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【組織風土を語る①】 心理的安全性 と 人生の充実度

株式会社EpoChを設立して、早くも4カ月目に突入しています。
 
当社が日々提供差し上げている 「組織戦略・人事戦略アドバイザリー」、「戦略人事支援・ CHRO代行」、「伴走型ビジネスコーチング」 のいずれのサービスにおいても共通して話題にあがってくるアジェンダのうちのひとつが「心理的安全性」です。
 
私自身の経験にはなりますが、2019年秋頃、当時CHRO(最高人事責任者)としてある取材に応じた際、テーマのひとつとして「Phycological Safety」をあげさせていただいたことをよく覚えています。また、当時在籍していた企業内で「組織風土醸成とエンゲージメント向上」に関する全社横断的プロジェクトのオーナーを担っていた際、その全社向けのキックオフ共有プレゼンテーションにおいても「Phycological Safety」について語りました。

当時は、まだ「心理的安全性」という日本語がそれ程多くは出回っておらず、外資系企業のHR・組織リーダーを中心に「Phycological Safety」というグローバル共通の用語・目的で提唱していたタイミングだったと記憶しています。
 
ただ、この数年間で、Covid-19という世界規模での未曽有のチャレンジにも見舞われ、世の中の環境・トレンドのみならず、ビジネスを取り巻くニーズやスピード感などでも急激な変化を迫られ、不透明な中でも柔軟にしなやかに前進していくことがより一層必要になったことは周知のとおりです(「レジリエンス」とよく言われますね)。
 
その様な背景もあってか、ビジネス界隈のみならず、日常シーンにおいても、「心理的安全性」という日本語訳された用語は、この数年間で一気に世の中にも溢れ出したように感じます。また、心理的安全性を 「経営戦略」のひとつの軸として位置付ける企業も数多く出てきている傾向です。
 
心理的安全性は、本やインターネットで数多くの情報を得ることができますので、その詳しい解説は極力控えます。ここでは、私自身が複数のグローバル企業で経験してきたことや、CHROとして経営層や対外的に啓発や推進をしていたことなどを中心に、実体験からくる内容を【組織風土を語る】という4回のシリーズでまとめていきます。
その第一回目が、土台となる「心理的安全性と人生の充実度」です。

1.   心理的安全性とは

「心理的安全性」とは、それぞれが他者とオープン且つ率直にコミュニケーションを取り、意見やアイデアを自由に表現し、間違いや失敗を恐れずに挑戦できる状態を指します。
 
心理的安全性は、組織やグループの中での人間関係において非常に重要です。特に、意見が分かれることが多いプロジェクトで、各メンバーが意見を自由に出し合える環境を作ることは、プロジェクトの成功に不可欠です。 
 
私の経験上ではありますが、心理的安全性が高い環境を目指し、且つ高い成果や業績をあげるためには、以下のような要素が必要だと考えます。
 
◆個々の違い・多様性を尊重・受容する◆
相手の意見を尊重することは、心理的安全性を高めるために欠かせない要素です。メンバーは自分の意見やアイデアが受け入れられ、承認されていると感じることができるため、より自信を持って発言することができます。「個々の違い」を「個性・強み」として尊重し、さらには受容していくことが組織に求められます。
 
◆相互依存性を認識する◆
心理的安全性を高めるためには、メンバーが互いに依存していることを認識することが必要です。チームメンバーが互いに支え合い、協力することで、心理的安全性を高めることができます。
 
◆フィードバックに透明性を持つ◆
個々が課題克服に向けて意識・行動を改善して前進するためには、行動などに対する具体的で透明性あるフィードバックが有効になります。また、そこから一歩踏み込んで、改善に向けた行動に対しても、健全な対話とフィードバックを心掛けることで、信用と信頼が高まり、双方向により前進していくことに繋がります。
 
◆失敗を許容し、時に称賛する◆
(*次回noteのテーマ)
失敗は成功への道のりであると考え、失敗を恐れることなくミスを認めることができる組織風土が必要です。メンバーがミスを認め、改善することができる環境であれば、より創造的且つ効果的なアイデアが生まれることができます。常日頃から、その様な風土・空気感を上位層が組織内に醸成しておくことが必須です。しても良い失敗とそうではない失敗を皆が共通見解を持ち、学びと成長が伴う良い失敗が称賛される風土を目指すと良いでしょう。
 
◆リスクを取ること・挑戦することを奨励する◆
(*次々回noteのテーマ)
リスクを取ることは、新しいアイデアを試みることや問題を解決するために必要なことです。心理的安全性がある環境では、リスクを取ることが奨励され、メンバーがチャレンジングなアイデアを提供し、それに向けて挑戦できやすくなります。
 
 
当社でお客様へのご説明やCHRO代行とアドバイザリー業務で使用している「心理的安全性と高い目標の関係性」をシンプルにまとめたスライドを、第1章のまとめとして、以下で共有いたします。
 
<問い>
■    あなたは、現在どのゾーンの組織に所属されていますか?
■    どのゾーンの組織に所属することで自身の人生の充実度が上がりそうですか?

@EpoCh Ltd.



2. 人生の充実度

続いて以下のスライドは、私が伴走型ビジネスコーチングを提供しているスタートアップ企業などの若きリーダーの方々に時々お見せするものです。

@EpoCh Ltd.

*スライドの見方としては、上段水色の2つのBoxが 「組織に属する社員目線での想い」、それに応じるものとして、下段濃い青色の3つのBoxが 「組織リーダーとして心掛けておくべきこと」 になります。


「人生の充実度」って、個々の価値観によるものですので、「別にあなたに言われる筋合いはない!」と突っ込まれそうですし、「別にチャレンジなんか求めてない!」と反論されるかもしれませんね。。はい、スミマセン。
 
ただ、これは、あくまで、起業して4カ月目に入り、私が日々対峙しているスタートアップ企業の起業家、ベンチャー企業の経営者、日系企業・外資系企業の組織リーダーの方々のことを鑑みて作成したものです。
その個人が前進していくことを支援する「伴走型ビジネスコーチ」と、その方がけん引する組織に対しての「組織戦略・人事戦略アドバイザー」、もしくは「CHRO代行」のサービスで活用しているツールの中の1枚です。
また、それらのお客様のニーズ(自身が責任を持つ組織に属する社員の方々にどのように向き合いたいかのニーズ)と、私の経験値からのアドバイス、それぞれを合致させた要素で構成している当社オリジナル版ですので、あくまで「サンプルのひとつ」程度にお気軽にご覧いただければ幸いです。
 

皆さん、組織規模問わず、「経営者」「組織リーダー」であることに変わりありませんので、「心理的安全性」をいかに自身の会社や組織内に醸成し、第1章で示した「高パフォーマンスゾーン」の組織を築きたいかの想いが合致しています。その観点でも、この「人生の充実度 | どれだけチャレンジしたかで決まる」のシンプルな問いかけスライドは、「組織リーダーとして意識すべき目線&あるべき姿」のひとつとして、結構刺さっている様子です。
 

ということで、【組織風土を語る】は、全4回シリーズとして、あと3回綴りたいと思います。特に、本記事の第1章「心理的安全性とは」で記載した最後の2つの要素である「失敗の許容と称賛」「挑戦する風土」に関しては、「人生の充実度」にも大いに影響する可能性が高い要因として、それぞれ、次回と次々回で語りたいと思います。
 

ここまでお読みいただきありがとうございます!
次回も是非ご覧いただければ嬉しいです。


<株式会社EpoCh - website>


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人事の仕事

外資系17年(HRトップ 7年)とプライム市場上場企業 Global CHRO(最高人事責任者)経験の私が「誰もが独自性を強みとして持ち、新しい無限の可能性を秘めている」を自身のコーチング哲学に、2023年3月 起業をしました。サポートくださる方々と一緒に日本を元気にしたいです!