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ワーカホリック(仕事中毒)を健康問題だと認識すること→本当の自己成長(20代でオフィスで倒れて救急車で運ばれた私の体験)

#あの選択をしたから

私のワーカホリックからの脱却・回復、振り返ってわかったこと、考え方の変革と自己成長、自分なりにカスタムした働き方改革について、その時に感じた気持ちのまま、綴ります。

ワーカホリック、オーバーワーク、過労死、中毒、誰にでも起こりうることで、一人一人、それぞれに違う体験だと思います。自分の体験を話すことで、このテーマが、タブーでなくなり、いろんな病み方・治り方があるんだ、とパブリック・ナレッジが増えて、大勢の方の予防につながることを願います。


私は「隠れワーカホリック」だった。
ワーカホリックを良いことだとする文化がある。私はその文化に浸っていて、ワーカホリックの病的症状が出ていることに気づいてもいなかった。

振り返ると前兆はあって、予防できたはずだが、まったく「気づき」がなかったせいで、ある日、

急に、オフィスの自分のキュービクルで倒れて救急車で運ばれた。


なんで自覚がなかったかというと、たくさんの原因が重なっているのだが、主に;

  • 仕事の内容も会社も同僚もめちゃくちゃ楽しかったこと

  • 20代で、若さのノリで、仕事を「今しかできない青春」などと勘違いしていたこと

  • 重要な役割を与えられて、ありがたいという感謝の気持ちが何より強かったこと

つまり、

非常にポジティブな感情が仕事に対してあって、まさか、自分の体にとって悪いことだと思いつきもしなかった。


過労死とかワーカホリックというのは、否が応でも無理やり酷使された結果、起こる現象だと思っていたのだ。私とは関係ない!

私の場合は、何も無理強いされてなくて、本人が好きで勝手に仕事しているだけだから、全てが自分自身のコントロール下にあると思っていた。自分の健康、そして命は、どんなに蔑ろ(ないがしろ)にしても、自分の気持ちの通りにやっていれば、問題は起こらないと思っていたのだ。

他人からの圧力は許さないが、自虐は許すというわけだった。

何もメンタルヘルスの問題はなかった。ストレスもない、職場のイジメもない、退屈さもない、理不尽さもない、強制もない、全て、自分が思うまま進んでいた。
フィジカルヘルス(実質的な動物としての体の健康)は、まったく無視していた間にどんどん悪化した。メンタルの強さで推し進められると勘違い。

夢中で、のめり込んでいた。
まさに、それは、中毒、依存症だったのだ。


毎晩3時間しか寝ない、土日も毎週働く、16時間連続で働く日もしょっちゅうだった。やればやるほど結果が出る。友達同士で競い合うゲームみたいなものだった。そして、いつも1番になりたかった。2番になるなんて、エゴが認めなかった。

今考えると、外的プレッシャーがなくても、自分自身を追い込んで中毒になるケースは、 他にも、世の中、いくらでもある。ゲーム中毒や、ソーシャルメディア依存症、ユーチューブやネットフリックス依存症など、そういうことだ。

倒れて、やっとわかったことは、体には限界があること。

これは、外的要因(他人からの命令を聞かないといけない、職場環境に理不尽なルールがある、ノルマがプレッシャー、上司や同僚がプレッシャー、納得いかない仕事内容などなど)に屈することからくるメンタルヘルスとは、

全く別問題、健康問題だ。


あまりに中毒になっていて、救急車や病院のことは朦朧(もうろう)としているが、はっきり覚えているのは、病院を出て、タクシーに乗って、会社に戻ったこと。

 あー、救急車で運ばれたりして、数時間、無駄にした!

仕事が遅れた。さっさと会社に戻って仕事しないと!


と思っていたのだ。

これは、病的アディクト(中毒者)そのものだ。


この頃の私のメンタルヘルスがひとつ、おかしいとしたら、自分の中毒を自覚できていない、セルフ・アウェアネス、一切なし、という点そのものが、

メンタルヘルスの危険である。


会社までタクシーで戻って、エレベーターで自分の階に上がり、キュービクルが密集しているフロアに入る。フロアのドアから私が歩いて入って戻ってきている様子に、一斉にして、ほぼ皆んな、同僚がキュービクルから頭を上げて、目をキョロキョロさせて、無言で私のことを見た。

シーン...

として、誰も何も言わない。
びっくりしたんだろうか?
幽霊を見たような?

静かすぎて、こちらがビビるくらいだ。

皆んな黙って、固まって、私を見つめている。

ピリピリした空気の中、

私も静かに自分のキュービクルに戻り、パソコンを開く。


「よっし、どこまでやったんだっけ?」
エクセルを眺めて、思い出そうとする。

仕事に集中して気がついたのだが、頭がおかしい。

まったく、文字を読んでも、数字を見ても、何もわからない。 一切、何も理解できない。これ以上なく集中しているのに。


ぶっ倒れて頭が壊れた。。。

秘書の女性に伝えて、やっぱり休みをもらうことにした。

「そうだよ、休みなよ! 
ホントにもう、びっくりしたよ。ちゃんと休んでね!!」

そう言いながら、すでに電話をかけて、タクシーを手配してくれて、
ビルを一緒に降りて、車まで一緒に来て送り出してくれた。

というワケで、家で眠った。

まるで、何年か振りに、はじめて眠ったかのようだった。


この眠りが、一旦ブレイクになって、自分自身の様子を、外から眺めるような距離ができた。

ぞっこん夢中になっていたせいで、「現実」と「自分が真実だと信じ込んでいる虚像」が乖離(かいり)していたのに気づいた。

  • 自分で納得してオーバーワークしていると言っても、実は、潜在的に、外的要素に影響されているのだ

  • 仕事ができるということが、自分自身のアイデンティティーの全てだと勘違いしていた

  • 仕事以外の全てがひどい状況になっていた(健康、人間関係、自分の夢、人生設計、昇給やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)などなど)


会社のカルチャーというのが大きな影響を及ぼす。

私の所属していた会社のカルチャーが悪かったとは言わない。とっても楽しかった。今でも、あんな青春時代は二度と来ないだろうと恋しくなることがある。

だが、チームビルディング、ロイヤルティ、というエンプロイー・レテンション戦略で、給料が低くても、楽しいし、貴重な体験が積めるし、会社の中で長く過ごせば過ごすほど会社のモットーやミッションに惚れ込んでいくという環境の中、社員の個人的な自由を徐々に奪っていく土壌があったかもしれない。

まるで、誘拐犯に恋してしまうストックホルム症候群と似ているかもしれない。

*ストックホルム症候群:
精神医学用語の一つ。誘拐監禁などにより拘束下にある被害者が、加害者と時間や場所を共有することによって、加害者に好意共感、さらには信頼や結束感情まで抱くようになる現象。(コトバンクより)

外から遮断されたユニークな環境で、メンバーだけしかわからないような特別な感覚を共有し、団体のために自己犠牲していることにも気づかない、そういう団結力に浸っていた。

とにかく結論は「ダイバーシティ」

ダイバーシティが、オプレッション(抑圧、強制、潜在意識の中で、他人の指示に従ってしまうこと)からの救済方法

セルフ・アウェアネスは、ダイバーシティの中で研ぎ澄まされる。

今、自分自身で仕事を作り出して、そして、多くの他人の仕事も作り出して、独立して自由気ままな人生を送っている中で分かっていることは、この自由と独立の土台にあるのがダイバーシティだということ。私の人生の中のダイバーシティがなくなれば、同時に自由と独立も消える。

人生の中のダイバーシティとは何だろう?

  • 自分の携わる仕事の多様性(最近、カナダのジャーナリストであり、社会改革のソートリーダー(Thought Leader) の マルコム・グラドウェルが、転職経験が無い人の危険さを謳っているのが話題になっている)

  • いろんな社会・コミュニティーに顔を出すこと

  • 自分の意見や認識と正反対な人たちと真摯に語り合うこと(こっちの物の見方を説得するために説教するのではなく、対等に話し合う)

  • 毎日、思想と心身とのバランスを改善する運動をする(メディテーション、ヨガ、散歩など)

セルフ・リード、アサーティブネス、セルフ・プロデュース、セルフ・ブランディング、そして自分自身のアイデンティティの確立というのは、一旦、どんな環境からも距離を置いて自分を観察するところから始まる。どんな素敵な環境であっても、一旦、距離を置いて他人の目で観察してみることで、自分の置かれている状況がハッキリする。どんな環境やグループにも、自由に出たり入ったりできるマインドを育むことが大事だ。すると、自分しかできないこと、自分だからこそ、他人の役に立てる方法がわかってくる。自分だから提供できるサービスを、それを求めているマーケット(セグメント)をマッチさせれば、どこに行っても仕事は生み出せる。

わかる人はわかると思う。私のように、身体に問題が出てから目覚めるのではなくて、他人の体験を複数聞いて、へー、こんなワーカホリックのケースもあるのか、という風に、病み方も多様だと知ってもらい、怖い思いをする前に予防&方向転換できる人が増えてくれたら、なにより嬉しい。

"Don't put all your eggs in one basket."

「卵を全部、ひとつのカゴに入れないように!」という注意喚起が思い起こされる。

カゴ自体が壊れたら、入れた卵が全部壊れてしまうから。代替の卵がどこにもないということになる。

目に見える近距離の周りの様子だけに影響されて、これしかない!と思わず、人生のホライゾンを広げよう!

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