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コイネージ【造語の試み】

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僕独自に考案した造語(コイネージ)を発信。とある現象・事象を表す言葉が、現に存在しないか、あったとしても学術用語などで一般的ではないとき、「こう呼んだらどうか?」と提案。
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「ミステリーフレイル」~プロは汗かくな編〔コイネージ【造語の試み】9-4〕

「ミステリーフレイル」~プロは汗かくな編〔コイネージ【造語の試み】9-4〕

親、先生、先輩、監督、上司、社長、客、市民など。

相手より上の立場にある者(あるいは自分の方が格上だと思い込んでいる者)で、お世辞にも思慮深いとは言い難い者ほど、ときおり謎理論・謎ルールを振りかざす。

卑近な例だと、前時代的な監督の、

「(スポーツ競技の)練習中、水飲むな」。

振りかざす本人としては「そうして当たり前」と思い込んでいるかもしれないが、相手からすればまったくの「謎」。「なぜ、

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「マジックブルーム幻想」×「掃除をすれば自信がつく」 〔コイネージ【造語の試み】18-2×クリシェ【凡百の陳腐句】26〕  

「マジックブルーム幻想」×「掃除をすれば自信がつく」 〔コイネージ【造語の試み】18-2×クリシェ【凡百の陳腐句】26〕  

片付け系ブログやビジネス書を読むと、時折

「①掃除をすれば→②自信がつく」

といったロジックに出くわすことがある。

「部屋がスッキリし」、「爽快な気分になり」、「タスクが効率的になる」なら、「掃除というアクション」に対する妥当な効用といえるだろう。

しかし、「自信がつく」までいくとなると飛躍しすぎである。確かに、中にはそういう人もいるかもしれない。しかし、およそ多くの人にあてはまる一般的な

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「クレバーマイノリティ幻想」〔コイネージ【新造語の試み】23-1〕

「クレバーマイノリティ幻想」〔コイネージ【新造語の試み】23-1〕

「志なく『自分は賢しき少数派だ』と思い込む心理状態」。

これを意味する

「クレバーマイノリティ幻想」
という言葉を新たに造り、そう呼んでみる。  

初めに目標や志があり、そのための試行錯誤をしていくうちに独自のスタイルや価値が形成されていった、ということではない。

初めに「他人とは違うと思いたい」ありき。

大衆とは違う意見・価値観・スタイル持っていると自称することで、「自分はその他大勢と

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「アンチアドバンスシェル」〔コイネージ【新造語の試み】22-1〕

「アンチアドバンスシェル」〔コイネージ【新造語の試み】22-1〕

「自分の変化を拒む心の殻」。

これを意味する新語、

「アンチアドバンスシェル(anti-advance shell)」を考案し、提案してみる。

既存の心理学用語、「現状維持バイアス」を一般用語っぽく言い換えてみた。

「現状維持バイアス」とは、「知らないことや経験したことがないことを受け入れたくない」という人の心理的傾向のこと。

「人は変化に弱い生き物」とはよく言ったもの。

自分にとって

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「クリアアクション」〔コイネージ【新造語の試み】21-1〕

「クリアアクション」〔コイネージ【新造語の試み】21-1〕

「自分の目的、課題を『クリア』するためにする、具体的な行動」。

これを意味する新語、

「クリアアクション」
を考案してみる。

このクリアアクションは、言ってみれば「行動」なのだが、ただ行動するのではない。

目的、課題を「クリア」するために、内容を「クリア」にした上でする行動である。

つまり、

①誰が(主体。基本は自分。他人に指示・指導をするときに問題)
②いつ(時)
③どこで(場所)

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「セルフエクセプション・スパイラル」〔コイネージ【新造語の試み】17-2〕

「セルフエクセプション・スパイラル」〔コイネージ【新造語の試み】17-2〕

「他の過ちを、自らに結びつけないことで引き起こされる負の連鎖」。

「他人の過ちを目の当たりにしてなお、

『自分だけは例外』

と捉えて実行し、結果その過ちがいつまでも繰り返される現象」。

これを意味する、

「セルフエクセプション・スパイラル(self-exception spiral)」
という言葉を新たに造り、そう呼んでみる。

言うなれば、人のふり見て、我がふり"直さない"態度により、

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「マジックブック幻想」×「学ぶのが楽しい」〔コイネージ【新造語の試み】1-4×クリシェ【凡百の陳腐句】6-2〕

「マジックブック幻想」×「学ぶのが楽しい」〔コイネージ【新造語の試み】1-4×クリシェ【凡百の陳腐句】6-2〕

「本を読む。それだけで『自分は変われる』と錯覚すること」。

これを意味する、

「マジックブック幻想」という言葉を新たに造り、そう呼んでみる。

RPGゲームに度々登場する、読んだ(使った)だけでスキル取得やレベルアップが果たせるアイテムである「魔法の書」。これを現実世界で求めるイメージだ。

そして、その「自分は変われる」には、「自分の価値観・世界観のレベルアップ」も含まれる。

つまり、「本

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「想早知遅」「想兎知亀」〔コイネージ【新造語の試み】6-3〕

「想早知遅」「想兎知亀」〔コイネージ【新造語の試み】6-3〕

「先走る"想い"に対し、"知性"が追いついていない言動」。

これを意味する

「想早知遅」「想兎知亀」という言葉を新たに造り、そう呼んでみる。

「想」早きこと兎の如く、「知」遅きこと亀の如し。

「こうしたい」「こうありたい」という"想い"はあるものの、その想いを実質的なものにする"知"が伴っていない発言や行動をさす。

例えば、「失敗名言」。

カッコつけて名言っぽいこと言ってみたが、イマイ

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「ジュエルワード」〔コイネージ【新造語の試み】16-2〕

「ジュエルワード」〔コイネージ【新造語の試み】16-2〕

努力、成長、思いやり。
本気、効率、要領よく。
勝利、正義、一心同体。
誠心誠意、おもてなし。
空気を読んで、お前のため。

とかく、日本語は"Ambiguous word"に溢れている。

"Ambiguous"とは、「2以上の解釈を許す曖昧さ」という意味であり、筆者はこれに「玉虫色」の意訳をあてた。

つまりは、「正しく、美しいが、いかようにでも解釈しうる玉虫色の言葉」。

そのような言葉を指

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「瞬閃爆(フラッシュ・ボム)」〔コイネージ【新造語の試み】7-3〕

「瞬閃爆(フラッシュ・ボム)」〔コイネージ【新造語の試み】7-3〕

「瞬時に閃くボムジョーク」。

これを「瞬閃爆(フラッシュ・ボム)」と呼んでみる。

「ナイスジョークをかましたつもりが、ドン引き、大スベり」というのは、よくある話。

例えば、女性に

「君の顔丸っこいね〜?」

と(ジョーダンノツモリデ)言う男がそうだ。

このような"スベるジョーク"というのは、大抵"一瞬の産物"だ。

「あ!面白いこと思いついた!」

ら、即行動。

ジョークを思いつくのも

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「インフェリア・アンカリング」〔コイネージ【新造語の試み】20-1〕

「インフェリア・アンカリング」〔コイネージ【新造語の試み】20-1〕

「劣等の固定観念」

「心に固定された『こいつは劣る奴だ』という観念の錨」。

これを意味する「インフェリア・アンカリング(Inferior Anchoring)」という言葉を新たに造り、そう呼んでみる。

「アンカリング」とは、行動経済学で

「最初に受けた印象やインプットされた情報が、アンカー(錨)のように心に固定され、その後の判断に影響を与えること」

をいう。

(わかりやすい例が、「ピザ

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「先従聴始(まず聴より始めよ)」〔コイネージ【新造語の試み】8-2〕

「先従聴始(まず聴より始めよ)」〔コイネージ【新造語の試み】8-2〕

「大事をなすには手近なことから着手せよ」の意である「先従隗始(まず隗より始めよ)」。

この古事成語を一部拝借した「先従聴始(まず聴より始めよ)」を提案してみる。

意味は、

「相手の問題を解決するには、話を聴くことから始めよ」
「相手の信を得たくば、傾聴に徹せよ」

だ。

医者、弁護士、占い師、カウンセラー、インタビュアーなどといった、「対人のプロ」は必ず「聴くこと」から始める。

例えば、

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「逆張小僧」〔コイネージ【新造語の試み】19〕

「逆張小僧」〔コイネージ【新造語の試み】19〕

「逆張り」とは、株式投資用語で

「市場で、市場人気に逆らって売買すること。株価が上がっているときに売り、値下がりしているときに買い付けること」(精選版日本語大辞典より)

をいい、そこからネットスラングに転じて

「俗に、大勢や時流に逆らう言動をすること」(デジタル大辞泉より)

をも意味するようになった。

そして、「大勢や時流」ばかりでなく、「目の前の人間」に対しても、"あえて"逆らうような

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「ミステリーフレイル」~女は大学へ行くな編〔コイネージ【新造語の試み】9-3〕

「ミステリーフレイル」~女は大学へ行くな編〔コイネージ【新造語の試み】9-3〕

「権威の誇示"ありき"である、謎理論・謎ルールの振り回し」。

これを「ミステリーフレイル」と呼んでみる。

この造語を説明する、最適な実例を発見した。

「女は大学に行くな」ーだ。

…はっきり言って、男である筆者が書いてて

「不快」

と感じるこの一文。フィクションでないのが恐ろしいところ。

傍から見れば、

「なんで女性が大学に行っちゃあかんの?」

と全否定の疑問符がつく、相当な「ミス

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