千葉 茂明(ちば・しげあき) 公益財団法人日本生産性本部上席研究員

1962年岩手県生まれ。日本教育新聞記者を経て、(株)ぎょうせい入社。月刊「晨」編集長…

千葉 茂明(ちば・しげあき) 公益財団法人日本生産性本部上席研究員

1962年岩手県生まれ。日本教育新聞記者を経て、(株)ぎょうせい入社。月刊「晨」編集長、月刊「ガバナンス」編集長などを歴任。「変わるか!地方議会」を連載(計255回)、約700の自治体、約270の地方議会、約470の首長を取材。22年10月から現職。マニフェスト大賞審査委員。

最近の記事

なり手不足に潜む「3つの危機」の打開を!――全国町村議会議長会「町村議会議員のなり手不足対策検討会」が報告書

 全国町村議会議長会(会長=渡部孝樹・北海道厚真町議会議長)は2024年4月8日、都内で「町村議会議員のなり手不足対策検討会」の報告書手交式・記者会見を行った。報告書では、なり手不足に潜む「3つの危機」を強調。なり手不足対策では、議会の取組に加え、幅広い協働による対策が不可欠だと指摘し、特に女性議員を増やすため、立候補の障壁除去の施策を重点的に進める必要性を訴えている。■ 議員のなり手不足がより深刻化  2023年4月に行われた統一地方選。町村議会議員選挙では、無投票・定

    • 個人としての一般質問を「議会(機関)の質問」に――ローカル・マニフェスト推進連盟学習会

       超党派の地方議員らによるローカル・マニフェスト(LM)推進連盟は2024年2月16日、都内の早稲田大学で「その質問、何のため? 議員の質問を再検証!~議会力と議員力を磨く」と題したLM学習会を開催した。議案情報を事前にキャッチして準備すること、個人としての一般質問を議会(機関)の質問として実効性を高めることなどが強調された。 「政策実現のための質問・質疑」に  LM学習会は、現地とオンラインの併催。地方議員を中心に計約40人が参加した。  LM学習会の講師は江藤俊昭・大

      • 「ミライの議員・議会のために~住民福祉の向上と地方議会の政策サイクル」をテーマに、「政策サイクル推進地方議会フォーラム」公開セミナーを開催――(公財)日本生産性本部

        (公財)日本生産性本部は2024年2月4日、都内の全国町村会館内で「ミライの議員・議会のために~住民福祉の向上と地方議会の政策サイクル」をテーマに、「政策サイクル推進地方議会フォーラム」公開セミナーを開催した。公開セミナーでは、ミライの地方議員・議会の姿を展望しつつ、議員のなり手とも密接に関わるコミュニティのあり方、議会とコミュニティの関係などを議論。人口減少が本格化する中、地方議会では政策サイクルを回し、住民福祉の向上につなげていく必要性などが強調された。 ミライの議員・

        • マニフェスト大賞受賞事例をTTPし、さらなる善政競争を!――ローカル・マニフェスト推進連盟

           超党派の地方議員らによるローカル・マニフェスト(LM)推進連盟は2024年1月31日~2月1日、都内の早稲田大学で「マニフェストアワーズコレクション」と題した研修会を開催した。近年のマニフェスト大賞受賞団体等が登壇し、実践事例を発表。会場は、最先端の事例をTTP(徹底的にパクる)し、さらなる善政競争につなげようという参加者の熱気にあふれた。 「地域の未来を地方議員がつくっていこう」 「マニフェストアワーズコレクション」(早稲田大学マニフェスト研究所など共催)は、現地とオ

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          宇宙ビジネスと自治体事例ハンドブック『はじめの一歩』を発行――JAXA新事業促進部

           世界5か国目となる月面着陸に成功した日本の探査機SLIMで注目される宇宙航空研究開発機構(JAXA)。そのJAXAの新事業促進部が自治体と連携して、地域課題の解決や地域振興に取り組んでいることを知っているだろうか。JAXA新事業促進部はこのほど、宇宙ビジネスと自治体事例ハンドブック『はじめの一歩』を発行した。「宇宙×地方」が持つ可能性に満ちたハンドブックだ。 「宇宙×地方」が持つ可能性  ハンドブックはA4版55ページ。まず、「はじめに」でJAXA新事業促進部の伊達木香

          宇宙ビジネスと自治体事例ハンドブック『はじめの一歩』を発行――JAXA新事業促進部

          ミッション・ビジョンを掲げ、4年間の行動計画を公表――三重県いなべ市議会

           三重県いなべ市議会は2023年11月5日、いなべ市内で「市民と議会のフォーラム」を開催した。その場で「いなべ市議会の宣言」「いなべ市議会行動計画」を発表。宣言では、議会に期待される役割(ミッション)と議会が実現すべき理想的な姿(ビジョン)を掲げ、行動計画では「市民に期待され信頼される議会」をビジョンに具体的な取組みを列挙した。市民に対して、議会のいわば“公約”を提示した形。いなべ市議会の「新たなステージ」に向けた挑戦が12月からいよいよ始まった――。 ■議会運営を大幅に見

          ミッション・ビジョンを掲げ、4年間の行動計画を公表――三重県いなべ市議会

          議会がどのように存在意義を発揮していくか――広島・安芸高田市で、「どうする?2元代表制の中での議会の役割」をテーマにフォーラムを開催(輝け議会!対話による地方議会活性化フォーラム)

           九州の地方議会議員や市民などで構成している「輝け議会!対話による地方議会活性化フォーラム」(代表=盛泰子・佐賀県伊万里市議)は2023年10月28日、広島・安芸高田市内で「どうする?2元代表制の中での議会の役割」をテーマにフォーラムを開催した。2020年の石丸伸二市長の就任以来、市長と議会の対立が目立つ安芸高田市。フォーラムには市内外から約70人の地方議員らが参加し、改めて議会の役割、存在意義を考えるフォーラムとなった。 ■住民を巻き込み政策競争を  フォーラムはローカ

          議会がどのように存在意義を発揮していくか――広島・安芸高田市で、「どうする?2元代表制の中での議会の役割」をテーマにフォーラムを開催(輝け議会!対話による地方議会活性化フォーラム)

          議会改革のトップグルーブ市議会同士で意見交換、さらなる高みを目指す――長野県飯田市議会が福島県会津若松市議会を視察

           全国に先駆けて、(公財)日本生産性本部が作成した地方議会成熟度評価モデルの実装化に取り組んでいるのが福島県会津若松市議会と長野県飯田市議会だ。飯田市議会の議会運営委員会のメンバー等は2023年10月26日、会津若松市議会を視察。会津若松市議会側は議会改革の要点を熱く語った。議会改革のトップグループとして知られる両市議会。互いにさらなる高みを目指している。 ■「条例で決めたからには、実現しなければならない」  飯田市側は議会運営委員会(井坪隆委員長、8人)と熊谷泰人議長、

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          【連載・地方議会政策サイクルリポート③】市民の意見を、委員会代表質問の提言に反映――滋賀県甲賀市議会

          滋賀県甲賀(こうか)市議会は広報広聴機能を強化。市民との意見交換会等における市民の意見を起点に、各常任委員会で調査・研究、2020年9月から、委員会代表質問をスタートさせた。政策サイクルの取組みはまだ緒に就いたばかりだが、地道に改革の歩を進める同市議会を取材した。 ■4次にわたる議会改革特別委員会で議会改革を推進  滋賀県南東部に位置する甲賀市は2004年10月、旧甲賀郡の5町(信楽町、甲南町、水口町、甲賀町、土山町)の合併で誕生した人口8万8677人(2023年10月末

          【連載・地方議会政策サイクルリポート③】市民の意見を、委員会代表質問の提言に反映――滋賀県甲賀市議会

          【連載・地方議会政策サイクルリポート②】「まずはやってみよう」――進化・深化する“柴田町議会版”の政策サイクル――宮城県柴田町議会

           2019年9月会議から、政策サイクルの取組みをスタートさせた宮城県柴田町議会。年々改善を加え、ワールドカフェによる委員間討議(論点整理)、分科会による委員間討議を踏まえた特別委員会での提言案作成という、いわば“柴田町議会版”の政策サイクルに発展してきた。その根底には「まずはやってみよう」という意欲的な議会風土がある。 ■検証・見直しを行い、2年分の行動計画  柴田町は、宮城県南部に位置する仙南圏最大の人口(3万6863人=2023年9月末日現在)を擁するまちだ。  町議

          【連載・地方議会政策サイクルリポート②】「まずはやってみよう」――進化・深化する“柴田町議会版”の政策サイクル――宮城県柴田町議会

          【寄稿】巻頭言(地方自治に思う)「議員間討議/合意形成」文化私観――公益財団法人日本生産性本部上席研究員 千葉茂明

           議員研修誌『月刊地方議会人』(中央文化社)2023年9月号「巻頭言」に寄稿しました(転載許可済み)。「議員間討議」というテーマを聞いたとき、なぜか「日本文化私観」が思い浮かび、実質化を試みました。坂口安吾さんに敬意を込めて。 〇日本生産性本部・地方議会改革プロジェクト https://www.jpc-net.jp/consulting/mc/pi/local-government/parliament.html

          【寄稿】巻頭言(地方自治に思う)「議員間討議/合意形成」文化私観――公益財団法人日本生産性本部上席研究員 千葉茂明

          【連載・地方議会政策サイクルリポート①】政策決議提案、議長マニフェスト実行計画で、実効性、議会の存在感を向上――岩手県奥州市議会

           議会改革の推進に不可欠な存在となりつつあるのが「議会の政策サイクル」だ。総合計画をはじめ長期的な計画に基づいて首長は予算編成し、政策を執行してきた。一方、議会においても任期4年間の計画を立て、政策サイクルを回すことで住民福祉の向上をめざす取組みが増えている。そのような議会の新たな挑戦にスポットを当てるのが「連載・地方議会政策サイクルリポート」だ。第1回では、政策決議提案、議長マニフェスト実行計画(工程表)で実効性、議会の存在感を高めている岩手県奥州市議会の取組みを紹介する。

          【連載・地方議会政策サイクルリポート①】政策決議提案、議長マニフェスト実行計画で、実効性、議会の存在感を向上――岩手県奥州市議会

          11月に市民フォーラムを開催し、「これから市議会が取り組むこと、目指すこと」を宣言――三重県いなべ市議会

           (公財)日本生産性本部が作成した地方議会成熟度評価モデルの実装化に取り組んでいる三重県いなべ市議会は2023年7月31日、市議会内で議員報酬に関する研修会及び成熟度評価に関する意見交換会を開いた。成熟度評価モデルに関しては、8月19日に開催した市民との意見交換会を踏まえて「議会プロフィール」を作成。11月には市民フォーラムを開催し、「これからいなべ市議会が取り組むこと、目指すこと」を宣言する予定だ。 ■議員報酬は18年間同額で推移  いなべ市議会(議員定数18人、現員1

          11月に市民フォーラムを開催し、「これから市議会が取り組むこと、目指すこと」を宣言――三重県いなべ市議会

          デジタル化で「議会活動はスマートになる」――議会向けICT推進セミナー

           地方議会はどのようにICTを推進・活用していけばいいのか――2023年7月21日、都内で開かれた「議会向けICT推進セミナー」では先進的な議会の議員や事務局職員などが事例を発表。「デジタル化で議会活動はスマートになる」「ICTの活用は難しくない、慣れだ」といった言葉が相次ぎ、その多彩な効果に注目が集まった。 ■約650の議会・自治体が「SideBooks」導入  議会向けICT推進セミナーは、「ペーパーレス会議システムSideBooks」を開発・販売する東京インタープレ

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          “出来る”が維持できれば、「人口減少自体は問題ではない」――中山間地域フォーラム・設立17周年記念シンポジウム

           中山間地域の再生をめざしている特定非営利活動法人「中山間地域フォーラム」は2023年7月8日、都内の東京大学で「ポストコロナ期の集落の未来~ローカルコモンズの役割は何か」をテーマに設立17周年記念シンポジウムを開催した。3年に及ぶコロナ渦によって中山間地域の高齢化、人口減少が一段と進む中、どのように集落の未来を展望していけばいいのか――集落のあり方と人口減少を中心に多角的な意見が交わされた。 ■縮退局面の中山間地域集落の未来をどう展望するのか  同フォーラム(会長=生源

          “出来る”が維持できれば、「人口減少自体は問題ではない」――中山間地域フォーラム・設立17周年記念シンポジウム

          「議会評価の導入」に関する調査報告書を議会に報告――福島県会津若松市議会・議会制度検討特別委員会

           福島県会津若松市議会の議会制度検討特別委員会(髙梨浩委員長)は6月定例会議最終日の2023年6月16日、「会津若松市議会における議会評価の導入について」と題する調査報告書を議会に報告した。議会評価に取り組んだ成果や課題などが詳細に記述されており、今後の議会評価、さらに住民福祉の向上をめざした議会改革を考える上で非常に示唆に富む内容になっている。 ■公募市民委員(参考人)を含めた特別委員会で調査研究  会津若松市議会(議員定数28人、現員26人)は2022年8月から議会制

          「議会評価の導入」に関する調査報告書を議会に報告――福島県会津若松市議会・議会制度検討特別委員会