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小池龍之介編訳(2015)『超訳 ブッダの言葉 エッセンシャル版』ディスカヴァー・トゥエンティワン

ブッダの人間味を感じられる本

今回もKindle Unlimitedを利用して本書を読みました。このエッセンシャル版のシリーズは、昼食を採らないわたしのような者にとっては、丁度昼休み時間を埋めるために適した読書の機会をあたえてくれるような感じがします。休み時間の読書なので、あまり深く考え込まずに、かつ、重たくなく、適度な分量の文章であり、適度な分量の内容でもあリます。

本書は、怒らない、比べない、求めない、業を変える、友を選ぶ、幸せを知る、自分を知る、身体を見つめる、自由になる、慈悲を習う、悟る、死と向き合うという項目立てがされており、最後はブッダの遺言で締めくくられています。

これらの項目が意味するところは、全て読み終えてみてわかるのですが、ブッダは実に人間味のあるというか、さまざまな事象に関して、自問自答して悩まれたのだということが、これらの少ない文章の端々から理解できます。

日頃大きなストレスを抱えている人にとっては、本書で語られている文章の一つ一つに納得し、その納得する過程でこころ晴れてくる不思議に遭遇します。わたしも前職で職場の身近な人が不正をして、それを警告し、かつ、告発しましたが、それに至るまでも大きく悩み、また、不正を改善することができない職場にも怒りを覚えました。そんななかで本書に出会い、改善する気のない職場に自分がいることによる不条理よりも、真っ当な生き方の方の選択をすることになりました。

今は転職しましたが、自分の生き方を含め、ブッダの教えも少なからず自分の意思決定に関与したのではないかと思っている次第です。

本書では「もし誰かに悪口を言われたら」とか「君が思い上がりの罠にかからないなら」など、実に自分の身近に感じる数々の事象に関して、その問いに回答するかのような言葉を素直に受け取ることができます。

特に、社会人としてベテランの領域に入った人にとっては、なかなか相談できる相手も少ないでしょうから、このような本で、先人たちの知恵を享受できることは、本当に素晴らしいと実感できます。

まだまだ時間が許せば、このシリーズを読みすすめてみたいものだと思いました。読後にこころがスッキリしました。悩みを抱える人にとっては良書です。

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