- 運営しているクリエイター
記事一覧
キタダmusic room 6 ようやく一日を静かに終えられるために 和田誠&村上春樹『Portrait In Jazz』より
この本と出会う前から、Billie Holidayの50年代の歌唱が好きだった。
Bill Evansの“Waltz For Debby”も、Oscar Petersonのパワフルなピアノだって、けっこうまえから聴いていた。
でもわたしがほんとうにJAZZと出会えたのは、この本を手にしてからだ。
この本に溢れているのは、JAZZの音・JAZZの声そのものだ。
どの文章でもいいから一読してみ
キタダmusic room 5 甲州街道を歩く夜なのさ 「八王子純愛物語」ファンキーモンキーベイビーズ ほか
最近、ファンキーモンキーベイビーズの「八王子純愛物語」という曲を知りました。八王子へ行った思い出がよみがえります。JR八王子駅で友人と待ち合わせ、高尾山を望みながら陸橋の階段を降りて街へ出たこととか、クジラ商店(まだあるかなぁ)で飲み会したこととか。
友人たちと別れ、いい気分で乗り込んだ中央線の車内で寝落ちしてしまい、新宿で折り返して再び八王子方面へ戻りはじめていたこととか💦ようやく途
キタダmusic room 4 ざらざらと、ひりひりと、長回しで・・・。 「くちばしにチェリー」EGO-WRAPPIN'
20年くらい前になると思うが、「私立探偵 濱マイク」というドラマがあった。
ちがう監督が毎回競作するかのように撮り、しかも全エピソード16mmで撮影。
スタイリッシュで、しかもざらざらした「濃ゆい」映像が、いつも映画を観ているようだった。
そのテーマソングがこれ。
https://youtu.be/w_Coel1VIvI
脳髄にこびりつくようなアップビート。
スカとジャズ。
スカの発祥(発症)
キタダmusic room 3 理想の大人 “Happy Man”佐野元春
高校生になって間もなくのこと。
この曲と出逢って、「イチコロ」(今風にいえば「瞬殺」)で佐野元春ファンになりました。
「能天気」な歌詞とそれまで体験したことのなかったビート感が渾然一体となって、いつ耳にしても自然とテンションが上昇するのがわかる。そわそわしてくる。「みんなが待ってる店」へ早くいきたくなる。こんな感じの“Happy Man”でいたいと心底あこがれて、部活の打ち上げなんかではいつもこ もっとみる
キタダmusic room 2 詩人は路上を歩く 「雨」「湖畔」長岡亮介
神出鬼没のギタリスト・長岡亮介の2010年の演奏。
原宿キャットストリートでの弾き語りですが、このクオリティの演奏なのに、(今ほど知られていなかったとはいえ)長岡亮介なのに、立ち止まって聴き入っている人が誰もいないというのが逆におしゃれすぎます。最後にピックを落としてしまった後の表情がいいですねー。人柄を感じさせます。
さあ、歩き出した長岡氏。今度は「湖畔」を歌いだす。
「湖畔」長岡亮介
y もっとみる
キタダmusic room 1 たった1音で落ちる夢 “Darn That Dream” Bill Evans and Jim Hall
最初の1音が、すべてを語っている。
あ…。
あの人に逢えた。
その、ときめきとざわめき。
そして、ここは夢。
夢と知っていれば覚めずにいたのに。
切なすぎる。でも、しあわせな夢だった。
ぜったいにあんなふうに逢うことのない人。
タイトルの「いやな夢」は、覚めたくないのに覚めてしまう夢、という意味にとりたい。
くどいかもしれないけれど、
最初の1音がこの世界観にわたしを投げ込んでくれる。
他のミュー もっとみる