Satoshi Hachima

すでに世に出した文章や写真などを、自分のためにストックしていきます(現在試運転中)。 …

Satoshi Hachima

すでに世に出した文章や写真などを、自分のためにストックしていきます(現在試運転中)。 少しだけ考えたメモはブログ( http://hachim.hateblo.jp )、深く考えない思いつきはツイッター( https://twitter.com/hachim088 )にて。

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  • 大地の手触り

    2014年の土木学会誌の表紙に用いた文章と写真のアーカイブ

  • 技術の手触り

    2013年の土木学会誌の表紙に用いた文章と写真のアーカイブ

  • ナンバリング

    街のなかで整理され、位置づけられたものたち。

最近の記事

05|琵琶湖疏水(滋賀県大津市ー京都府京都市)

<技術の手触り> 土木学会誌2013年月5号表紙  京都には琵琶湖の水を市内に運ぶ、120年以上前につくられた壮大な規模の水路があり、今も現役の施設として市民生活の中に溶け込んでいる。大学を出たばかりのエリート青年・田邉朔郎が主任技師を務め、お雇い外国人の力を借りずに日本人のみの手でつくられたことで有名である。今号はその『琵琶湖疏水』に迫る。  当時の京都は、明治維新の東京遷都によって衰退しはじめていた。京都府知事の北垣国道は、京都を近代的な産業都市として復興させることを

    • 04|コンクリートブロック堰堤(長野県小谷村・第6号千国砂防ダム)

       フォッサマグナの西縁をなす糸魚川静岡構造線に沿って流れる姫川流域は、たびたび大きな土砂災害に見舞われており、多様な砂防対策が図られている。その中のひとつに、400を越えるプレキャストコンクリートブロックを積み上げた砂防堰堤がある。  既存の重力式コンクリート堰堤の直上、つまり地盤支持力が期待できない堆積土砂の上に、緊急に堤体を構築することになったため、沈下による変形を許容する形式が選ばれたという。  角張っていたブロック表面が、滑らかに削られている。土砂を含む水流が

      • 04|蔵前橋(東京都台東区−墨田区)

        <技術の手触り> 土木学会誌2013年月4号表紙  東京湾に注ぐ隅田川には、「橋の展覧会」と呼ばれるほど個性的でバリエーション豊かな橋梁が数多く架けられている。それらの多くは、1923(大正12)年の関東大震災により壊滅的な被害を受けた東京を理想的な近代都市に生まれ変えようとする「帝都復興事業」の成果でもある。今号はその中のひとつ、1927(昭和2)年に架けられ、現在は目にも鮮やかな黄色で塗られている3径間上路アーチ橋の『蔵前橋』に迫る。  帝都復興院(後の内務省復興局)

        • 03|露天掘りの石灰石鉱山(山口県美祢市・宇部興産伊佐鉱山)

          <大地の手触り> 土木学会誌 2014年3月号表紙  カルスト地形で有名な秋吉台の南端に、ぱっくりと大きく口を開けた露天掘りの石灰石鉱山がある。言うまでもなく石灰石は現代社会を支えるコンクリートの原料のひとつであり、日本国内で100%自給できる数少ない鉱物資源である。しかしこの人工景観は、あまりにもスケールが大きく、日本ではないどこかの国にいるのではないかという錯覚に陥る。  この鉱山は、併設されているセメント工場とともに、地域ぐるみで取り組んでいる産業観光ツアーの目玉の

        05|琵琶湖疏水(滋賀県大津市ー京都府京都市)

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        記事

          03|白水堰堤(大分県竹田市)

          <技術の手触り> 土木学会誌2013年3月号表紙  山あいの農地を潤すための湖水が、天端のアールを越えながら空気を含んで白い泡となり、微妙な文様を描いて斜面を滑り降りる。階段状に分かれた流れは、お互いの勢いを弱めあい、やがて透明さを取り戻す。今号は豊かな落水表情から多くの人びとに「日本一美しいダム」と評されている『白水堰堤』に迫る。  この堰堤は1938(昭和13)年に竣工した。設計・監督の中心的役割を果たしたのは、大分県の農林技手だった小野安夫である。もともとこの地域に

          03|白水堰堤(大分県竹田市)

          02|岩盤の強化(長野県松本市・奈川渡ダム)

          <大地の手触り> 土木学会誌 2014年2月号表紙  アーチ(ドーム)構造によって膨大な水圧を支えるアーチダムは、コンクリートのボリュームが少なくて済むが、極めて強固な岩盤を有する谷でなければ成立しない。3つのアーチダムが連続する松本市の梓川流域の地質は、よほど頑丈なのだろうと素人考えで想像しながら現地を訪れた。  奈川渡ダムの下流面を見るなり、巨大な曲面の美しさに目を奪われた。水平に設置されたキャットウォークがその端正な造形を引き立てているのだろう。堤頂を歩いて対岸に渡

          02|岩盤の強化(長野県松本市・奈川渡ダム)

          02|三角西港(熊本県宇城市)

          <技術の手触り> 土木学会誌2013年2月号表紙  土木学会・土木の日実行委員会では、土木の魅力や奥深さを一般市民に実感していただくことを目的に、2008年から土木構造物の貴重な歴史資料や図面、写真などを展示する「土木コレクション」を日本各地で開催している。実際の展示では、きわめて緻密に描かれた大判の図面を、あたかも美術作品のようにじっくり鑑賞することができる。「技術の手触り」シリーズは、その一端を異なる形式と媒体で表現しようとする試みである。今号では、有明海と不知火海が結

          02|三角西港(熊本県宇城市)

          01|海底地すべり地層 (千葉県館山市・南房総市)

          <大地の手触り> 土木学会誌 2014年1月号表紙  およそ200 万年前に起こった巨大地震の痕跡が見られると聞き、房総半島の南端を訪れた。農道の整備中に偶然露頭した珍しい地層が、表面保護処理を経て保存公開されているのだ。  大規模な海底斜面の地すべりによって崩壊した地層が、何度も隆起を繰り返して陸地になり、やがて道路建設によって露わになったというスペクタクル。法面から地球のドラマが見えてくるという体験は、なかなか得られるものではない。  その場所に向かう途中、妙な雰囲

          01|海底地すべり地層 (千葉県館山市・南房総市)

          01|勝鬨橋(東京都中央区)

          <技術の手触り> 土木学会誌2013年1月号表紙  本号より表紙と裏表紙にて新たなシリーズを展開する。日本の近代化を支えてきた土木施設に「過剰に」近接する。それによって私たちの先輩方が行った仕事の熱量と、ものづくりの手触りを感じ取ろうという企画である。関係各所が保有する歴史資料、図面、写真などを収集・展示する土木学会の企画「土木コレクション HANDS」と連動している。第1回の今号では、隅田川に架かる勝鬨橋に迫る。  この橋が供用された1940(昭和15)年には、東京万博

          01|勝鬨橋(東京都中央区)

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          ヴェネツィアで出会った人々(その2)

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          ナンバリング #3

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          ナンバリング #22

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          ナンバリング #1

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          ナンバリング #30

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          ナンバリング #11

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          ナンバリング #3

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