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【感想文】令和版 現代落語論〜私を落語に連れてって〜(2023/10/31)/立川談笑(ひろのぶと株式会社)【読書ノート】

『令和版現代落語論』を読んで、私は落語に対する新たな理解と感銘を受けた。立川談笑が解き明かす落語の世界は、ただの古典的なエンターテインメントであるという以上に深いものがある。この本を通して、落語の本質的な魅力を体感することができた。

何より驚いたのは、落語が単に笑いを提供するだけでなく、人間の心理、社会、文化と深く結びついていることだ。一つ一つの話には、そこに込められた独自の哲学と、現代にも通じる普遍的なテーマがある。談笑師匠が指摘するように、良い落語は時間や場所を超越する。

また、落語は言葉の魔術であると感じた。高座に一人で立つ落語家が、何もない空間を言葉だけで彩る。一言一句が織りなす情景やキャラクターは、聴き手の心に鮮明に焼き付けられる。言葉の選び方、間の取り方、抑揚など、すべてが計算されつくされたアートである。

さらに、落語は一種の謎解きでもある。ストーリーが進むにつれて、疑問や不可解な点が次第に明らかになっていく。そして、最後には驚きや感動、時には哲学的な洞察に至る。この点において、落語は単なる娯楽を超えた何かを私たちに提供しているのだ。

立川談笑の『令和版現代落語論』を読んで、落語が持つ多面的な魅力を改めて感じることができた。これは言葉によって創り出される、極めて日本特有の美学であり、深遠な人間学であると思う。私はこれからも、その不尽なる深みに魅了され続けることだろう。

#令和版現代落語論 #立川談笑 #わたラク #ひろのぶと株式会社

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