𝔼ℂ𝕆ℕ𝕆ℙ𝕌ℕ𝕂

株式市場の墓守及び語り部。粉飾・不正会計ウォッチャー。ごくたまに書くけどほぼ見る専用 …

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株式市場の墓守及び語り部。粉飾・不正会計ウォッチャー。ごくたまに書くけどほぼ見る専用 X(旧Twitter)→@spritzer_

記事一覧

地銀の国債投資戦略全部抜く(予告編)

はじめに 前回のnoteで、「利上げで金融破綻が発生するぞ」という言説に反論していた際に、思わぬ発見があった。それは金融機関によって市場運用リスクの取り方が全く異な…

利上げによる金融破綻論のバカバカしさについて

はじめに 日銀総裁の交代に伴い、YCC(Yield Curve Control)が見直されつつある。YCCは、簡単に言ってしまえば日本国債(以下、特に指定しない場合、「国債」、「n年債」…

MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話③(財政赤字を気にしなくていいってホント?)

はじめにこの記事の目的 前回は、主流派経済学のモデルを用いてもMMTの提言が成立しうる状況があることを示した。そして今回は、MMTの特徴的な主張である、「インフレが加…

MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話②(MMTのモデル化)

注:前回のエントリで、キーストロークマネーに関する説明が誤っていると指摘をいただいたので修正した。正直筆者もMMTを理解したとは言い難いので、WrayのMacroeconomics…

MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話①(MMTの主張はなにか)

*9/25 万年筆マネー(キーストロークマネー)について指摘があったので修正 はじめにこの記事の目的 筆者はいわゆる主流派経済学と、MMT(Modern Monetary Theory=現代…

地銀の国債投資戦略全部抜く(予告編)

地銀の国債投資戦略全部抜く(予告編)

はじめに

前回のnoteで、「利上げで金融破綻が発生するぞ」という言説に反論していた際に、思わぬ発見があった。それは金融機関によって市場運用リスクの取り方が全く異なるということだ。

金融機関はバーゼル規制対応で、定量・定性的に自分たちがどの程度のリスクに直面しているのかを開示しなければいけないが、その中に、金利上昇リスク関連の項目がある。前回のnoteで確認したIRRBB(銀行勘定の金利リスク

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利上げによる金融破綻論のバカバカしさについて

利上げによる金融破綻論のバカバカしさについて

はじめに

日銀総裁の交代に伴い、YCC(Yield Curve Control)が見直されつつある。YCCは、簡単に言ってしまえば日本国債(以下、特に指定しない場合、「国債」、「n年債」と記載しているときは全て日本国債を指す)を日銀が売買し、日銀が望ましいと考える長短の金利を実現することだ。これは、市場のリスクプレミアムを下げることで投資需要を喚起する、というのが目標であったが、7年ほど続けた現

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MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話③(財政赤字を気にしなくていいってホント?)

MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話③(財政赤字を気にしなくていいってホント?)

はじめにこの記事の目的

前回は、主流派経済学のモデルを用いてもMMTの提言が成立しうる状況があることを示した。そして今回は、MMTの特徴的な主張である、「インフレが加速しない限り財政赤字を気にしなくて良い」という主張を検証する。

結論だけ手短にお願い

財政赤字がインフレを昂進させないなら、いついかなる時でも財政赤字を気にしなくて良いというのはおそらく誤り

ただし、財政赤字を気にしなくて良い

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MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話②(MMTのモデル化)

MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話②(MMTのモデル化)

注:前回のエントリで、キーストロークマネーに関する説明が誤っていると指摘をいただいたので修正した。正直筆者もMMTを理解したとは言い難いので、WrayのMacroeconomicsとか読んでる人からすると、それ間違ってるぞ、と思われる蓋然性は高い。MMT論者の方で、MMTに対する解釈が違うぞ、という場合は、筆者のTwitterアカウントまで。

はじめにこの記事の目的

前回は、MMTの主張をまと

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MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話①(MMTの主張はなにか)

MMTミリしらがMMT入門書を読んでみた話①(MMTの主張はなにか)

*9/25 万年筆マネー(キーストロークマネー)について指摘があったので修正

はじめにこの記事の目的

筆者はいわゆる主流派経済学と、MMT(Modern Monetary Theory=現代貨幣理論)の主張の違いが何なのかがよく理解していなかった

国内のMMT論者は、「MMTは誤解されている」あるいは「MMTは都合よく切り取られている」と主張していることが多い。一方で、反対派は「MMTはトン

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