満島エリオ

昼は楽しく、夜はかなしい。仕事で編集・ライターを、趣味で言葉を書いたりオタクをやっています。愛のあるレビューを書きます。音楽みたいな文を書きたい。連絡はこちらeriomitsushima@gmail.com か、Twitter(@erio0129)にお願いします。
固定されたノート

ぼくらきっと鏡みたいだった

「小説家になりたいんですよね」

初めて会った時にそう言った私に、なんと答えたか覚えてますか。
覚えてないだろうなあ。
だって本当に何気なく、思わず言ったって感じだったから。

でも私は一生忘れない。
私に運命の日があるとしたら、それはあの何気ない午後のことだった。

*

大学4年の私は、就活を終えてひましていた。
持て余すほど時間があるのはきっといまだけだ。せっかくだからなんかおもしろいことし

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ずっと好きだよ、どうぞ嘘つきと呼んで。

先週、とあるライブに行った。
とあるアイドルゲームのライブだ。

たかがゲームのライブと侮らないでほしい。
本当に本当にクオリティが高くて、愛の詰まったライブなのだ。
今年が2回目の開催なのだけど、私は昨年の1stライブにも参戦していて、ライブ後1週間ぐらいロスに落ち込むくらい、本当に本当に素晴らしくてよいライブだったんだ。
どれくらい感動したかは、去年の私が書いている。

ライブのあと、私はもう

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サイレンに追いつかれないように

サイレンが鳴っている。

火事があったらしい。消防車が何台も私を追い抜いていく。
あんまり見たことのない台数だったので、ちょっとびっくりして立ち止まってしまった。買ったばかりのトイレットペーパーをぶら下げた間抜けな格好で。
少し先の道に赤い四角い消防車が何台も止まっていて、消防隊員の姿も見える。

歩道には心なしか人影が多く、近所の住人らしき人達が何人も外に出てきて、消防隊員たちの動向を見守ってい

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明日も好きな服を着る

いちばん最初に就職した会社でいちばん嫌だったのは、1年に一回ある「組合の集会」だった。

旧態依然とした会社で、年に一度、全国の営業所から代議員数名ずつが集まって「議長を信任しますか」「意義なし」ぱちぱちぱち。みたいな形ばかりの会が開催されていた。
今自分でこれを書いていても、なんて古臭いんだろうと思う。一文字も意義が理解できない。

私は代議員じゃなかったけど、入社して数年は他部署への顔見せとか

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もう”便利な君”じゃなくていい

大学生の時、学園祭の実行委員に所属していた。
(っていうとものすごい確率で「パリピ」「チャラい」「陽キャ」と言われるんだけど、断じてそんなことはない。ただ飲みサーではあった)

大学がマンモス校だったのもあって、馬鹿みたいに人数の多い団体だった。
どれくらい人数が多いかというと、新歓合宿のためにマイクロバス5台使ってたくらい。正気か。
もちろん全員で一斉に活動するわけじゃなくて、「広報」とか「運営

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ずっとここで旗を振る

最近、知り合いや友達が「あの文章読んだよ」と言ってきてくれることが増えた。
こないだなんか、そんなに頻繁に連絡とってないしSNSにも全然姿を見せない先輩が、わざわざLINEで「これめっちゃよかった」と送ってきてくれた。

ずっと、狭くて暗い場所にいる気分だった。
どうせ大して読まれもしないのに。私の書いたものってそんなにおもしろくないかな。これになんの意味があんのかな。

そんな暗い引力に、常に引

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