そこらへんの薬学生

言葉がまちがっててもそっとしておいてください 研究室生活のひとやすみ☕️

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  • 語らせて。集

    書きたくなったら書きます。

  • ドイツで高校生してみた

    ドイツ南部の小さな町で、高校生をしていました。 留学中の忘れられない出来事を綴ります。

最近の記事

ケセラセラ

「あなた、このままだと将来うつ病になっちゃうよ。」 バイトの後輩に、ある日こう言われた。彼女はパニック障害、うつ病性障害の診断を受け、抗うつ薬・抗不安薬を服用している。  私のバイト先の居酒屋は、現在とても”脆弱”である。  というのも、人手不足が深刻で、現店長(男性)のバイトへの要求度が明らかに高い。今年で4年目の私は、ホール全体を見張ることを高いレベルで要求される。もともとキャパシティーが小さい自覚があり、仕事を覚えるのも遅いので、金曜や土曜にドリンクのオーダーの山にパ

    • #6 太陽

      中学校の卒業式。 私が卒業したのは、一学年100人くらいの小さな中学。全国レベルの吹奏楽部を指導する音楽の先生に鍛え抜かれた合唱が、部活のバスケットで3年間縦横無尽に走り回った体育館に響き渡る。 曲名は、アンジェラ・アキの「拝啓十五の君へ」。 ひな壇の至るところから、泣く声が聞こえてくる。隣の友達も、前に立っているあいつも、指揮棒を振っているあの子だって、耐えきれずに袖で涙を拭っている。曲が曲なのも相まって、3年間学年を築き上げてくださった担任も、目を真っ赤にしている。

      • #5 ナハ、タイヲアラワス

        お父さん、お母さんへ お元気ですか。 数日後の自分が投函し忘れてなければ、この手紙は誕生日までに届いているはずです。 前置きはこのくらいにして。 20年間育ててくれてありがとう。 大学生になって、一人暮らしをして、バイトをして、つくづく実感するものがあります。 それは、「人間は、どうしても自分のための利益だけを考えたくなってしまう生き物だ」ということ。 「貴方を信頼している」っていうのは、実は自分の欲望や期待を相手にぶつけていることを含んでいると、この夏気づきました。

        • #4 ええか、勘考しなさい

          おばあちゃんへ 夏から帰省できてませんが、お元気ですか。 二十歳になる節目に、感謝の手紙を送らせてください。 自分は、両親がくれるのと同じくらい、おばあちゃんから愛をもらったと思っています。 児童館の送り迎えをしてくれたのも、内気で放課後遊ぶ友達ができなかった小学校低学年時代に一緒にカードゲームをしたのもよく覚えています。 両親に言うのは申し訳ないかもしれないけれど、おばあちゃんに半分育てられたようなもんだと自分では思っています。 大学の同期を見ていると、大抵の人に

        マガジン

        • 語らせて。集
          6本
        • ドイツで高校生してみた
          2本

        記事

          #3 信じるって?

          幼少の頃、私は世の中の大人たちをこう捉えていた。 「みんな何か役職を生まれながらに持っていて、各々の役職を皆完璧にこなしている」と。 母親は母親として、父親も父親として、完璧だと思っていた。 母は、どうやって覚えたかはわからないけど、料理洗濯ができるし、バスケットもできる。 父も、どうやって覚えたかはわからないけど、自転車の乗り方の「教え方」を知っているし、家族で毎年行ったキャンプのときに火を起こせたりテントを立てられたりする。友達を裏切ったら全力で叱ることも、お箸の持ち

          #2 選ぶことは、捨てること【ドイツで高校生してみた】

          ホームステイ初日。電車に3時間揺られ、ようやくステイ先に着いた私。その日の夕方、早速ホストパパが家の周りを案内してくれた。そして、広場の角の小さなアイス屋に立ち寄った。 広場はにぎわっていて、テラスでお茶会をするおばあさんたちや、スケボーを乗りまわす少年たちに、休憩に来た自転車乗りたちがいた。 アイスを買って、広場のベンチに腰掛ける。 コーンにのったストロベリーアイス。アメリカの砂糖たっぷり・糖尿病まっしぐらなアイスキャンディーとはまるでちがう、上品な味だった。 する

          #2 選ぶことは、捨てること【ドイツで高校生してみた】

          #1 習慣の力【ドイツで高校生してみた】

           私は高校2年の夏から約10か月間、ドイツ南部でホームステイをしながら、現地の高校に留学をしていた。  留学する前にほとんどドイツ語を勉強せずに出発した私。驚くべきは、出発前に知っていたドイツ語が「こんにちは」「私の名前は○○です」「水」の3つだけだったということ。今思えばなかなかの度胸だったと振り返るが、当時から英語に自信があった私はそこまで怖気づくこともなく、英語ができるドイツ人がほとんどだったのも幸いし、はじめのうちはコミュニケーションにはそこまで困らなかった。  

          #1 習慣の力【ドイツで高校生してみた】

          ♯1 依存

          私には、小学校からの仲の親友がいる。お互いの家は徒歩30秒、当然同じ公立中学校に通い、近所の同じ公文式教室にも通っていた。高校からは別々になったものの、その後も定期的に私の家で「定例たこパ(たこ焼きパーティー)」を開催したり、誕生日プレゼントを贈ったりして、お互い大学生となった今でも連絡を取り合っている。名を仮にSとしよう。 ある夜、Sと電話をしていた。お互いの大学のこと、Sが来年に控える留学のこと、私の最近の恋愛沙汰と、話が弾む。その夜はお互い口が止まらなかった。そのはず