上村 楽園

小説を書いて生きていきたい。5年以内に文学賞を取りたい。ジャンルはミステリー、純文学が…

上村 楽園

小説を書いて生きていきたい。5年以内に文学賞を取りたい。ジャンルはミステリー、純文学が多いです。速読を得意としています。BiSH好きです。

記事一覧

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「この小説はBiSHでできている」第一話

(#創作大賞2023の#ミステリー小説部門への応募作品) - この小説は、創作大賞2023「ミステリー小説部門」への応募作品です - 粗筋 美憂がデート相手に顔を忘れられてい…

上村 楽園
10か月前
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小説家の才能 その本質

最初に書いた小説で文学賞を受賞、すごい、そういう人いますよね。 そういう人はこれまでに小説を全的に読んできたんだと思います。自分で書いているとわかるんです。 上村…

上村 楽園
1日前
9

ショートショート 拷問

人生で初めての坊主頭を慣れないと思い、地肌を触って待っていると、 目の前に立った男から名前を確認され 書類を出すように言われた。急いで召喚状や必要な身分証明書をカ…

上村 楽園
4日前
4

文学賞に気軽に応募しませんか?

上村が今年応募したのは、 「深大寺恋物語」7月末が締切。webで応募できます。4000字なので、繰り返し推敲できるし、今年が最後の開催なので、応募してみました。 https://…

上村 楽園
11日前
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ポール オースターさん

上村はポール オースターさんの作品のよき読者であると思っています。 先日、オースターさんが亡くなったと知りました。 77歳 ジョン アーヴィングさん、アントニオ タブッ…

上村 楽園
2週間前
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自分の小説世界を広げるために イタリア篇

日本に暮らして日本の小説を読んでいると どうしても日本の小説世界が枠として意識されがちになると思います。 日本では 「この小説変わってるー」と思われても、 世界中の…

上村 楽園
2週間前
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ショートショート「人事」

「何に喜びを感じますか?」 「今まで嬉しかったことは何ですか?」 「やりがいを感じることは何ですか?」 きっちりしたスーツで来た入試の偏差値が高い大学の学生の履歴…

上村 楽園
3週間前
9

今年もnoteの創作大賞の時期ですか 字数をまだ見ていないけど、少なくていいなら二つ応募しようっと ふふん

上村 楽園
4週間前
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自分の小説世界を広げるために イベリア半島篇

スペイン人は自国の歴史を書かないと言われます。優れた歴史本と言うと、外国の人が書いたものということになるようです。なぜなんでしょう。 スペインやポルトガルはギリ…

上村 楽園
1か月前
9

短編「四階」

ホラーです。 昔からよく見る夢がある。 エレベーターに乗っていると、四階の扉を開いてはいけないと感じる。 夢なので、ゾンビのようなものがいることに気付いている。 …

上村 楽園
1か月前
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月曜日は「群像」で新人賞の発表がー。どうなのどうなの? 応募したのがすごく前のことに感じる。受賞しても自分の作品っていう実感がないかも。この何か月かでも成長しているので、読み返したら、粗が見えて、受賞? お笑い種とおもってしまうかも。

上村 楽園
1か月前
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「深大寺恋物語」第六集を読みました。

上村は「深大寺恋物語」に応募するので、参考に読んでみました。 大賞の「かなしい赤色、しあわせな闇色」は、「くやしいふりをしてやった。」というのが、二人の関係性が…

上村 楽園
1か月前
3

今年が最後の深大寺恋物語に応募するので、過去の受賞作が掲載されている第六集、第十五集(選者の作家さんも書いている)を手に入れました。上村は第四稿まで終えていますが、他の作品を読んだら、また書き直したくなるかもしれないと思います。困るけど、磨く機会にはなるしなあ。

上村 楽園
1か月前
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読者に時代を感じてほしくない

電話ボックス、公衆電話、携帯電話、ワードプロセッサー、缶蹴り、綾取りなどと書くと、古ぅ~と思われてしまいます。意図的に書いている場合はいいんですが、現在のことを…

上村 楽園
2か月前
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読書感想「成瀬は信じた道をいく」

成瀬はやっぱり成瀬だった。変わらないでいてくれることが嬉しい。 宮島未奈さんの前作「成瀬は天下を取りに行く」は中学三年生の設定だったけれど、今回は高校三年生、大…

上村 楽園
2か月前
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ショートショート「気持ちはわかる」

都会の人って優しくないよねー 都会って人が多くてほんといや と事あるごとに言っていたら、出入り禁止にされてしまった。 「本自治体の市民に対する名誉棄損で、(中略)…

上村 楽園
2か月前
16
固定された記事

「この小説はBiSHでできている」第一話

(#創作大賞2023の#ミステリー小説部門への応募作品) - この小説は、創作大賞2023「ミステリー小説部門」への応募作品です - 粗筋 美憂がデート相手に顔を忘れられていたと不機嫌になっていたが、それは勘違いだった話。チェコからの絵葉書をきっかけに美憂の勘違いが炸裂する話。ダンスに誘われる美憂と私だが、美憂の勘違いで私が頑張る羽目になる話。第四話では二人が卒業式を迎える。               前書き  BiSHは出てきませんが、小説の中に散りばめられているBi

小説家の才能 その本質

最初に書いた小説で文学賞を受賞、すごい、そういう人いますよね。 そういう人はこれまでに小説を全的に読んできたんだと思います。自分で書いているとわかるんです。 上村は 他の作家の小説をたくさん読んでいますが、基本的に語彙、意図の解釈、伏線、セリフ、物語、小道具、知識を愉しんできました。語尾や時制、句読点には注意を払っていました。 キャラクターの魅力にはそんなに注意を払わないし、「相好を崩しながら言った」のようなセリフの処理はほとんど無視、比喩の存在意義はつい最近、文学賞の選評を

ショートショート 拷問

人生で初めての坊主頭を慣れないと思い、地肌を触って待っていると、 目の前に立った男から名前を確認され 書類を出すように言われた。急いで召喚状や必要な身分証明書をカウンター越しに提示する。 大人しく出すと、疑わしそうな目で見られる。 しばらく待たされた後、しぶしぶ頷いた男についてくるよう言われたので、後を歩いていく。 男は狭い階段を上がっていく。この建物で仕事をしている人間がちらちらとこちらに物言いたげな視線を送ってくる。心細くなってわたしは仲間はいないだろうかと探す。わたしの

文学賞に気軽に応募しませんか?

上村が今年応募したのは、 「深大寺恋物語」7月末が締切。webで応募できます。4000字なので、繰り返し推敲できるし、今年が最後の開催なので、応募してみました。 https://novel.chofu.com/application/entry_20th/ これから応募するのは、 「あたらよ文学賞」6月末が締切。noteから応募できるので、楽ですね。横書きでもよさそうです。3000字-15000字です。400字詰め原稿用紙に換算してなどという規定がないので、文字数だけクリア

ポール オースターさん

上村はポール オースターさんの作品のよき読者であると思っています。 先日、オースターさんが亡くなったと知りました。 77歳 ジョン アーヴィングさん、アントニオ タブッキさん、椎名誠さんが戦前、スティーブン キングさん、島田荘司さん、北村薫さん、村上春樹さんが戦後ですが、だいたい同じ世代で1940年代生まれです。 オースターさんは一時、小説の執筆が間遠になって、他の仕事が増えてきたので、高齢の作家の望ましくない軌道に入ってしまったかと思ったこともあるのですが、また小説の執筆

自分の小説世界を広げるために イタリア篇

日本に暮らして日本の小説を読んでいると どうしても日本の小説世界が枠として意識されがちになると思います。 日本では 「この小説変わってるー」と思われても、 世界中の読み手には「どこかで読んだ技法や表現だな」と思われているかもしれません。 日本生まれの日本育ちで日本にしかルーツがない作家だから狭いということにならないように 海外に旅行や移住などをできればいいのですが、諸事情でできない人もいますよね。上村もそうですが、海外の小説を読むことでなんとか埋めようと思っています。 今回

ショートショート「人事」

「何に喜びを感じますか?」 「今まで嬉しかったことは何ですか?」 「やりがいを感じることは何ですか?」 きっちりしたスーツで来た入試の偏差値が高い大学の学生の履歴書を見る。履歴書のアピールはすごいが、 「全然だめだな」 「どうしてですか」 「個性を観るために私服で来るように言ったのに、それがわかっていない」 カジュアルでいいと言われて 僕が私服で受けた会社はすべて落ちたのに。まったく就職活動というのは腹の探り合いだ。 「やりがいを感じることは何ですか?」 「特にありません

今年もnoteの創作大賞の時期ですか 字数をまだ見ていないけど、少なくていいなら二つ応募しようっと ふふん

自分の小説世界を広げるために イベリア半島篇

スペイン人は自国の歴史を書かないと言われます。優れた歴史本と言うと、外国の人が書いたものということになるようです。なぜなんでしょう。 スペインやポルトガルはギリシア人やフェニキア人、ローマ人といった多神教で農耕や商業や建築に優れた文化の人たち、そのあとにヴァンダルによる破壊、ゲルマン系のスエヴィー、西ゴートといったキリスト教を受容していく人たち、そしてウマイヤ朝やムラービト朝、ムワッヒド朝、ナスル朝グラナダ王国といった砂漠の文化をもたらしたイスラームの人たち、またレコンキスタ

短編「四階」

ホラーです。 昔からよく見る夢がある。 エレベーターに乗っていると、四階の扉を開いてはいけないと感じる。 夢なので、ゾンビのようなものがいることに気付いている。 ビルは十七階建てだったり、七階建てだったりとその都度違う。 けれど、エレベーターは同じだ。 大きさも匂いも壁の色味も同じ。 そして、決まって下りのエレベーターだ。 エレベーターに乗る前に四階は危険だと気付くことがある。 そういう時には、一階までノンストップのエレベーターに乗る。 エレベーターに乗ってから危険だと気付

月曜日は「群像」で新人賞の発表がー。どうなのどうなの? 応募したのがすごく前のことに感じる。受賞しても自分の作品っていう実感がないかも。この何か月かでも成長しているので、読み返したら、粗が見えて、受賞? お笑い種とおもってしまうかも。

「深大寺恋物語」第六集を読みました。

上村は「深大寺恋物語」に応募するので、参考に読んでみました。 大賞の「かなしい赤色、しあわせな闇色」は、「くやしいふりをしてやった。」というのが、二人の関係性がわかっていいなと思いました。 相手の職業はほぼ最初からわかったので、オチには驚きませんが、「時間は綺麗だった。」というように、「時間は濃密」という一般的な表現をずらしているのが、そういう手もあるのだなと思いました。過去をさらりと書くことで、粗筋にならないようにすることは、そこに執着したい上村にはできそうにありません。

今年が最後の深大寺恋物語に応募するので、過去の受賞作が掲載されている第六集、第十五集(選者の作家さんも書いている)を手に入れました。上村は第四稿まで終えていますが、他の作品を読んだら、また書き直したくなるかもしれないと思います。困るけど、磨く機会にはなるしなあ。

読者に時代を感じてほしくない

電話ボックス、公衆電話、携帯電話、ワードプロセッサー、缶蹴り、綾取りなどと書くと、古ぅ~と思われてしまいます。意図的に書いている場合はいいんですが、現在のことを書いているのに、5年後の読者に古いと思われることは避けたいんです。 それで、上村はなるべく独自のワードを使うようにしています。 スマホ-端末  SNS①ツイッターなど-OCA/Open Communication Application SNS②LINEなど-CCA/Closed Communication Appli

読書感想「成瀬は信じた道をいく」

成瀬はやっぱり成瀬だった。変わらないでいてくれることが嬉しい。 宮島未奈さんの前作「成瀬は天下を取りに行く」は中学三年生の設定だったけれど、今回は高校三年生、大学一年生の設定です。 前回のタイトルも今回の伏線になっている気がします。 いつもどおりのぶっきらぼうな話し方で、まっすぐで、力強い目線。 周りの人が勝手に巻き込まれていくのですが、なんと成瀬と島崎のお笑いコンビ ゼゼカラを推しているという小学生の目線で語られるエピソードがあったり、成瀬がアルバイトをしているお店でクレー

ショートショート「気持ちはわかる」

都会の人って優しくないよねー 都会って人が多くてほんといや と事あるごとに言っていたら、出入り禁止にされてしまった。 「本自治体の市民に対する名誉棄損で、(中略)貴殿の入境を禁じます。」 こうした際の定型文の末尾に、東京都、大阪府、京都市、名古屋市、福岡市の署名があった。 どうしよう。 これじゃ仕事にも行けない ライブもいけない ああどうしよう 友達だと思っていた人に連絡すると 「はっ あたりまえだよ。前から思ってたんだよね。あんた嫌いって言うなら都会にくんなよ。あんたが都会