待草雪

SF(=Sub future Fantasy)、群像劇ファンタジー・現代物等オリジナル…

待草雪

SF(=Sub future Fantasy)、群像劇ファンタジー・現代物等オリジナルの長編ライトノベルを執筆しています。 ※コメントは諸事情で対応が出来ない為、頂いても内容に関わらず掲載破棄をしております。御了承下さい。 はてなブログでも作品の無料公開をしています。

マガジン

  • Bounty Dog【Science.Not,Magic】

    遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達を保護する組織を作り、対策を実施している。1班「哺乳類課」、2班「鳥類課」、3班「亜人課」。過ちにようやく気付いた素振りをしながら、人はまだ罪を犯し続けるのか。それでも何処かで変わるのか、不変のままエゴを貫くのかーー。彼は、決して判断はしない。これは絶滅危惧種の亜人が見る『人間』の物語。 【4章:Science.Not,Magic(S.N,M) 編】 0-α:プロローグ1『赤い忍』 0-β:プロローグ2『緑目のスパイ』 0-θ:プロローグ3『銀髪の魔法使い』 0-Ω:プロローグ4『金眼の狼』 1〜20:原子の旅の果てで 21〜:執筆中

  • Bounty Dog【清稜風月】

    遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達を保護する組織を作り、対策を実施している。1班「哺乳類課」、2班「鳥類課」、3班「亜人課」。過ちにようやく気付いた素振りをしながら、人はまだ罪を犯し続けるのか。それでも何処かで変わるのか、不変のままエゴを貫くのかーー。彼は、決して判断はしない。これは絶滅危惧種の亜人が見る『人間』の物語。 【3章:清稜風月 編】 0:東の島国『櫻國』 1〜25:桜の国の妖精 26〜50:古か、最西洋化か 51〜70:犬と虫の妖夜行 71〜110:私の希少種 111〜140:K及びS 141〜175:此の国を保護する 176〜215:死神は此の世に関われない 216〜265(了):友達になりたい

  • Bounty Dog【14Days】

    遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達を保護する組織を作り、対策を実施している。1班「哺乳類課」、2班「鳥類課」、3班「亜人課」。過ちにようやく気付いた素振りをしながら、人はまだ罪を犯し続けるのか。それでも何処かで変わるのか、不変のままエゴを貫くのかーー。彼は、決して判断はしない。これは、絶滅危惧種の亜人が見る『人間』の物語。 【1章:14Days 編】 0:『Aランク』兎耳族 1〜15:『Sランク』獣犬族 16〜30:原子操作術 31〜45:『Aランク』絹鼬族 46〜65:『Gランク』喵人 66〜80:『Sランク』白鮎族 81〜95:『Lランク』ローグ(上) 96〜115(了):『Lランク』ローグ(下) 外伝:【And end run.】

  • Bounty Dog【アグダード戦争】

    遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達を保護する組織を作り、対策を実施している。1班「哺乳類課」、2班「鳥類課」、3班「亜人課」。過ちにようやく気付いた素振りをしながら、人はまだ罪を犯し続けるのか。それでも何処かで変わるのか、不変のままエゴを貫くのかーー。彼は、決して判断はしない。これは絶滅危惧種の亜人が見る『人間』の物語。 【2章:アグダード戦争 編】 0:曲者シルフィ 1〜20 :紛争地帯アグダード 21〜40:虫ケラ軍曹 41〜70:生きた追跡地雷 71〜120:生きた窒息兵器 121〜145:空を飛ぶ”ガイ” 146〜205:金の亡者 206〜245:弱者という覇者 246〜306(了):底辺の底力 +外伝

  • Guilty Braves

    二つの大国による戦争が休戦して間のない異世界「フィルアース」。人々は長年続いた争いの傷や悲しみを拭うためなのか、当時戦争の主力武器とされた「魔導士」―― 生まれつき魔法を使うことが出来る人間達を差別していた。その中で風のようにささやかれた噂。「世界のどこかにあるという誰もが幸せになれる土地」の伝説。一人の少年が消えない虹に希望を馳せた時、理不尽なこの世界は大きく動き出す。これは「人」と「魔導士」、そして「幸せの土地」をめぐる、暗黒の時代を駆けた者達の物語

記事一覧

Bounty Dog【Science.Not,Magic】33-

33  ファンタズマ(幽霊)になって12年間、此の世を漂っているが、人間として死んで12年経っても、闇は煩わしいだけの存在だった。  望遠機能付きの暗視ゴーグルを目に…

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待草雪
3日前
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Bounty Dog【Science.Not,Magic】31-32

31 「あのな!オレ、お前と別れてから、実験に実験を重ねてだな!空気からは未だ反応出来ねえけど、兄貴の十八番の、物体を粉化させる操作術ならオレもマスターしたぜ!」…

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待草雪
5日前
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Bounty Dog【Science.Not,Magic】30

30 (最初からヒュウラの邪魔をしてはいけないという事?) (……御意。響きが美しい初めだけで良い。……だ) (7体は、必ず死ぬって決まっているのね?) (御意。そう…

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待草雪
7日前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】27-29

27 「生存しているなら、あの子はLランクじゃ無くてSランクよ。たった1体でも生きているのなら絶滅していない」 「確かにそうですが……でも何で突然姿を表したのでしょう…

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待草雪
9日前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】25-26

25  ーー伝言に複雑な暗号を使うのは、解き方が余りにも知れ渡り過ぎて現実では意味が無くなった、創作御伽噺でしかもう使われていない空想のスパイのやり方だ。祖国の機…

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待草雪
11日前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】24

24  ーー18歳になると、出来る事が大幅に増える。祖国では酒と煙草を人前で堂々と飲み吸い出来る。保護者が居なくても恋人との合意だけで結婚出来るし、娼婦も男娼も思う…

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待草雪
13日前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】22-23

22 「本当、お前もクレイジーだよ」  セグルメント・カッティーナが呟いた。『世界生物保護連合』3班・亜人課の現場保護部隊専用支部の一角にある班長室で、班長用の執務…

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待草雪
2週間前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】21

 他の生き物が其れをするのは、己の命を此の世に繋ぐ為。人間が其れをすると、最も簡単に名声と大金が得られるが、勘付かれると罪になり、名声と大金を瞬時に失う。 21 …

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待草雪
2週間前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】18-20

18  半月前に伝えられた通り、カロルとシルフィ・コルクラートは交信出来なくなった。シルフィはヒュウラに直接尋ねるという方法を用いてみたが、ヒュウラも「頭の中がず…

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待草雪
3週間前
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Bounty Dog【Science.Not,Magic】17

17  鼬は犬への復讐を諦めた訳ではない。人間が使うコトワザというモノを用いると『急がば回れ』を彼はしている。  彼は亜人2体と人間1人を犠牲にした。だが崖と激流の…

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待草雪
3週間前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】16

16  白鼬族は本能的に薄情だった。鼬の亜人は助っ人が負けると判断するなり、逃げる隙が無いか画作し始める。  獣犬族は”己が認めた存在”に対しては情が厚い。膝から…

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待草雪
4週間前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】14-15

14  猫が爆睡している鳥と鮫を檻越しに見ながら、大きな声でニャーと鳴いた。己が今居る故郷の地で、数え切れない程多く居た仲間達と一緒に群れを作って暮らしていた時か…

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待草雪
1か月前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】12-13

12  カイ・ディスペルは、念願のトマトを食べた。本当は大きなトマトを大口で丸齧りしたかったが、文句吐きは我儘でエゴイスチックで、スーパーハイパー最低な行為である…

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待草雪
1か月前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】10-11

10  味方を囮にして犠牲にする事も、策略の内だった。最後の脱走亜人はロープを引っ張ってから離すと同時に岩陰から飛び出して、計画に組み込んでいた道具を拾った。  …

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待草雪
1か月前
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Bounty Dog【Science.Not,Magic】9

9  カイ・ディスペルが倒れている岩の隙間の横を通って、ヒュウラとリングは地面に落ちている羽根を追っていた。羽根は大型の鳥のモノで、1枚ずつ縦に並んで置かれている…

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待草雪
1か月前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】6-8

6  4品目の料理は、3品目と同じく冷菜だった。但し盛り付け方が下手過ぎて、料理を見ると漏れなく食欲が失せる。  料理名は『人間の叩きのめし活き造り(ノンカット丸ご…

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待草雪
1か月前

Bounty Dog【Science.Not,Magic】33-

33  ファンタズマ(幽霊)になって12年間、此の世を漂っているが、人間として死んで12年経っても、闇は煩わしいだけの存在だった。  望遠機能付きの暗視ゴーグルを目に掛けた小麦色の肌と黒髪を持つ青年は、監視対象(ターゲット)を丘の彼方此方にある林のひとつに紛れながら、遠隔で見つめていた。亜人らしき獣耳を生やした子供の姿を確認すると、”会ちょ”に連絡するか考える。  若き西洋の隠密は、主人への連絡をせずに”クソガキ”達の様子を見守る事にした。暗視ゴーグルに覆われた目と顔を別の

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】31-32

31 「あのな!オレ、お前と別れてから、実験に実験を重ねてだな!空気からは未だ反応出来ねえけど、兄貴の十八番の、物体を粉化させる操作術ならオレもマスターしたぜ!」  カイ・ディスペルは寝巻きから黄色いローブのようなトップスにデニム半ズボン・ショートブーツの普段着に着替えており、白い布製のメッセンジャーバッグを肩に掛けていた。旅立ちの準備を整えてから行動していた人間の少年は、懐中電灯の光を前方に当てながら、救助した”友達”を引き連れて国際保護組織・亜人課支部から離れていく。

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】30

30 (最初からヒュウラの邪魔をしてはいけないという事?) (……御意。響きが美しい初めだけで良い。……だ) (7体は、必ず死ぬって決まっているのね?) (御意。そうだ。1体は俺の行動で生き物が変わる……だ。……そうか。  名は教えない。生き物達に影響が出てしまうからな。次にビリビリバギュドゴーンを受けたら、俺にも喋れなくなる…………何とも思わない)  カイ・ディスペルは、唯1人だけ支部の外に居た。真夜中に響き渡った防犯ブザーで飛び起きたが、見えない何かに導かれたかのよう

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】27-29

27 「生存しているなら、あの子はLランクじゃ無くてSランクよ。たった1体でも生きているのなら絶滅していない」 「確かにそうですが……でも何で突然姿を表したのでしょうか?何十年も世界中を探しても発見されなかったのに、突然。しかも本人は生きている他の同種の事を全く知りません」 「確かに妙ね。でも記憶喪失以外にも、可能性は幾つかある。それにあの子は姿も能力も間違い無くローグ。原子操作術という、人間には未知の魔法を自在に使えるわ」  カイは寝る前の歯磨きと入浴を終わらせて、己用

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】25-26

25  ーー伝言に複雑な暗号を使うのは、解き方が余りにも知れ渡り過ぎて現実では意味が無くなった、創作御伽噺でしかもう使われていない空想のスパイのやり方だ。祖国の機密組織は真逆で、ワザと分かりやすい方法を訓練でスパイ達に身に付けさせる。  但し分かりやすいは、”過去の人間”にとって分かりやすいという事だ。使う道具は骨董品。カセットテープ、ビデオテープ、レコード、ラジオ、フロッピーディスク、ポケットベル、マイクロディスク、コンパクトディスク、DVD、ブルーレイ、ガラパゴス携帯電

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】24

24  ーー18歳になると、出来る事が大幅に増える。祖国では酒と煙草を人前で堂々と飲み吸い出来る。保護者が居なくても恋人との合意だけで結婚出来るし、娼婦も男娼も思う存分に買える。車も家も己だけの名義で買えるし、全ての乗り物の運転免許が取得出来る。ーー  飛行機の操縦免許は持っていないものの、”彼”は3種の運転免許を取得していた。但し彼が持つ免許証は正規品では無く偽名での偽造品である。20人分の免許証に混じって本名でも同じ乗り物の運転免許を持っているが、万一の際に必要になるの

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】22-23

22 「本当、お前もクレイジーだよ」  セグルメント・カッティーナが呟いた。『世界生物保護連合』3班・亜人課の現場保護部隊専用支部の一角にある班長室で、班長用の執務机の上に足を組んで座っている彼は、班長室に置かれた赤いロココ調の椅子に座っている、仏頂面の亜人に向かって話し掛けた。 「犬だからなのか?どうしてあの眼鏡を何時迄もご主人様として神格化させてるんだよ。ありゃあ、唯のクレイジーなデジタルオタク。略して、デルタ」 「名前は偶然でしか無いわ。そして私も眼鏡よ」  銀縁眼鏡

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】21

 他の生き物が其れをするのは、己の命を此の世に繋ぐ為。人間が其れをすると、最も簡単に名声と大金が得られるが、勘付かれると罪になり、名声と大金を瞬時に失う。 21  人間達が己達と”都合の良い存在”だけを生き物として扱っている人間の世界では、今から10ヶ月前に2週間に渡って起こった超大量連続殺人爆破テロ事件は、3つの大陸と1つの島国でおよそ200万の人間が悲惨な形で殺されたにも関わらず、過去の事件として風化し掛けていた。  数百年前から今日まで、此の世界では数億人が世界規模

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】18-20

18  半月前に伝えられた通り、カロルとシルフィ・コルクラートは交信出来なくなった。シルフィはヒュウラに直接尋ねるという方法を用いてみたが、ヒュウラも「頭の中がずっと空っぽになっている」と、何時もの5W1Hが無い喋り方で答えてきた。  シルフィは、毎夜寝る前にメモを見直す。ヒュウラの身内だろう冥土の魔犬が半月前に予言した、此れから起こる未来を確認してから毎日眠る習慣が出来ていた。  ヒュウラに、命の危険が2回起こる。  2回目の危険は、ミト・ラグナルが原因になる。  シルフ

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】17

17  鼬は犬への復讐を諦めた訳ではない。人間が使うコトワザというモノを用いると『急がば回れ』を彼はしている。  彼は亜人2体と人間1人を犠牲にした。だが崖と激流の川も多いが、なだらかな丘と林もある故郷に帰る前に、己の自由を10ヶ月間も奪った”クソ犬野郎”をボコボコに殴ってキャンキャンクーンクーン言わせると決めている。  鼬は滑るように岩から岩へ、人間達が住む『箱』から『箱』に移動しながら考えた。犬野郎ヒュウラへの復讐方法を考える。5つ目の物陰に隠れた時、唐突に名案が浮かん

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】16

16  白鼬族は本能的に薄情だった。鼬の亜人は助っ人が負けると判断するなり、逃げる隙が無いか画作し始める。  獣犬族は”己が認めた存在”に対しては情が厚い。膝から崩れ落ちて泣き喚く眼前の人間を、理由は謎だが哀れに想ってきた。 『ヒュウラ、逃げようとしている保護対象(ターゲット)を早く捕まえなさい』  棒立ち無表情でカイを見下ろしているヒュウラに、シルフィが首輪の中から命令してきた。ヒュウラは無表情のまま、背を向けた鼬を見ながら一、二歩、足を動かす。  直ぐに邪魔が入った。カ

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】14-15

14  猫が爆睡している鳥と鮫を檻越しに見ながら、大きな声でニャーと鳴いた。己が今居る故郷の地で、数え切れない程多く居た仲間達と一緒に群れを作って暮らしていた時から、鮫の亜人に関しては相手に子猫を時々食べられる事もあったが、大人の猫は戦闘力が高く無くても、どの個体も易々と退治出来ると認識している。  陸鮫族はボール遊びのボールにすると楽しいが、刺身には出来ず、焼いても煮ても生臭くて全然美味しく無く、他の食べ物が無い時だけ時々捕まえて食べている程度の魚である。  なのに人間は

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】12-13

12  カイ・ディスペルは、念願のトマトを食べた。本当は大きなトマトを大口で丸齧りしたかったが、文句吐きは我儘でエゴイスチックで、スーパーハイパー最低な行為である。加えて誰かに善意で物を貰ったのに相手の前で平然と文句を吐く行為は、肉体から魂までの全てがスーパーハイパーウルトラ、ミラクルスペシャルアルティメット、ダサい。  陸鮫の歯で開封された細切れトマトの缶詰が、焚き火の上で煮立っている。鼬は移動中に初めて”珍味ハンター”に遭遇したが、何故か人間達は、鼬が背負っていた別の人

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】10-11

10  味方を囮にして犠牲にする事も、策略の内だった。最後の脱走亜人はロープを引っ張ってから離すと同時に岩陰から飛び出して、計画に組み込んでいた道具を拾った。  鮫の亜人が生え変わらせて口から落とした、鋸のような大きな歯を地面から1本手に入れる。ついでに猫の亜人が鮫を調理中に地面に置いていた、人間の道具も1つ拾って手に掴み持った。  “彼”は足が遅く持久力も無いが、瞬発的に動く事に関しては狼の亜人や猫の亜人よりも遥かに早い。  非常に素早い小回り移動をしながら別の岩陰に身を

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】9

9  カイ・ディスペルが倒れている岩の隙間の横を通って、ヒュウラとリングは地面に落ちている羽根を追っていた。羽根は大型の鳥のモノで、1枚ずつ縦に並んで置かれている。あからさまに分かりやすい罠だった。  あからさまに分かりやすい罠だが、2体の亜人は共に何も考えずに追い続けていた。片方は本当に何も考えていない。もう片方は、必要を感じなかったのでワザと何も考えていなかった。 『あからさまに分かりやすい罠ね』  人間の保護官が、亜人達の代わりに感想を口に出した。シルフィ・コルクラー

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】6-8

6  4品目の料理は、3品目と同じく冷菜だった。但し盛り付け方が下手過ぎて、料理を見ると漏れなく食欲が失せる。  料理名は『人間の叩きのめし活き造り(ノンカット丸ごと地面直置き・添え物無し)』。量は1人前だけだった。調理者が拳のみを使って行った調理中に放った憤怒の念の悍ましさに、他の珍味ハンター達は怖気付いて皆、逃亡した。  腫れ上がり過ぎて原型を殆ど留めていない、気絶している活き造り人間の顔から滴り落ちるブラッドソースが、真夏の太陽の光を浴びてギラギラ艶やかに輝いている。

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