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人生に無駄な経験なし

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必死に生きる。この人生で無駄なことなど何一つもありません。全てはこれからのあなた次第です。
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記事一覧

■必死に生きる【第一話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  私は3歳から喘息を患いました。今から50年近く昔の話です。当時は、発作を抑える為の効果的な薬も少なく、一度発作が起きると数日間苦しい日が続きました。何より苦労したのは、この喘息の苦しさを喘息持ちではない方に理解してもらうことでした。私の場合、ほんのちょっとの気のゆるみが喘息の発作をまねきました。 ①夕方に屋外で遊べない(冷たい空気で喉が冷え、発作が起きるため) ②花火が出来ない(火薬

■必死に生きる【第ニ話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  幼少期の私は、とにかく発作がとても辛くて、情けなくなり、よく泣いていました。友達と同じように遊んでるだけなのに、すぐに発作が起きる。そして、数日間夜も眠れないほど、発作に苦しむのです。特に夜間の発作が酷かったため、明け方まで苦しみ、明け方から寝付くわけです。ですから、小学校に行けるわけがありません。そんな日々を繰り返すのです。日中、両親は勤めに行ってますから、基本的に私は一人です。しかし

■必死に生きる【第三話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  小学校3年生の夏、それは昨年の夏とも、さほど変わらない、毎年同じように迎える平凡な夏になるものと信じていました。この大きな出来事が起きるまでは。喘息を治したいと少し前向きな気持ちが芽生え始め、学校の担任の先生からの勧めで、スポーツ少年団に入団することになり、ソフトボールとバレーボールを放課後に毎日やることになりました。喘息の発作が起ないように参加する時間帯を調整するなどの工夫をしながら初

■必死に生きる【第四話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  小学校3年生の夏、それは喘息以来の新たな試練となった。お医者様から「右足を切断することになるかもしれない。手術後に、病室に戻ったとき、自分の足がなくなっていて、非常にショックを受けてしまい、精神的におかしくなるかもしれないので、ガン告知をしましょう。」とお医者様と両親が話し合いをしていたようだ。結局、私はわずか10歳で、ガン告知と、足の切断の可能性があることを説明をされたのです。後から聞

■必死に生きる【第五話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  小学校4年の冬、一年以上お休みしていた私は学校に登校した。その日は、どんよりと曇った、今にも雨が降りそうな悪天候だった。一階にあった3年生の時の教室から、いきなり校舎最上階の4年生の教室に移動していた。久しぶりの登校で最初の授業は国語の授業だった。しかし、私にはこれ以上のことはほとんど記憶がない。何故なら、次の日から喘息の発作とガンの後遺症で体調が良くない日が長く続いた為である。また以前

■必死に生きる【第六話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  小学校4年にして、人生の厳しさ、命の有り難さを実感する事になろうとは、想像すらしなかった。なんとなくであるが、以前から自分自身はごく普通の人生を歩むような気がしていたため、退院後、これからは良いことばかり起こるに違いないと、思うようになった。そして、「自分は、こんなに大変な病気から無事に生還できた。これは、とんでもなくすごいことなんだ。」と自分で勝手に盛り上がったりもしていた。「生還者」

■必死に生きる【第七話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  私は、どのような種類の病気であっても、病気に対して向き合うことで、自身の成長するチャンスは平等に与えられているように思う。第六話にて…  ■人は成長する            生活環境が変われば、その環境下で生きるために必要な術を必ず見つけることができる。  ■親もとを離れる勇気が第一歩     喘息持ちであっても、いつかは、自立しなければいけない時が来る。勇気を持ってその一歩を踏み

■必死に生きる【第八話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  どのような病気であっても、病気に対して向き合い、そして受け入れるところからが治療となる。そんなアドバイスをいただいてから、私の喘息に対する考え方が変わった。幼少期から小学生低学年の頃の私は、内向的で、消極的だった。なぜなら、積極的な活動(遊び、スポーツなど)をするとほぼ例外なく喘息の発作が出るからである。おとなしくしていれば、発作は起きず一晩中苦しまなくて済む。当時はこの状態が良しとされ

■必死に生きる【第九話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  どのような病気であっても、病気の「気」をいかにクリアしていくかに、かかっているに違いない。いったん喘息持ちになれてしまうと、潜在的に喘息と自分自身の人生や生活とを切り離せなくなってしまう傾向にある。私自身も、このような潜在意識に支配され、喘息発作は当然起きるものという考えが定着していた。おそらく心理的な考え方では、この考えが、さらに喘息との離脱を難しくしているに違いない。喘息は治る病であ

■必死に生きる【第十話】

■喘息持ちの方、もしくは喘息を患っているお子さんのご両親の方へお伝えしたいメッセージ  もしかすると、喘息は「重い病気」ではなく、「思い病」なのかなと考えることがあった。どのような病気であっても、病気の「気」の字を取ると「病」となる。病気は気と切っても切り離せない関係。病と気に区分できるとしたら、「気」をなんとかすれば、病気の半分は治ったも同然と言えるのではないかと考えた。今、このような考えができて、言葉にまで表現できているが、喘息で苦しんでいた頃には、そんなことすら考える