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お客様が神様なら私たちは天使になる。【仕事エッセイ】

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著書「それでもお客様は神様ですか?」のその後の未公開エッセイ。サービス業の仕事・接客・人間関係・その苦悩について書いたものです。
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#クレーム

大人たちの後悔と天使の笑顔と。

まだ、私が電器売場店員だった頃の 今も忘れられない大切な夏の思い出です。 ・・・・・・・…

青木詠一
4年前
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追いかけて、追い求めて。

何か自分の限界を感じる時。そんな時に限って、”自分に何ができるんだろう?”なんて私は考え…

青木詠一
4年前
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何も言うな、何もするな。

これは随分とひどい出来事だけど、昔のことなのでご心配なく。 レジでお客さんが、パートさん…

青木詠一
5年前
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電器屋でお客様がお金を貸してほしいと言った日。(後編)

前編のあらすじ。 ある日のこと、女性のお客様から洗濯機が壊れたので、今日の日替わり商品を…

青木詠一
5年前
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電器屋でお客様がお金を貸してほしいと言った日。(前編)

随分と、昔の話ではあるけれど、お客様から「お金を貸して欲しい」と、かつて言われたことがあ…

青木詠一
5年前
25

クレームとテレビ局の取材。

昔、あるテレビ番組の取材を受けたことがある。結局のところ、いくつかの理由で放送は中止には…

青木詠一
5年前
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春はもうあの空の中に。

あるクレームがあって、お客様のところへ訪問することになった。詳しくは書けないけれど、本来なら怒鳴られたっておかしくないほどの致命的なものだった。 けれども、その女性のお客様は、とても心のやわらかな方で「もしも、他の人にも同じようなことが起きてはいけないと思って電話しました」とまるでクラスの委員長が、みんなのために手を挙げて、勇気を持って発表してくれているような、そんな清々しさだった。 私は店をすぐに出た。これからクレームでお客様の家へ行くというのに、まるで懐かしい友達にで

静かな場所で泣きたかった。

ある日のこと、大きなクレームがあった。それはかなりひどいもので、お客様にかなり迷惑をかけ…

青木詠一
5年前
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いつか心の片隅で。

この頃、私は接客をしていたり、仕事仲間と話をしていたりするとき、よくこう思うことがある。…

青木詠一
5年前
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バケツと土下座と。

仕事でかなり困ったクレームがあった。内容までは書けないけれど、お客様がお金での解決を迫っ…

青木詠一
5年前
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逃れられない運命のようなもの。

「だから、私の太ももを、イヤらしい手つきで触ったのよ!」 それは、突然の出来事だった。 …

青木詠一
5年前
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彼の長い一日。

あの日は長い一日だった。クレームがあった。 お歳暮の品が、まだ、届かないことから起きてし…

青木詠一
5年前
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そこへ行くまでのちょっとした旅。

これはもう昔のこと。その日はとてもいい天気だった。その頃も確か秋だったのに、暖かでとても…

青木詠一
5年前
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見えない言葉。

久しぶりに、クレームがあった。 それはお客様からの投書であり、それはとても長い文章であり、とても丁寧な言葉であり、そしてそれでも、それはひとつのクレームだった。 内容は、ある商品についてのことで、ほんのささいなことで、起こりうると言えば起こりうることで、しょうがないといえば、しょうがないことで、普通ならあきらめてしまうような、そんなことで。でも、その人はそうじゃなかった。 投書に電話番号がちゃんと書いてある。その人のまっすぐな、気持ちが透き通るように見える。夕方の落ちつ