土居豊

作家・文芸ソムリエの土居豊です。Amazon著者ページhttp://www.amazo…

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作家・文芸ソムリエの土居豊です。Amazon著者ページhttp://www.amazon.co.jp/-/e/B00491B5TQ

マガジン

  • 土居豊の文芸批評

    土居豊の文芸批評 作家・土居豊が「文芸批評」として各種ジャンルの作品を批評します。 不定期に掲載し、公開後しばらく無料公開したのち、有料とします。 マガジンとしてまとめる記事は、有料記事です。同じテーマの批評をまとめ読みができます。また、記事単独で買うより価格がお安くなります。 今話題のアニメ映画『機動戦士ガンダムSEEDフリーダム』のテレビ放映前作を論じたアニメ評論もあります。

  • (連載中)コロナ禍の下での文化芸術

    コロナ危機の最中に音楽文化がどうなっていくのか? 感染拡大の緊急事態の中、演奏会やライブが次々中止されていったパニック状況から、演奏会再開した最初のフル編成オーケストラの体験、さらにその後の迷走状況へ。コロナの中の音楽を記録する連載。コロナ後初めてフル編成のオーケストラ演奏会を体験した印象から、今後のクラシック音楽、音楽ライブの行方を考えた。観客と演奏者、興業側の立場の差。まず、コロナ渦中でのオーケストラ演奏会をどう開催するべきか?を考える上で、これら3者の立場がそれぞれあることを見落としてはならない。 観客の立場として、コロナ危機がくる前2020年2月中旬までは、まさか同年の演奏会が何もかも聴けなくなってしまうなどとは想像していなかった。

  • クラシック演奏定点観測〜バブル期クラシック演奏会

    このエッセイでは80年代からの海外オケ来日ラッシュから始めて、最終的には現在の日本クラシック事情を記録していく。定点観音楽批評として数十年来、オケ演奏を聴き続けたリスナーとしての耳を武器に、プロの物書きとしての文章を生かして、世間の「音楽評論家」の先生方に負けない読み物を書いていく。 この連載を元に、最終的には単行本としてまとめていく予定。

  • 関西オーケストラ演奏会事情〜20世紀末から21世紀初頭まで

    【関西オーケストラ演奏会事情 〜20世紀末から21世紀初頭まで】 国内オケの演奏会評、関西を中心とした演奏会事情などをまとめた。いずれこれらの連載を合わせて一冊にまとめる予定。 21世紀前半の今、日本での、それも関西という地方都市を中心としたクラシック音楽の様相を記録しておくことは、歴史的に意義がある。昭和・平成・令和と時代が進む中で、日本の音楽文化の現状は厳しい。バブル期から数十年かけて、クラシック音楽文化も凋落してきている。その現実を考える手がかりにしたい。 (最新掲載で、故・小澤征爾の懐かしいオペラ公演「ヘネシー・オペラ」について書いています。)

  • 土居豊エッセイ「コロナ以後の読書〜村上春樹読書会と聖地巡礼」

    このコロナ禍の中、読書会という活動も、文学散歩活動も、文学の聖地巡礼も、コロナ前と様相が一変した。 それでも、コロナ危機がおさまったら、以前のように大らかな読書活動をまたやりたいという希望を、筆者も持っている。 この機会に、筆者がここ数年来継続してきた読書活動を、コロナ前とコロナ危機の最中、コロナ以後の展望も含めて、一冊の書籍にまとめたい。 まず、ネット連載で第1部を順次掲載し、その後、第2、3部とまとめて、電子書籍版で刊行予定だ。 本書を読んで、ぜひコロナ後に新たに、読書活動を始める人が増えることを願っている。もちろん、筆者の読書会や文学散歩も活動再開した際には、参加してくれることを願う。

最近の記事

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土居豊の文芸批評 映画編ノーラン監督・アカデミー賞作品『オッペンハイマー』〜男の嫉妬、やっかみ、恨みのこわさ

土居豊の文芸批評 映画編 ノーラン監督・アカデミー賞作品『オッペンハイマー』〜男の嫉妬、やっかみ、恨みのこわさ (1)『オッペンハイマー』は「逆・アメリカンドリーム」映画 映画『オッペンハイマー』で、ノーラン監督はアカデミー賞を総なめにした。必見の映画ではあるが、相当体力と気力が必要なのも確かで、みんなにおすすめするのはちょっとためらう。また、科学的・歴史的予備知識は、たくさんあればあった方が楽しめることも、間違いない。20世紀の科学史や、第二次大戦史に興味があれば、絶対

    • 土居豊の文芸批評 特別編【(追悼)小川国夫没後16年、今の若い人に薦める小川作品】

      土居豊の文芸批評 特別編 【(追悼)小川国夫没後16年、今の若い人に薦める小川作品】 小川国夫が亡くなって、4月8日ではや16年。 昨年の没後15年での特集が、各文芸誌で何も行われなかったことからも、いわゆる東京の文壇(もはや存在しないともいわれるが)での、小川国夫の扱いは忘却にさしかかったと思える。昨年、生誕100年の遠藤周作と司馬遼太郎は、テレビでも特集されたり、出版界でも大いに盛り上げていたからだ。 だが、私が思うに、近現代日本文学の20世紀作家の中で、これからも息長

      • 【小澤征爾追悼記事】小澤征爾とベルリン・フィル、そしてNHK交響楽団との関係など

        【小澤征爾追悼記事】 小澤征爾とベルリン・フィル、そしてNHK交響楽団との関係など 故・小澤征爾がベルリン・フィルのカラヤンの後継者だと噂されたのは、理由がないこともない。 今回、1986年のサントリーホールのオープニング記念演奏会のNHK再放送を試聴した。病気キャンセルのカラヤンの代役に小澤征爾が登場し、期せずして日本で初めて小澤指揮のベルリン・フィルの演奏が実現したことも、ベルリン・フィルが小澤を信頼している表れだったのだろう。 小澤がベルリン・フィルの定期演奏会に登場

        • 土居豊の文芸批評 映画編 『ゴジラ−1.0』と、『シン・ゴジラ』

          土居豊の文芸批評 映画編 『ゴジラ−1.0』と、『シン・ゴジラ』 ⒈ 映画『ゴジラ−1.0』は、日本映画そのものである (1) 映画『ゴジラ−1.0』と、『シン・ゴジラ』は、どちらも日本を舞台としたパニック映画でありながら、皇居の存在を描かない。というより、描けないのだ。 少なくとも「−1.0」の方は、太平洋戦争末期から戦後数年という時間軸が明確なので、皇室の存在に一切触れていないのでは映画としてリアリティ以前の段階だ。 そもそも、最初の『ゴジラ』第1作からお約束のように

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        • 土居豊の文芸批評 特別編【(追悼)小川国夫没後16年、今の若い人に薦める小川作品】

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        • 土居豊の文芸批評
          12本
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        • (連載中)コロナ禍の下での文化芸術
          22本
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        • クラシック演奏定点観測〜バブル期クラシック演奏会
          37本
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        • 関西オーケストラ演奏会事情〜20世紀末から21世紀初頭まで
          14本
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        • 土居豊エッセイ「コロナ以後の読書〜村上春樹読書会と聖地巡礼」
          10本
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        • 連載小説『彼女たちのフーガ』 (土居豊 作)
          1本
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          土居豊の文芸批評 アニメ編新海誠・震災3部作を観る〜『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』

          土居豊の文芸批評 アニメ編 新海誠・震災3部作を観る〜『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』 ⒈ 『君の名は。』は観客を選ばない大衆的な映画だ (1) 話題の映画『君の名は。』を観た。この日は家族で観たが、小学生女子のわが子も意外と楽しんで観ていた。周りの席は中高生が半分以上で、やたらうるさかった。このにぎやかな映画館の雰囲気は、昔よくあったアイドル映画と同じだ。とはいえ、映画『君の名は。』を多くの若い人々が映画館に観にきているのは、映画の将来にとっては良い。 で

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          【緊急投稿】祝!「ゴジラ-1.0」アカデミー賞記念(改稿版)映画「宇宙戦艦ヤマト」実写版への期待

          【緊急投稿】 祝!「ゴジラ-1.0」アカデミー賞記念 (改稿版)映画「宇宙戦艦ヤマト」実写版への期待 山崎貴監督作品 「SPACE BATTLESHIP ヤマト」 https://moviewalker.jp/mv45586/ (筆者注、元の文章は、映画実写版ヤマトが公開される前、キャスト発表の時点でブログに書いた記事) 「宇宙戦艦ヤマト」はアニメでこそ、という意見はわかるが、それでもあえて実写化する値打ちは十分ある。しかし、するならぜひ大胆なリメイクをしてほしい。 「宇

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          土居豊の文芸批評 ドストエフスキー『罪と罰』 ラスコーリニコフの老婆殺しは、妹推しの兄が切羽詰まってやっちまったこと

          土居豊の文芸批評 ドストエフスキー『罪と罰』 ラスコーリニコフの老婆殺しは、妹推しの兄が切羽詰まってやっちまったこと (1)なぜ、いま、ドストエフスキー? 唐突だが、ドストエフスキーを語ることにする。 それというのも、筆者は長らく村上春樹作品を批評してきたが、村上作品の根底には、ドストエフスキーからの影響が色濃いからだ。 村上自身、中学時代からドストエフスキーを読んでいたし、英語で米国ハードボイルドのペイパーバックを読むようになってからも、ドストエフスキーの長編を愛読して

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          土居豊の文芸批評・アニメ編 映画評『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(期間限定、無料公開中)

          土居豊の文芸批評・アニメ編 映画評『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(期間限定、無料公開中) (ネタバレします。まだ鑑賞していない方はご注意ください) (1)ガンダムの半世紀近い歴史を、背負って立つ心意気 本作は、前にも書いたように、「ガンダムSEED」と「ガンダムSEEDデスティニー」の両方を観てきた人は絶対に観るべき映画だ。テレビ全100話の長いシリーズの、それぞれの愛の形を描き分けてみせた最終回だった。 主役の2人の男女、キラとラクスの全裸?のキスで幕を

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          【小澤征爾追悼】 「世界の」小澤と「世界の」村上春樹(期間限定、無料公開)

          【小澤征爾追悼】 「世界の」小澤と「世界の」村上春樹 ⒈ 村上春樹ノーベル文学賞受賞、の場合の予定原稿 以下の拙稿は、10年ほど前から、もし村上春樹がノーベル文学賞を受賞したら、出そうと思っている予定稿だ。まず、ご笑覧いただきたい。 《村上春樹はとるべくして受賞した。すでに日本人は小澤征爾が音楽で世界の頂点にたっている。遅れること数十年、やっと文学でも世界の頂点を極めたといえる。 わかりやすくいうと、世界中どこのCDショップにもセイジ・オザワのCDがあるように、いまや、

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          (緊急投稿)小澤征爾のオペラの思い出 ヘネシー・オペラ・シリーズ・ヴェルディ『ファルスタッフ』

          (緊急投稿)小澤征爾のオペラの思い出 ヘネシー・オペラ・シリーズ・ヴェルディ『ファルスタッフ』 ヘネシー・オペラ・シリーズ ヴェルディ『ファルスタッフ』 指揮 小澤征爾 演出 デイヴィッド・ニース 舞台デザイン ジャン=ピエール・ポネル キャスト サー・ジョン・ファルスタッフ  ベンジャミン・ラクソン ドクター・カイウス  ダグラス・ペリー バルドルフォ  デイヴィッド・ゴードン ピストーラ  イーヴォ・ヴィンコ クイックリー夫人  フィオレンツァ・コソット メグ・ペイ

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          (緊急寄稿)京アニ事件のきっかけが「涼宮ハルヒ」?「AIR」? だがその動機づけは間違っていると言いたい

          (緊急寄稿)京アニ事件のきっかけが「涼宮ハルヒ」?「AIR」? だがその動機づけは間違っていると言いたい 《青葉被告は被告人質問で、京都アニメーションの存在は、同社がアニメ化した「AIR」という作品を通じて知った、と明らかにした》 と、以下の記事にある。 ※参考記事 【京アニと青葉被告の最初の接点は「AIR」 知らなければ「小説も書いていなかった」京アニ公判速報】(京都新聞2023年9月7日) https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1

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          土居豊のエッセイ連載 【バブル期90年代の来日オーケストラ鑑賞〜平成日本の音楽リスニング黄金時代】 第4回 アバド指揮ベルリン・フィル来日公演1996年その2     マーラー「復活」の実演とCD〜アバドの音か?ライナー・ブロックの音か?

          土居豊のエッセイ連載 【バブル期90年代の来日オーケストラ鑑賞 〜 平成日本の音楽リスニング黄金時代】第4回 アバド指揮ベルリン・フィル来日公演1996年その2 マーラー「復活」の実演とCD〜アバドの音か?ライナー・ブロックの音か? ※前回まで 第1回 アバド指揮ベルリン・フィル来日公演1994年 マーラー交響曲第9番〜数分間もの静寂 https://note.com/doiyutaka/n/nc176109acf0f 第2回 エリアフ・インバル指揮 フランクフルト放送交

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          土居豊の文芸批評アニメ・ラノベ編 《「涼宮ハルヒ」エンドレスエイトのアニメは8回も繰り返す必要なかったのでは?》

          土居豊の文芸批評 アニメ・ラノベ編《「涼宮ハルヒ」エンドレスエイトのアニメは8回も繰り返す必要なかったのでは?》 1 「涼宮ハルヒ」エンドレスエイトのアニメ化への賛否 ゼロ年代を代表するアニメ・ラノベの『涼宮ハルヒ』シリーズ、その中でも、賛否両論なのが、京都アニメーションによるアニメ化の「エンドレスエイト」の8回繰り返しの試みだ。 実際に、いくら深夜アニメだといっても、同じエピソードをちょっとずつ細部を変えながら8回繰り返したことは、最初の放映時からネットで物議を醸した。

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          (祝!アカデミー賞) 土居豊の文芸批評・アニメ編 「映画『君たちはどう生きるか』評 〜これは宮崎アニメの集大成というより米林監督作品との和解か?」(期間限定 無料公開)

          (祝!アカデミー賞) 土居豊の文芸批評・アニメ編 「映画『君たちはどう生きるか』評 〜これは宮崎アニメの集大成というより米林監督作品との和解か?」(期間限定 無料公開) 本作は宮崎アニメの集大成というより、米林監督作品との和解か?と考えてみた。 本作を観て感じたことが、元ジブリのアニメ監督で本当は宮崎アニメの後継者であるはずだった米林作品のテイストを、本作は換骨奪胎して取り込んでいるというものだった。 たとえば、本作の描写に米林作品の「アリエッティ」「マーニー」「メアリ」

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          土居豊の文芸批評 高村薫『レディ・ジョーカー』その1 平成日本を代表する小説 

          土居豊の文芸批評 高村薫『レディ・ジョーカー』その1 ※写真は全て土居豊の撮影 (1)平成日本を代表する小説 現代のドストエフスキー、と呼ばれることもある作家の高村薫、その作品中でも人気の高い「合田雄一郎」シリーズの3作目『レディ・ジョーカー』は、平成日本を代表する文学作品だ。 物語はグリコ・森永事件をモチーフとしていながら、時代背景を1995年前後として、平成日本の虚実を描く。 時代がまだバブル崩壊後の予熱を保っていた時期、バブルの象徴のような日之出ビール(キリン、が

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          土居豊の文芸批評・アニメ編 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は21世紀の混迷を先取りしたアニメ

          土居豊の文芸批評・アニメ編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は21世紀の混迷を先取りしたアニメ  ※写真は全て土居豊の撮影 (1)「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」を2周、通して観た 「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」、この長いアニメを最近、2周通して観た。最初は地上波テレビの再放送枠でなんとなくみはじめて、だんだんと引き込まれていくうちに、最初の方のあれこれが実は伏線だったことがわかってきて、もう一度最初から見返したくなったのだ。 前作の

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