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「子どもを叱って良いのか、叱らない方が良いのか分かりません」

怒りについて


子育てにおいて、親も子もいかに感情をコントロールするか、難しい課題の一つとしてよく挙げられる内容です。
家族の間だけでなく、対人関係全般や社会生活においても感情をコントロールして振舞うというのは大事なことですね。

当たり前にできないといけないけど、実はとても難しい…感情、特に怒りのコントロールは難しく、「アンガーマネジメントを教えてください」など、相談の中でもよく言われます。

アンガーマネジメントは、これまでにも度々講演の依頼を受け、語ってきたテーマでもあります。

感情を抑える、とくに怒りや不安などのネガティブな感情は「コントロールすべきもの」という考えが根強くあります。

しかし、感情は何らかの理由があって起こるものです。
自分にとって良いことが起こればポジティブな気持ちになりますし、嫌なことが起こればネガティブな気持ちになります。

特に、「怒り」は、他者を意識した視点で判断し、行動しようとする際に生じます。
・他者に認められたい
・自分の思い通りに相手に動いて欲しい
・理解してほしい

そう思って必死に行動し、その思いが満たされなければ、不満が募ります。そんなネガティブな意識がネガティブな感情を生成し、ついには他者にぶつけないではいられないほど大きくなっていきます。
これが「怒り」の正体です。

子どもや自分自身が怒る時、何が理由で怒りが生じているのか、考えることはとても大事です。
要望が通らない・思い通りにならないことが不愉快で怒っているのか
社会生活で問題となるから怒るのか
感情だけで怒っていないか・・・など
私たちは怒りや感情の裏側にあるものを考えながら理解し、コントロールできるようになる必要があります。

「子どもを叱って良いのか、叱らない方が良いのか分かりません」


これはお子さんに関するご相談の中でよくあるご質問です。
最近は社会的にも子どもを叱ってはいけないという風潮があり、家庭でも教育現場でも、子どもへの叱り方に困っている方が多いです。

私の考えは、“いけないことはその場ではっきり叱りましょう”です。

ただ叱り方・怒り方には工夫も要りますし、言い方を間違えてはいけません。

叱る」…人としての道に反することをした時にするもの
怒る」…今この瞬間に厳しく言わないと、一生後悔させることになると思った時にするもの

どちらも本来は、この一瞬で相手の行動を修正させなければいけない時に使うものです。
常時使うと効果が薄れ、ひどい場合は一生ものの恨みを残すことさえあります。

怒る時に感情的に言葉をぶつけてはいけません。
まずは「○○しません!」とできるだけ簡潔に、一発で伝えられると良いです。
そしてその後「諭す」ように説明していくことが大事なのです。

感情が先行してはいけません。
子どもは悪いことをした時、自分でも内心分かっています。
ですが、その痛いところを言葉で突かれると、子どもは反発したり、傷付いたりしてしまいます。
大人の言うことを聞かない子は、大人の言う正論を聞くのがつらい子なのです。

望ましくないことはできるだけ一発の言葉で止め、その後は何が問題だったのか、諭すようにして話し合い、整理できることが大事です。

「気持ちは分からなくもないけど、○○は良くないことなんだ」と伝え、
話し合いの最後は必ず仲直りし、
大人がもう怒っていないことを示して、子どもを安心させてあげてほしいと思います。


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