マガジンのカバー画像

お客様が神様なら私たちは天使になる。【仕事エッセイ】

98
著書「それでもお客様は神様ですか?」のその後の未公開エッセイ。サービス業の仕事・接客・人間関係・その苦悩について書いたものです。
運営しているクリエイター

#仕事

人ではなく、物事を叱るために。

休みの日に職場から電話があることほど嫌なものはない。その日、一日がどんよりとした気持ちに…

青木詠一
4年前
21

怒らなくなったお客様に想うこと。

この頃、お客様が怒らなくなったなぁと思う。 レジが長い行列になっても、誰も怒らずに黙った…

青木詠一
4年前
38

私から逃れたいから。

心の傷は、どうして他人に見えないのだろうかと思う時がある。体の傷だったら、誰にでもわかる…

青木詠一
4年前
31

失くしたもの、得たもの。

これはもう、昔のこと。食品スーパーの仕事の中で、とても困難なことが起きた。目の前の中年の…

青木詠一
4年前
32

追いかけて、追い求めて。

何か自分の限界を感じる時。そんな時に限って、”自分に何ができるんだろう?”なんて私は考え…

青木詠一
4年前
26

命をかける。

取引先のその人から電話がかかってきた。相手の興奮がすでに電話越しにわかった。その興奮は紛…

青木詠一
4年前
28

キレやすい彼と、その自然体と。

今、ペットショップボーイズの音楽を聞いている。”Behaviour”(1990年)というタイトルの古いアルバム。 彼らの歌は、力強く何かを求めることもなく、何も語りかけていないかのように、ただ、自然体のままでいる。でも、そのメロディは、私の心の深いところを、まだ、誰にも見せていないような場所へと、そっと導いてくれる。 彼らの歌は、もしかしたら天使達に守られてるんじゃないだろうか?と錯覚するほどのその美しい旋律と透き通る声。何も飾ることもなく、ただ、自然体のままで。 あん

最悪な人間関係と大きな誤算。

職場内の人間関係がギクシャクしていて とても疲れてしまっている。 どうして人は、ああも簡…

青木詠一
5年前
17

何も言うな、何もするな。

これは随分とひどい出来事だけど、昔のことなのでご心配なく。 レジでお客さんが、パートさん…

青木詠一
5年前
25

決して言ってはならない言葉。

レジのアルバイトが、お客さんから長々と説教を受けていた。30代くらいの体育の先生かな?と思…

青木詠一
5年前
37

笑顔のない彼女。

私のとても身近なところに、まったく笑わない人がいる。その人は女性で、もう30は過ぎたくら…

青木詠一
5年前
35

素敵な笑顔の連鎖

不思議なくらいに、とても充実した一日。食品スーパーは切りがないくらい忙しい。いつもは仕事…

青木詠一
5年前
22

20年前の不思議な再会。

クレーム先のお客様のマンションを出ると、もう、日は沈みそうだった。高校生がコンビニの前を…

青木詠一
5年前
23

心、見える人。

ある日のこと。仕事中に、なぜか何をやるにも、何もする気にもならずに、なんとなくぼんやりしていたら、突然に声をかけられた。 「なんか・・・元気なくないですかぁ?」 変な日本語ではあるけれど、19才の彼女の言葉には、とても優しさがこもっていた。でも、その言葉よりも、もっと不思議に思ったことは、それまで彼女とは、ほとんど話をしたことがなかったことだった。 なのに私のことを心配してくれている。そう思うと・・・なんか、くるものがあった。うまく言えないけど、突然こんなふうに優しくさ