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山形市在住。現在、人生最後の引っ越しに向けて準備中。多種混淆の世界でエッセンシャルなも…

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山形市在住。現在、人生最後の引っ越しに向けて準備中。多種混淆の世界でエッセンシャルなものだけに囲まれた暮らしを思い描いている。土のなか、自分の腸のなか、今まで見ていなかったもう半分の世界を感じながら生活をする。

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僕が安住の地を手にするまで [1] 人生最後の引っ越しを考えている

僕はこれまで日本・アメリカ・ペルーの三ヶ国を彷徨うようにして生きてきた。 26歳のときにサラリーマンをやめて、日本を飛び出し、大学院で人類学を勉強するためにアメリカに渡った。途中、三年間の休学を挟んで、その間に出来た家族とともに再渡米してからは長いことアメリカで暮らした。専門がペルー海岸地帯の考古学であるため、フィールドワークでアメリカとペルーを何度も往復する生活となった。大学院で二つの学位を修めたのち、43歳のときに日本に戻った。 アメリカにいたころ、それまでの引っ越し

    • 僕が安住の地を手にするまで [13] 土地を手にして想うこと

      僕は親から受け継ぐ財産など何一つなかったし、これまで金儲けとは無縁の世界に生きてきたので、土地を持つとか、自分の家を建てるとか、自分にはまったく関係のない世界の話だと思い込んでいた。そもそも不動産を所有するということ自体、ちゃんと考えたことがなかった。しかし周りを見れば、みんな親から受け継いだり、自ら購入したり、それで利益を生み出したりしている。今回は土地と人との関係について考えてみたいと思う。 縄張りをもつということ 動物にとって最重要なのは食べることと、子孫を残すこと

      • 僕が安住の地を手にするまで [12] 人生は「面倒臭い」で出来ている

        世の中、何事においても「そんなこと出来るわけない」とはじめから決めつけてかかる人がやたら多いように思う。僕の母やおばあちゃんもその典型みたいな人だった(だった、って死んだ人みたい)。僕が十代の半ばでとっとと家を飛び出したのは、あのハードSMも真っ青のギッチギチの拘束プレーが苦手だったからなんじゃないだろうか、といまになって思う。 そして、大抵は決めつけるだけじゃなく、それを「あなたも出来ないよね?出来るわけないよね?」と人にも押し付けてくる。しかも、これに逆らって自分で頑張

        • 僕が安住の地を手にするまで [11] プロジェクト ONIGOE70 本格始動!

          測量調査の結果、土地の平地部分は土砂災害特別警戒区域には入っていないことが明確になった。土地を分割して登記し、がけ条例に触れない場所に設計すれば、建築が許可される見込みも立った。つまり、役所が「何が何でもダメだ」と止めに入るほど危険な場所、無謀なプランではないということだ。 しかし不安は不安だから、地形学の専門家に、周辺地形から想定できる「今後起こりうる災害」についてとても詳しいレクチャーをいただいた。専門家の厳しい目で見れば、安全に暮らせる場所などはほとんど皆無であり、つ

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          僕が安住の地を手にするまで [10] 災害について深堀りしてみた

          「私なら買わないかな」 これは、購入予定の土地が被災する可能性について、地域のハザードマップの作成にかかわっている先生(専門は地形学)に相談しに行ったときに言われた言葉だ。 なんというか、「やっぱりな」というのが正直なところだ。だって敷地内に建てば、目の前に切り立った山が見える。地震や大雨でこれが勢いよく崩れたら、まずいことになるだろうことは素人にだってわかる。 だったら、なぜ専門家に相談したのかといえば、それは、この土地を買うにしても買わないにしても、どこかに家を建て

          僕が安住の地を手にするまで [10] 災害について深堀りしてみた

          僕が安住の地を手にするまで [9] 測量結果がでた

          測量の結果が出た。 法地の部分がレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)にかかっているものの、平地部分は大丈夫だということが明らかになった。つまり、かかっている部分を除いて宅地登記すれば家は建てられる。 しかし、家を建てられることと、敷地が土砂災害特別警戒区域に接していることをどう捉えるかは別問題だ。 さて、どう考えるか。 地形学の専門家の意見を仰ぐことにした。 つづく

          僕が安住の地を手にするまで [9] 測量結果がでた

          僕が安住の地を手にするまで [8] 家を建てられないかもしれない大問題

          今回購入予定の土地は、地目は「宅地」になっているものの、過去50年間人が住んでおらず、以前あった建物もなくなっている。そのため、家を建てるにはまず土地の開発許可を得なくてはならない。そこで許可申請のため、いくつもの図面や登記簿謄本など、必要な書類を揃えて市役所に提出しようとしたところ、なんと購入予定地は山形県によって土砂災害警戒区域に指定されていることが判明した。 想定される危険度に応じてイエローゾーンとレッドゾーンと色分けされているのだが、通常の土砂災害警戒区域がイエロー

          僕が安住の地を手にするまで [8] 家を建てられないかもしれない大問題

          僕が安住の地を手にするまで [7] 僕らが家に合わせるんじゃなくて、家が僕らに合わせる

          家を建てることを決心してからというもの、ここ数ヶ月は家づくりのことばかり考えている。暇さえあればAutoCADに向かって間取り図をいじったり、それをSketchUpで三次元にしてみたり、Pinterestでインテリアのアイデアを発掘したり。そんななか、(高木さんを紹介してくれた)モロッコに暮らす友人のマヤさんから「いまインテリア関連のお勉強をしているんだけど、聞き取り調査的な宿題に協力してくれない?」という連絡があった。 詳しく話を聞いてみると、どうやら「ライフデザインナビ

          僕が安住の地を手にするまで [7] 僕らが家に合わせるんじゃなくて、家が僕らに合わせる

          僕が安住の地を手にするまで [6] オワコンの我慢大会からは足を洗う

          ゆうべ妻がこんなことを言った。 「あなたみたいに自分のすきなこと、やりたいことだけを形にしたくても、できる人ばかりじゃないよね。」 いつもは同じことばを厭味ったらしく言うのだが、ゆうべはちょっと違った。どちらかというと「みんなが真似しようったって難しいわよね、あなたは色々振り切れちゃってるからね」、という意味に聞こえた。まあ、僕もなんにもないところから努力して努力して、我慢して我慢して、50歳を目前にしてようやく自分らしい生活を手に入れるための第一歩を踏み出したばかりなん

          僕が安住の地を手にするまで [6] オワコンの我慢大会からは足を洗う

          僕が安住の地を手にするまで [5] SketchUpでの新居デザインにどハマりする

          土地の持ち主と価格に関して合意が取れた。 これを境に、色々な手続きの準備が始まった。ここからどんどん加速していくだろう。当然、不安もあるが、ワクワクの方が勝っている。 まずは大まかにでも家のデザインを固めないといけない。大枠が決まらないことには、いったいいくらの家になるのか、そのためにはいくら借り入れるべきなのか、まったくもって具体的な話ができないからだ。 最初は紙に手描きでやっていたのだけれど、平面図だとまったくイメージが湧いてこない。平面図を頭のなかで三次元化して、

          僕が安住の地を手にするまで [5] SketchUpでの新居デザインにどハマりする

          僕が安住の地を手にするまで [4] 良きにつけ悪しきにつけ普通の人間ではないのだ

          土地購入と新居建設をきめて以来、周囲(とくに身内)からは、48にして(ほとんど蓄えもないのに)長期住宅ローンを組むことの難しさを色々なことばで諭されている。「よく考えろ」というのは、つまりは「ムリなんじゃないの?」と同義なんだろうと思う。確かに、たとえば25年ローンにしたら、返し終わるとき73歳だもんね。「えええ(;゚Д゚)、年金で返すつもり?」だし、「そもそも、それまで生きてる?」だよね。 普通に考えたらそうだ。 でも僕(とその家族)は、良きにつけ悪しきにつけ普通の人間

          僕が安住の地を手にするまで [4] 良きにつけ悪しきにつけ普通の人間ではないのだ

          僕が安住の地を手にするまで [3] 夢のような物件

          「(不動産屋は持っていない)幾つか土地の情報持ってます」 高木さんがそういうので、さっそく紹介してもらうことになり、妻を連れて三人で見て回った。しかも、どれも僕が「住むならこの辺がいいな」と思っていた宝沢や西蔵王に近い物件だった。 ・山形市大字上宝沢 ・山形市大字土坂 気に入ったのは、西蔵王にある186坪(約615平米)のけっこう大きな物件。一目惚れだった。法地(崖地)が多く、平らなところは130坪(約430平米)ほどだが、建物をたてるには十分すぎる広さ。小さな渓谷を上

          僕が安住の地を手にするまで [3] 夢のような物件

          僕が安住の地を手にするまで [2] 高木孝治さんとの出会い

          人生最後の、25回目の引っ越し計画は、高木孝治さんという方との出会いがきっかけとなった。 高木さんは大工の棟梁で、古民家ライフという工務店(山形市新山)の社長さん。「発酵住宅」という、ちょっと変わった住宅ブランドの生みの親だ。発酵と住宅、一見関係なさそうだが、実は両者はとても深く結び付いている。たとえば「蔵付き酵母」なんて言うのを聞いたことないだろうか。小さいから目には見えないだけで、発酵を手伝う微生物はそこらじゅうにいて、僕らと一緒に生きている。食品が発酵すると腐敗しない

          僕が安住の地を手にするまで [2] 高木孝治さんとの出会い