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思考の抽出と感情のワーク

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手を動かしながら考えるだけ考え抜く、そんな日常です。
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2020年10月の記事一覧

無知が生む差別

無知が生む差別

 以前、「知識という価値観」という記事の中で、知識がある人は相手の人格ではなく行動に着目し、自分が反応する選択肢が増えるという旨を書いた。突発的に反応する時に人は価値観(≒知識)で動く事が多い。

 今日、移民を乗せた船が沈没したというニュースを見て、ふと自分が書いたその記事を思い出した。船が沈没して、何人もの人が亡くなるというのは日本においてはまずあり得ない出来事だけれど、難民の多い国では年間1

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「感動する音楽会」にデジタルネイチャーの幕開けを感じながら、「文化と情熱とテクノロジーに感謝する音楽会」という閉幕の余韻を楽しむ。

「感動する音楽会」にデジタルネイチャーの幕開けを感じながら、「文化と情熱とテクノロジーに感謝する音楽会」という閉幕の余韻を楽しむ。

 「__する音楽会」をオンラインで視聴...というか視、体、聴という感じで体験。本当は生で観たかったけれど、この頃体調が悪く出歩けない事とオンラインの可能性に託しての参加。

 「耳で聴かない音楽会」以来の1年以上ぶりの体験。昨年の音楽会は「多様性」と「選択性」が増えていく実感と、全体が均質化されていく様子を強く意識して、色々なオルタナティブが価値観の数と共に増えていくワクワク感があった。

 今

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受け手の経験や知識が作品をより輝かせる。「死に至る病」そして「夜と霧」を経て、十数回目の「ショーシャンクの空に」

受け手の経験や知識が作品をより輝かせる。「死に至る病」そして「夜と霧」を経て、十数回目の「ショーシャンクの空に」

 決して楽な人生を歩んではいない時、体調や環境に左右されて絶望しそうな夜が誰にでもあると思う。そんな時はキェルケゴールの「死に至る病」に記されている言葉が救いになる。

「人間は精神である。だが、精神とは何か。精神とは自己である。」

 他人との比較などという幼稚なものではなく、自分自身との人間関係に上手くいかなくなり、自暴自棄になった時はじめて人は「絶望」を経験する。同時にキェルケゴールは「絶望

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”固定観念を守る”時代が終わった。新しい価値を創り、感じ続ける為に出来る事を考える。(ズームバック特別編。オードリータン×落合陽一氏の対談を見て考える事)

”固定観念を守る”時代が終わった。新しい価値を創り、感じ続ける為に出来る事を考える。(ズームバック特別編。オードリータン×落合陽一氏の対談を見て考える事)

 台湾の国民は「投票=ワクワクする事=祝祭」と捉えているとオードリー氏が話されているのが印象的だった。クァドラティックボーティング(二乗投票)や民主主義が生きたテクノロジーであるという話に改めて驚かされつつ、何よりもその国民性に憧れを覚える。
 

 「変わり続ける事」の大切さは、ダーウィンの進化論からコロナ禍の政治経済に至るまで、変わる事のない原則だと思う。テクノロジーが民主化され、限界費用がゼ

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