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「出会い、生まれる、じてんしゃ旅」 世界36カ国90000km を旅してきた自転車冒険家が、今回目指すのは生き 方の冒険。 財布を持たず、見通しを持たず、持つのはコーヒー… もっと読む
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#カフェ

おまじないを込めて、嘘をついた。

おまじないを込めて、嘘をついた。

札幌にいた分だけ、キャンプ道具も着替えも積んだフル装備の自転車にまたがったときの、よろけ方が大きい。つま先にぐっと力を入れて踏ん張らないとそのまま転んでしまいそうだ。サムズバイクの奈美さん、高田さんに見送ってもらい出発した。

雲は少しあるけど青空が広がっている。気温も暑すぎずという感じで、スピードにのってくると体に当たる風が心地よい。交通量が多い国道なので、いつもよりいくぶん緊張しながら歩道と道

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記念すべきEARTH RIDE RADIO第1回。いよいよ北海道を抜け出し青森へ。青森市での物語がたくさん生まれたdailylife bicycle cafeの様子から、大先輩との再会、そして生まれてはじめての米軍基地滞在など盛りだくさんでお届けします。

大きな流れに身をゆだねる生き方。

大きな流れに身をゆだねる生き方。

【引き寄せ】という言葉がある。昔からあったんだろうか?それとも最近割と流行ってきた言葉なのだろうか。なんかいつの間にか【断捨離】ぐらいみんなが使うようになった言葉という気がする。ひとつの行動、ひとつの言葉。それを放ったあとに自分にとって「こうあってほしいこと」が舞い込んできたときに”引き寄せた!”と言ったりする。

けど僕はじつは引き寄せという言葉がなんとなく苦手だ。それは誰かがこの言葉を使うこと

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「実はね、この人もう目が見えないの。」

「実はね、この人もう目が見えないの。」

さあて、どこにしようか。
札幌のシンボルといえば、でっかくそびえるテレビ塔からズラーッと札幌中心部を横断するように伸びる大通り公園。噴水があったり、芝生の広場や小さなお山があったり、夏にはビアガーデンとなるとっても素敵な場所だ。観光客だけでなく、地元の人にとっても憩いの場になっていて、自転車を押しながら歩くだけでもずいぶんおだやかな空気が流れていて居心地がよい。

いちばん盛り上がっている3丁目(

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子どもの失敗の見まもりかた。

子どもの失敗の見まもりかた。

冬に札幌に講演で呼んでもらったときに、東京の仲間の紹介で、講演を聞きに来てくださったサムズバイクの奈美さん。そのときは、まだお店はOPENしていなく改装中だった。

名前のとおりサムズバイクのオーナーは奈美さんの旦那さんであったサムさんだった。そして創業25年のこのバイクショップは北海道だけでなく、全国でも名の知られた名物ショップだったのだ。

彼が若くして突然亡くなり、奈美さんがお店を改装して新

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コーヒーだけに落としちゃったね・・・。

コーヒーだけに落としちゃったね・・・。

あぁ。。。

自転車のうしろに積んでいるバッグのフラップを開けてため息が漏れた。
カフェのための装備と荷物が入っているそのバッグ。小樽で買ったはずのSATO BLEND BIEN CAFEのコーヒー豆が袋ごと無くなっていた。

札幌、大通り公園までの60kmを走り終えて、ホット一息つこうかと、後ろを振り返ったときに嫌な予感がしたのだ。いつも締まっているはずの、バックルが外れてストラップが垂れ下がっ

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高倉健とこだわりの崩壊

高倉健とこだわりの崩壊

「高倉健の話を聞いてくるといいですよ!」

こんな紹介の仕方があるだろうか。それもお店のコーヒーの味とか、焙煎へのこだわりとかではなく、高倉健のお話とは。こういう変化球を投げてくる人はしぃーらない!と言えるくらいの男を目指すなんてつもりはサラサラなく、絶対行きます!と伝えSATO BLEND bien cafeに自転車を走らせた。

住宅街のまんなか。それも自宅建物の地下。看板なんてものはなく、ガ

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場所で人は変わる。種類も心も変わる。

場所で人は変わる。種類も心も変わる。

*dailylife観光地編翌日また小樽運河沿いに向かった。青空から太陽の光が落ちる運河と古い倉庫街は、昨日とはうってかわって明るさが目に飛び込んでくる。遊覧船も観光客を乗せて流れていた。

友だちに教えてもらったのだが、この小樽運河はアーティストに向けて開かれた場所だそうで、現地に到着すると昨日は誰も居なかった運河沿いにさまざまな露天が並んでいた。ポストカード、インスピレーション習字、小さな手作

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自分に負けたときがスタート。

自分に負けたときがスタート。

完全に負けた。自分に負けた。
恥ずかしくなってしまって、人目が気になってしまって、結局FacebookのLIVE放送で誰も来ないですー!というネタにするという逃げに走った。情けないったらありゃしない。店を閉まって、しょうがないわと裏道から商店街をあとにした。

(↓小樽に入ったときから)

小樽に到着してそのまま人通りが多い商店街へ自転車を走らせた。駅前も商店街も閑散としていて、ちょっとコーヒーを

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