
「このバカイヌがっ!!!」

 
私はプレイしながら何度言ったか分からない。
難易度が凄まじい。
通常は面ごとに難易度が変わるが、スペシャルステージはそもそもの難易度が規格外なので
スペシャルステージ1から飛ばしてくる。

(知人より画像拝借。例のバカイヌである。)

 
というよりも
大抵の子どもはオール満点をゆくゆくは目指すが
私のように意固地になって
必ず満点を取らないと進まない人は稀なのかもしれない。

 
スペシャルステージはクッパ(ラスボス)までクリアした人が更に高みを目指して挑戦するステージなのかもしれない。

 
 
 
私は順調に4面までオール満点でクリアしてきた。
が、ここで限界が来た。

スペシャルステージ4「だっしゅつふかのう?めいろ」

である。

 
任天堂スタッフは秀逸で、そのタイトルのまんまのステージである。
そこは下水道?排水溝の中のような薄暗いステージで
今自分がどこにいて、どの排水溝を通るとどこに繋がるかが
いちいち分かりにくい。 

 
100点どころか、本気で迷子になり、一向にゴールが見えてこなかった。

 
「あーっ!もうっ!!」

 
苛々ムシャクシャした。
このステージはアクションセンスより地道さが試されるし、発想の転換が試された。
私は何度も何度もグルグルし、ついに音を上げた。

 
攻略本を、読んだのだ。
 
 
なんという屈辱だ。
スペシャルステージ4をやったのは夜だったので
次の日の朝、モヤモヤしながら自転車を飛ばして本屋に行き
ヨッシーアイランドの攻略本のそこだけを慎重に開いた。

 
「……なるほど。そういうことね。」

 
私は頭の中にインプットし、再び急いで自転車をこいで家に帰った。
当時はまだ、携帯電話やパソコンがない時代である。
今のように気軽に攻略サイトを見ることはできないし
やり込みさえ目的にしなければ、攻略本がなくてもクリアできた。

 
スペシャルステージ4はクリアできた。

 
姉が隣で感心していた。
小学生にとって、それほどに複雑なステージだったのである。

 

 
 
なお、オール満点クリアした私が自信を持って言えるのが
一番難易度が高いステージはスペシャルステージ5である。
とにかくヨッシーが死ぬ。とにかくカメックに殺意がわく。

 
スペシャルステージに比べたら、通常ステージで100点なんてかわいいもので
結局攻略本を頼ったのは、スペシャルステージ4のみだった。

  
 

 
 
 
 
 
それから時は流れた。

全面クリアした私は、自分の好きなステージをひゃっひゃっひゃと好きなだけプレイしていたが
やがてヨッシーアイランドはまだらボケになった。

 
セーブデータが飛びやすくなったのである。

 
オール満点クリアのセーブデータが飛んだ時は本気で泣いたし 
何度もやり直しても、途中でデータは消えてしまう。
それどころか、プレイ中に画面がバグることも増えた。
そしてついに、ウンともスンともしなくなった。
寿命である。

 
ヨッシーアイランド購入から時は15年流れていた。
その間に様々なハードやソフトが誕生したが
それでも私はスーファミとヨッシーアイランドが好きだった。

 
コントローラーは二代目になったものの
スーファミ本体はまだ稼働していたし
ヨッシーアイランド以前発売のソフトはまだ現役のものもあったが
どうやら私はヨッシーアイランドを遊びすぎたらしい。

 
ヨッシーアイランドとの別れがやってきた。

 
社会人になった私は
新たにソフトを買って全クリする余裕も体力もなく
あえてソフトを購入することはしなかった。

 
 
ヨッシーアイランドは、私の大切な思い出となった。

 
 
 
 
それから更に数年後の2017年。

任天堂から驚くべきものが発売された。

 
スーパーファミコン ミニである。

(PS5?Switch?ノンノン、私は未だにスーファミ派だー!!DSとPSPで止まってるわ~!!! ←2020年現在) 
 
 
スーパーファミコン ミニは
スーファミより本体が小さいが
この中に、今まで発売されたソフトのデータが入っているという。

 
進化である。

 
スーファミは、いちいちソフトを入れたが
スーファミ ミニはソフトを入れる必要はなく
しかもセーブ機能が強化されていた。

そしてスーファミ ミニには、ヨッシーアイランドのデータも入っていた。

 
 
既にファミコン ミニが発売されていて、購入はしていたし、プレイもしていたし
スーファミでもミニが発売されないか期待していたが
発売発表日に私は小躍りした。

 
スーファミ自体は2017年も現役でよくプレイしていたが(2010年より、二代目)
ソフトはいくつか寿命が来ていた。

 
 
 
こうして、スーファミ ミニはやってきた。
懐かしい、ヨッシーアイランドの画面に私は早くもテンションが上がる。

 
発売時、私と姉は確かにテンションが上がった。
甥も遊ぶだろうと、ファミコン ミニもスーファミ ミニも
母が購入してくれた。

 
だが、私も姉も30代になってしまった。

 
小学生の頃、暇さえあればゲームをしていたし、ゲームのやり過ぎで親から注意さえされていたのに
30代の私は、もう以前ほどゲームをやり込めなくなってしまった。
姉は3DSを好むようになってしまった。

 
ファミコン ミニもスーファミ ミニも
買ったらある程度満足してしまい
主なプレイヤーは甥になった。
ハードが稼働するのは甥が遊びに来た時だけだし
私は主にプレイを見ているだけだ。

 
私「あ!そのタイミングでね、敵(ビッグスライム)をヒップドロップ!」

甥「なんで?」

私「ヨッシーの動きが面白いから。」

姉「おい!?」

 
 
私「あ、そこでたまごを投げてコインをとれ。」

姉「なんで?」

私「たまごの動きが、火の海平行投げだと変わるから面白い。」

姉「何をやってるんだお前は!」

 
 
私「(中ボス倒すタイミングで)そこでジャンプだ!」 

甥「なんで?」

私「宙に浮いたヨッシーのポージングがかわいいから!」

姉「何をやっとるんだ、お前は。」

 

基本プレイはしないが、画面を見ていると色々思い出す。   
甥が分からない箇所を尋ねれば、私は説明したり、スマホを開いて調べた。
本当に便利な世の中になった。

(ちょうど昨日、ようやく最終ステージを姉&甥がクリアした。これでスペシャルステージ以外は遊び放題だぜぃ! ←姉&甥はアクションゲーム苦手)

 
 

 
 
ヨッシーアイランドが発売されたあの頃、私は一人でプレイしていた。
姉が隣で見ていることもあった。

 
 
まさかあれから20年以上の時を経て
あの頃のゲームを
私と姉と甥二人とゲームするようになるなんて
思いもしなかった。
 
 
ゲームは時代を超え、世代を超え
今日も我が家で思い出を作る。

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