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食パンの行方04「2日目」(連載小説)


フレンチトーストで優雅なブレックファーストを摂った日から2日後の朝、私は再び、あと5枚になった食パンの袋を開く。

なぜ2日後になったのか、それはいたって単純な話、2日も連続で早起きなど私にとって至難の技だからだ。

昨日の帰りに買ってきた食材を冷蔵庫から取り出し調理台に並べる。少量のパックになっているミックス野菜とハム。
さて、今日食パンで作るものとはサンドイッチだ。

食パンを1枚用意し、まずは耳を切り落とす。
耳はトーストにした時カリッとした食感と香ばしく深い味わいで食パンには欠かせないものなのだが、そのままだといまいち嚙みちぎりにくかったり、中側のモチッとした所を邪魔する存在に思えてしまう。
なので食パンを焼かない今、一旦耳とはお別れをする。

食パンを対角線で半分に切って三角形食パンを2つ作る。そして片方にハムを敷いてマヨネーズを塗り、ミックス野菜を乗せる。

一人暮らしの私にとってこのパックに詰められたミックス野菜はとても重宝するものだ。

例えば今回のサンドイッチの為にレタスを1玉買おうものなら、これでもかというくらいにレタスは大余りしてしまい、その後連日レタス祭りになってしまう。
その点、ミックス野菜は数種類の野菜が程よい量だけ食べられる。
一人暮らしの人間とダイエット中のOLはこれを考案したした人に嘸かし感謝しているに違いない。

私もその1人だ。
今回のサンドイッチにもそのミックス野菜を使わせていただいた。

そしてそれらを乗せた上からもう片方の食パンでサンドすれば、あっという間にサンドイッチの完成だ。

なんて簡単で、なんて美味しそうな朝食。2日前とは大違いだ。

というのも2日前に作ったフレンチトースト。
それ自体は大成功でとても美味しかったのだが、欠点を1つ見つけてしまったのだ。

それは、調理器具を使いすぎるということだ。フライパンとその蓋にフライ返し、ボウルとホイッパー、まな板と包丁。
もう洗い物が大変でならなかった。さらにはホイッパーなんて普段使わないものを戸棚の奥底から引っ張り出してまた片付けるのは大層面倒だった。

さらには調理時間も大幅に短縮できた今日の朝食をコーヒーとともにテーブルに置いて、いつもの定位置に着く。

「いただきます」

両手でサンドイッチを持って口に運ぶ。
まず歯に伝わるのは食パンのモチっとした食感、それをすぎるをシャクっと野菜たちが顔を出す。最後にハムを噛みちぎって味わう。
口の中でマヨネーズの程よい酸味が広がって、そのおかげで食パンのほんのりとした甘みも感じられる。

うんお手軽に美味しい。これは素晴らしいな。


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