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暗黒の未来スコープ①

恋愛小説『マイ・ブラウン・シュガー』
【第三十一話】

(ユリ)


新たな季節の兆しの中に住む
穏やかに戯れる人々は
みんな幸せなのだろうか。


新学年、新担任、新たなステージ。
学生という身分に属してから、12年目に突入した。
もはや新しい学期だからといって楽しみなことは何もない。ただ、クラスの中で誰か仲良くなれそうな人を見つけなきゃいけないのは面倒だった。グループ分けで気を遣われたくはないし、余るのも嫌。

「ユリ~!!!!今年も一緒だね☆」

いつも語尾に星マークが見えるほど元気なランは、去年も一昨年も同じクラスだった。同じ文系だからもしかしたらとは予想していたけれど、本当に今年も一緒なんだ。


「今年もよろしくね」


面倒くさいところはあるけど、勝手に話してくれるから正直楽だ。わざわざ新しく人を見つける必要がなくなって、ホッと安心する。


学校での私というパペットのキャラクターは、ほぼそのまま続役のようだ。これまでできたんだから、あと一年も大丈夫だろう。


感情の力を舐めていた私は、そんな考えの甘さに頼ったままこの世の苦さを知ることになる。



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