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諸概念について

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コミケット

コミケット

今日の日記はマニアックだと思う。10年弱前、漫画家やミュージシャンを目指していた僕と親友のAは15歳からコミケに参加し始めて16歳の時には出展していた。こういう人が当時たくさんいたのだがVOCALOIDと東方Projectが好きだったので高校生になるや否やCubaseを買いDTMを始めた。また、ペンタブとSAIというソフトをセールで購入し漫画を描いていた。僕と彼は違う高校に通っていたので毎週土日に

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感覚忘却

感覚忘却

蒸し暑くて寝付けないような日々が続く。昨日は40分ほどしか寝れていない。煙草を吸うとクラっと来る。シャワー浴びて誤魔化す。誤魔化す、という単語が出てくるのに時間が掛かった。僕はそんな簡単な日本語すら忘却していたことになる。こんなに恐ろしいことがあるだろうか?両親の顔、恋人(配偶者)の顔、友達の顔、恩師の顔。それらも時間は忘れさせる。何か事象を忘却したのであれば思い出せるように写真を見たり会いに行け

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鳥と9歳

鳥と9歳

小学三年の時、夏休みの自由研究に父親にアニメ制作のスクールに連れて行かれた。アニメとは言っても所謂アニメーションではなくストップモーションと呼ばれる粘土細工を少しずつ動かしては撮影し、それを繰り返すという形式のものだ。子供の頃の僕は羊のショーンというアニメが何故かとても恐ろしくてその手のアニメーションは苦手でどちらかというとワンピースなど2Dのアニメが好きだったのだが。後で聞いた話だけど僕が休み時

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Watercolor

Watercolor

数年前の夏休み、僕は美術予備校の夏季講習に参加していた。デッサンもままならなかった僕はまず丸を描くことからやらされたのだが最初の一週間のうちからやらかしてしまった。徹夜で"水彩の惑星"という小説を書いていたため、退屈な静物画デッサンの途中で居眠りしてしまったのだ。すぐさま塾長に個室に呼び出されて説教されるかと思いきやそんな事はなくやんわりと「君はどんな人なの?」ということを聞かれた。塾長はなんでも

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生活音

生活音

夕方、僕はうとうとしていた。遠くで誰かが笑う。街中で暮らしていると大学生くらいの若い大きな笑い声が聞こえて来たりする事はしょっちゅうある。それが僕の耳に入る時の音量が何dbなのか分からないが隣人の悲鳴などよりよっぽど胸を締め付ける。それは恐らく僕にとってああいう風に道端で友人達と笑い合った経験があまり良い思い出ではないからなのだろう。僕の人生はあまり良いものではなかった。まだ四半世紀にも満たない時

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永遠#1

永遠#1

僕は14歳のクリスマスに母と妹を亡くした。それだけの事は世界にとって大した事ではなく学校や父の仕事など何事も無かったかのような日常がただそこに残されていた。喪に服することを躊躇って僕はひたすら取り繕って笑った。冬休みだということもあり友人達とボウリングにも出掛けた。何事も無かったように振る舞う、そうでないとやりきれなかった。ただ、町中の人達が集まってくれた葬式の途中で僕はえぐえぐ泣いた。みんな哀れ

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Ima

Ima

芸術家にとって今現在への認識、それがこの世界の全て。過去や未来を識ることは出来ない。歴史を学ぶのであれば今学ばねばならぬ。此処で行動を起こさなければその意志は過去と成り、存在しないも等価な何かになってしまう。存在は今を繰り返す。"今"という時間しか人間は変える事は出来ない。芸術に於いてもそうだと言える。芸術とは型の反復である。今が最も優れている。そうでなければ存在する価値が無いし、今生み出せる何か

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ラバー

ラバー

僕と彼女はホテル街の近辺の薬局に車を停めて夜空を見上げた。産まれる前に人は星だったらしい。そして、死んだら星に帰るのだという。おそらく今見えているのは何万年前に死んだ星の最後の光で同時に誰かがこの世に産まれたのだろう。そうでなくても僕らは何億の墓標の上に成り立つ既に汚れてしまった奇跡の一片だ。愛の前に壁がありこの世に生まれた生命は限りなく0に近い確率でしか意味を成す事が出来ない。ほぼ全ての生命はゴ

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通行人

通行人

世の中には色々な種類の人間がいるが簡単に軽犯罪を犯す人と僕は絶対付き合いたくないと思っている。それは犯罪の重さに関わらずその行いによって当人が感じる小さな罪悪感であったり、結果生じる無意識的な価値観の移ろいにこそ神は宿ると思っているから。関係ないが僕が子供の頃、Grand Theft Aut◯というR-18のゲームが流行っていた。簡単に言えば車を盗み、通行人を殺すゲームだ。幼い僕の友人達は見境無く

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