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【スモールビジネス】「同業他社」批判に対して、お客様は何を感じるか?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
自分のビジネスを成功に導くためには、同業他社研究が必要なのは誰もがご承知のことでしょう。

リサーチを進めていくと、自社にあるものないもの、いいところ悪いところ、学ぶべきことなど、いろいろ出てくるものです。
 
特にスモールビジネスの場合、例えば、リアル店舗が自社の商圏エリアとかぶるとなると、なんとかしてライバル店に勝ちたい、集客したいという思いが湧き出るのは当たり前の感情だと思います。その感情自体は問題ないものです。
 
ただ、その思いや感情をお客様に対して吐露してしまう、いわゆる「同業他社」批判をしまったら……。一生懸命がゆえに起こしやすいミスでもあります。
 
それをやってしまうと、どんなことが起こるのか?
それを聞いたお客様はどんな感情を抱くのか?
お客様と同業他社の話になったとき、どんな応対をすべきなのか?
 
そんな疑問に対して、自身で複数のジム経営をしながら、スモールビジネス専門集客コンサルタントとしても人気を博している日野原大輔さんは、著書『神・リピート集客術』の中で、同業他社に対する考え方について詳しく解説しています。今回は、同書の中から該当箇所を全文公開します。

スモールビジネスに限らず、企業に勤めるビジネスパーソン、例えば営業職にとっても役立つ内容になっています。

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同業他社の批判で、どんなメリットがあるか?

 どの業界にも同業他社は存在します。そして、同業他社のリサーチをしていると、「ここは違うんだよな」と思うことがあるはずです。
 われわれの業界であれば、「そのトレーニングって、もう流行ってないよね?」「24時間ジムなんて、そもそも行く?」「手ぶらでOKのジムって、夏に着替えを持って行かなければ、汗でビショビショじゃん!」「あそこはクレームばっかりらしいよ」といった具合です。
 他にも、「暗闇でボクシングってどうなのよ?」「メイドさんのパーソナルジム? ありえないでしょう!」など、言い出したらきりがありません(笑)。
 しかし、同業他社に対しては批判しないようにしてみてください。
 なぜなら、同業他社を批判したところで、マイナス要素しか生み出さないからです。
 そもそも他店を批判すれば、人の悪口を言うのと同じで、いずれ悪口を言った本人に返ってきます。相手の耳に入った時点で、自店の悪口も言われる覚悟が必要です。
 その悪口を自分のお客さまが聞いたとしたら、信頼もなくしてしまいます。いつの間にか攻撃の対象になっているのは自店のほうかもしれません。
 また、新しいお店は絶えず出店しています。画期的な販売アイデアも日々生まれ、そこには人だかりができているかもしれません。それを「流行っているのも今だけだよ」と、指をくわえて見ているようでは、それこそ、あなたのお店はあっという間にピンチに立たされるでしょう。気がつけば、自分のお店のお客さまもそっくり新しいお店に取られているかもしれません。
 それよりも、同業他社や他業界のいいところを認めつつ、自店がもっと成長するように研究し、取り入れられるものは取り入れるべきです。すると、反対に同業他社がマネしたくなるような、斬新なものになるのではないでしょうか。

他業界のプロモーション手法を取り入れてみる

 商品そのものをマネるのではなく、消費者の購買意欲を喚起させるプロモーション活動において、他業界の手法を取り入れてみるのもおすすめです。
 たとえば、ある老舗の和菓子メーカーでは、新商品を売り出すために、SNSで人気のクリエイターにダンスの振り付けを依頼。その動画がS N S上で話題となり、Z世代がそのダンスをマネして投稿する二次拡散に発展したそうです。また、別の和菓子メーカーでもツイッターやティックトック、インスタを活用し、若者世代の心をつかんで売上を上げたケースがあります。
 年配者が好きな和菓子という商品を、デジタルネイティブにあえてぶつける発想もすばらしいのですが、「SNS売れ」した商品をリサーチし、自店の商品と照らし合わせてそのプロモーションのエッセンスを取り入れた結果、若者に刺さったのです。
 これはスモールビジネスでも十分マネできることだと思います。
 不動産業界で、珍しいプロモーションを行なっている会社もあります。建売住宅を販売するある会社では、見栄えのいい若者たちに路上でキャッチセールスをやらせています。いわゆる〝ナンパ方式〞で、「今日もいいお天気ですね」などと声をかけ、中年以上の女性の関心を誘った上でオープンハウスを見学させ、契約までもっていくのです。
 他にも、業種として競合ではないけれど、狙うターゲットが同じであれば、ライフスタイルは同じと考え、プロモーションのやり方をリサーチしてみるのもおすすめです。

他社をリスペクトしつつ、自社をポジティブに伝える

 手法はいろいろありますが、結局のところ、同業他社を含めてリスペクトしながら、自店のいいところをポジティブに伝えることが重要です。それが、お客さまの信頼を勝ち取れるかどうか、成否を分けるポイントになります。
 プロ野球選手などでもそうですが、良い選手ほど、相手チームをリスペクトし、「巨人さん」「ロッテさん」と「さん」づけしています。
 われわれスモールビジネスも同じです。業界があるからこそ、ビジネスが成り立っています。業界全体が活性化しているからこそ、自分のお店にお客さまが来てくれるのです。これは、どの業界でも同じでしょう。
 あなたもぜひ、自分が扱っている商品、サービスは、その業界のなかで生かされているんだという認識を持ち、同業他社へのリスペクトを持ちながら、ビジネスを進めてください。そうすることで共存共栄ができ、ビジネスをより長く行なうことができるはずです。

【著者プロフィール】
日野原大輔(ひのはら・だいすけ)

ジム経営者。スモールビジネス専門集客コンサルタント。
1976年、福井県出身。サラリーマンの養父、専業主婦の養母に育てられる。活発な幼少期を過ごし、小学生時代は生徒会役員、サッカー部の副キャプテンを務める。中学、高校時代、野球部の活動に励む。千葉商科大学に進学し、演劇部の活動に励む。卒業後も演劇を続け、映画(藤原竜也の映画)に出演。当時先輩に「役者で大成したかったら肉体を鍛えろ」と言われ、スポーツクラブでアルバイトを始める。すると、売れっ子のパーソナルトレーナーとなり、個人売上は平均月80万円以上、営業成績は120店舗中で全国3位内を8年キープ、店舗売上No.1を8年キープした。26歳のとき、役者よりもトレーナーとして一流になる道を選択する。2009年、独立し「加圧スタジオLib」を開設。「お客さまを喜ばせる日本一のスペシャリストになりたい」という理由で、20種の資格を取得。2019年、東京都台東区にヨガスタジオMAKOTOを開設。2021年、同区に「ピラティススタジオFeel Body」を開設。また、ジム運営をする中で編み出した「ボンディング接客術」を軸に、パーソナルトレーナーやフィトネスインストラクターそしてスモールビジネスオーナーに向けた経営セミナーを実施している。人生のミッション「Life is beautiful 出会った人々の人生を少しでも美しくする」を基に「お客さまと一緒に感動する人材」を一人でも多くすることを目標に活動をしている。

いかがでしたか?
 
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