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役に立たないものを見よう


2023年11月2日(木)朝の6:00になりました。

役に立たない知識から得る喜びは大きい。

どうも、高倉大希です。




役に立つから、要る。

役に立たないから、要らない。


わたしたちは、役に立つかどうかを重要視しがちです。

たしかに、役に立つものには即効性があります。


目に見える変化をすぐに感じられるので、多くの人が欲します。

これが役に立つもののよいところであり、同時にわるいところでもあるわけです。


完成しないほうがいいといっているわけですから、外から見たら「いい加減なやつだ」と思うでしょう。でも長い目で見れば、その「いい加減」や「未完」が役に立ったのです。

横尾忠則(2023)「時々、死んだふり」ポプラ社


川に水を汲みにいくことが面倒くさくて、わたしたち人類は水道を発明しました。

きっと多くの人たちは、面倒くさいことに対してただ文句を言っていただけです。


そんな中で、ほんの一部の人たちが水道を引こうと提案しました。

それ以外の人たちは、完成した水道に食らいついたにすぎません。


要するに役に立つものは、誰かに与えられたものだということです。

面倒くさいという思いを提案に昇華させた人たちが、与えてくれたものなのです。


なにかがガラッと変わるときというのは、いろんな関係なさそうな要素が、複雑にからみあって、ちょっぴりずつ流れをつくっていくものなんだと、ぼくは思っている。

糸井重里(2004)「ほぼ日刊イトイ新聞の本」講談社


与えてもらうことに慣れてしまうと、それらをジャッジするようになります。

そしてついには、こんなことを言いはじめるようになるわけです。


役に立つから、要る。

役に立たないから、要らない。


役に立つものだけを欲し、役に立たないものには文句を言う。

それをひたすらくり返しながら、日々を過ごしていくのです。


デューイは「不確定な状況」をかき乱された、困った、曖昧な、混乱した、矛盾に満ちた、不明瞭な状態、などと表現している。モヤモヤなどのわからない状態を不安と感じるかワクワクと感じるかは個人差もあるかもしれないが、わからない、わかりたいという気持ちこそが深い学びを引き起こしていくのである。

藤原さと(2023)「協働する探求のデザイン」平凡社


新しい発見はきっと、役に立たないものの中にあります。

まだ誰にも分類されていない、不確定なものの中です。


もしかするとそれらには、即効性がないのかもしれません。

面倒くさくて、文句を言いたくなってしまうようなものなのかもしれません。


そんな役に立たないものを、侮ってはなりません。

侮った瞬間から、口を開けて待つことしかできなくなってしまいます。






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