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認知症は本当に脳の病なのか?・・・認知症を薬に頼らず改善したい人向けに書いた。

写真は公益財団法人味の素文化センターさまから  https://www.syokubunka.or.jp/publication/productions/vesta-columns/post014.html  

認知症ってのは本当に脳の病気だろうか?

いや違うだろう。
なぜならば、女性が圧倒的になり易いからである。

認知症ほど性差(男女差)のある疾病も珍しいのではないか?
つまりは、性差が原因の病気なのだ・・・きっと。



アルツハイマー型認知症は男女ともに60歳代から増え始めるが、女性はそのペースが速くなって80歳代後半では男性のほぼ1.4倍となる。
90歳以上ではその差は倍になる。
男性のアルツハイマー型認知症は80歳ぐらいから急に増える。

男女差の有るアルツハイマー型認知症のこの特徴は何が原因か?

脳血管障害型の認知症は男性が多い。
アルツハイマー型も脳血管障害型も、結局のところ認知症になるのには変わりがない。

しかしだ、繰り返すが「性差」がある。

という事は、性差に注目してその特徴から改善方法を見つけたほうが合理的だろう。

という訳で、私の母のアルツハイマー型認知症を食事でジタバタと改善して来たお話である。

ところでだ、冒頭の写真はパプアニューギニアのキタバ人と呼ばれている方々で、なんと芋しか食べていないし、パワートレーニングなどもしていないのに男性は筋骨隆々なのだ。

もちろんホエイプロテインは飲んでいないし、ジムにも通っていない。

彼らの腸内細菌には、牛と同じような空中窒素固定をするものがいて、本来は食事でのタンパク質は不足しているにもかかわらず、栄養的には充足しているのだ。

まあ、ここまでは良い。
(・_・D フムフム。

腸内細菌がタンパク質を供給してくれている。
うん!素晴らしい!!!

ところがだ、「運動をしないのに筋骨隆々」と・・・はこれはなぜだ?

そこで思い当たるのが、noteに書いた「本当の健康(その2)https://note.com/hanasakajii/n/n19c04bfc780e 」で紹介した未開の人たちの話である。

曰く
イヌイットたちは怪力で有った。

「伝統的な食事のそのイヌイットたちは、アルカリ性体質で唾液にはミネラル豊富で有った。」(だから虫歯にならないし、なっても自然に治る)。

という事は、キタバ人たちもアルカリ性体質で、ミネラル豊富な食生活を送っているという事になり、つまりは、アルカリ性体質というのは、きっと、「筋骨隆々になる」と繋がって来るのである。
そもそも、本来の人間の有るべき姿はきっと「運動をせずとも筋骨隆々」なのだ。

元に戻る

「性差」は筋肉量の差だろうことが推察できる。

筋肉量が多ければ、低血糖の時の糖新生に余裕が生まれる。

糖新生とは、簡単に言えば血糖値を維持するために仕組みの一つで、特に血糖値が低くなった時に、血糖値を高めるホルモン(アドレナリン、コルチゾール、グルカゴン)が働いて、肝臓中のグリコーゲンや身体のタンパク質(筋肉、骨、脳)を原料にして肝臓でブドウ糖が作られる仕組みだ。
出来たブドウ糖は血液中に放出される。

血液中のブドウ糖の数値を血糖値と呼んでいて、血液1dl中におよそ100mgのブドウ糖が含まれている。

このブドウ糖が多すぎても少なすぎても困るので、食事の後など、多い時はインスリンと言うホルモンで血糖値を下げて、空腹時など、血糖が少ない時には、糖新生で正常値を維持しようとする。

なかなか忙しい。

血糖値のジェットコースター

例えば早食い、大食い、やけ食いなどで血糖値が急激に上がった場合は、大慌てでインスリンが出てくる。
大慌てのインスリンはついつい過剰のインスリンとなる。
すると、血糖値が急激に下がり始めて、適切な数値の100mg/dlを超えて、更に下がってしまう。

下がりすぎると大問題なので、今度は大慌てでアドレナリンが出る。
すると今度は、大慌てで糖新生が始まって、グリコーゲンが使われる。
大慌てが2回で血糖値のジェットコースターとなる。

これが夜間の就寝中に行われると、グリコーゲンが枯渇するので、筋肉にまで手を出して、筋肉量が減る事になる。

また、例えば痩せたくてダイエットと称して低糖質でのカロリー制限を行うとする。
すると、空腹になって低血糖になる。
すると、血糖値を上げるためのホルモンであるアドレナリンが出て、血糖値を上げようとする。
血糖の原料として、先ず肝臓中のグリコーゲンが使われる。
ところが、グリコーゲンの在庫は意外に少なくて、数時間しか持たない。

となると、次に手っ取り早いのが全身の筋肉である。
かくして、糖質制限ダイエットを行う事で筋肉が減る。


脱線するが、ダイエットを行うと痩せにくくなるという事を説明する。

実は、2つのパラドックスが有るのだ。

本当は、減らしたいのは筋肉では無く脂肪のはずだ。
ところが脂肪をエネルギーに変えるためには、脂肪酸のβ酸化と言う手続きをしなければならない。
このβ酸化には、カルニチンが必要なのだが、自分の筋肉から供給されることが多い。
だから筋肉量が少なければ、そもそもカルニチン不足で、脂肪は減りづらくなるのだ。

つまり1つ目のパラドックスは、脂肪を落とそうとして炭水化物を極端に減らしてしまうと低血糖を招き、上で説明をした糖新生で筋肉が減って、カルニチンの供給不足に陥るので、脂肪酸のβ酸化が滞り、痩せづらくなると言うものだ。

対策としてはあまりお勧めはしないが、赤身の肉(カルニチンを含む)を食べる事やサプリメントでカルニチンを摂取することになる。

2つ目のパラドックス。・・・ちょっと見慣れない文字が並ぶがご容赦。
めでたく脂肪酸がβ酸化を受けたとする。
β酸化を受けた脂肪酸は、エネルギー源となるためには、クエン酸回路に入る必要が有る。
この時、脂肪酸は活性酢酸(アセチルCOA)になっている。
活性酢酸がクエン酸回路に入るためには、解糖系から供給されるオキザロ酢酸とくっついて、クエン酸になる必要が有るのだ。

ここで問題は、この解糖系からのオキザロ酢酸だが、そもそも、糖質制限で低血糖気味だから、十分には供給されていない。
だから、脂肪酸はクエン酸回路に入ることが出来ずに余る。
余れば脂肪酸は中性脂肪に逆戻りだ。
つまり、痩せたくて糖質制限をすると、痩せにくくなるのだ。

「脂肪は糖の炎で燃える」のだ。

かくして的外れなダイエットを行うと、だんだんと痩せにくい体質になって行くのだ。
2つのパラドックスが原因で有る。

閉経後の女性の血糖コントロールと筋肉量

女性の場合、閉経後には黄体ホルモンで有るプロジェステロンが優勢になる。
プロジェステロンは、血糖コントロールを難しくすると言われている。

だから閉経後は、上に述べたような「血糖値のジェットコースター」が起きやすくなる。
血糖値のジェットコースターは、巡り巡って筋肉量を減らす方向に向かう。

先に述べたように夜間の低血糖が続くことで、糖新生にて筋肉量が減じる。
筋肉量にも限界が来る。

限界が来たならば、骨のタンパク質も使って糖新生を行う。

骨がスカスカになって来たならば、次には脳のタンパク質も頂く。
脳もスカスカになる。

脳がスカスカになったらアルツハイマー型認知症だと言われる。

だから筋肉量が少ない女性は早くにアルツハイマー型認知症になる。
アルツハイマー型認知症の人は筋肉が少ない。

筋肉量が多い男性でも、80歳になるころにはだいぶ筋肉が少なくなる。
すると、たちまちアルツハイマー型認知症になって行く。


繰り返す。
低血糖を補正するために、我々の身体に備わった「糖新生」で、血糖の材料となる筋肉が落ちて行く。

次に使われるのは骨中のタンパク質。

次には脳。
脳?
脳のタンパク質までも使って糖新生をするというのか?
血糖値を維持するために、脳までを犠牲にするとはいったいどういうことか?
脳は一番大事なのでは無いのか?

脳よりも血糖が大事という事は、その血糖を必要としているもので、どうやら脳よりも大事なものが有ることになる。

う~ん、多分・・・それは赤血球!

ヒトの赤血球にはミトコンドリアが無いので、エネルギー源はもっぱらブドウ糖に頼っている。

赤血球は。酸素を運ぶと言う非常に重要な役割がある。

その赤血球のためにエネルギー源となるように、血糖値を維持していることになる。

ではでは、赤血球は誰のために頑張っているのか?
筋肉を削り、骨をボロボロにして、脳までスカスカにしてまで赤血球はなぜ頑張るのか?

多分、その答えは全身のミトコンドリアのためであろう。
ミトコンドリアファーストであることが、これでも分かる(ミトコンドリアファーストの記事 https://note.com/hanasakajii/n/nbf7e75a86bdc)。
ミトコンドリアはATPを作る時に酸素を必要とするからだ。

だから、脳が働かなくなっても、ミトコンドリアに酸素と栄養素が届けれれれば、「生き続ける」ことになるのだ。

脳が働かず、筋肉が衰える。
つまりは寝たきりとなる。

これは避けたい( ゚Д゚)。

あなたも私も認知症になりたくないし、寝たきりになりたくは無いはずだ。

では、どうすれば良いかが、パプアニューギニアのキタバ人たちの体質にヒントがある。

アルツハイマーが、糖新生が原因ならば「筋肉量が健康寿命の長さ」と言える。

筋肉量が多い方が余裕があることになる。

筋肉は「予備の血糖」であるのだ。

東京都長寿医療センター研究所
アルブミンとは肝臓で作られる血清中のタンパク質で、栄養レベルの目安となる。


https://www.qst.go.jp/site/press/20211023.html 

要するに「タンパク質の摂取不足が認知症の脳に関係する」のだ。
 

血糖値が低くならないよう肝臓に蓄えられているグリコーゲンを使う。
しかし、グリコーゲン量は数時間分しかないので、次に使うのが筋肉である。
骨や脳にもタンパク質が含まれている。

パプアニューギニアのキタバ人たちに見習うならば、効率良く筋肉量を増やすには、アルカリ性体質が必要である。

繰り返す。

運動せずとも筋肉量を増やしたいならば、アルカリ性体質である。
私は日頃、運動をしていないし、積極的にしたいとも思わない。
いわゆる「ズボラ」という部類の人間である。
だからこそ、アルカリ性体質に魅力を感じるのだ。


https://sndj-web.jp/news/000916.php  

上はリトアニアのトップアスリート323人を対象とした研究である。
どうやら、酸性体質は筋肉が落ちるのが早いようだ。

(脳血管障害型の認知症は、微細な脳梗塞が原因であるので、前回のnoteのクロトー遺伝子関連である。異所性石灰化で微細な脳梗塞になる。解決方法はやはりアルカリ性体質である https://note.com/hanasakajii/n/n5038135e9b8e  )

「認知症は脳の病気ではない」と言う仮説を立てて約1年半、要介護3の母を介護しながら食事で改善して来た話し

もちろん最終的には脳の障害だが、その前に栄養失調がある(キッパリ)。
少しだけ正確に言えば「女性に多いアルツハイマー型認知症は栄養失調で、男性に多い脳血管障害型の認知症は微細な脳梗塞が原因で、どちらも結局は毛細血管に問題が生じて、表現型が認知症となる」と言うのが私の観察結果で、母はアルツハイマー型認知症なので、もっぱら栄養の改善と脳の炎症を除くことと、脳に栄養が届くようにすることに方針を定めて取り組んだ。

栄養失調による「糖新生」で筋肉が少なくなり、ガリガリに痩せて、それでも糖新生が繰り返され、ついには骨がスカスカとなり、脳までスカスカでアルツハイマー型認知症に至ると思われたので、夜間の低血糖にならないように工夫をした。

神戸に住む私が千葉県に住む母(当時89歳12月で90歳)の異変に気付いたのは2021年11月だった。
この年の千葉県の冬は、割と雪が降ったりしていて寒かったと記憶している。
私は親不孝でしばらく電話もかけないし、里帰りもしていなかった。
父(当時91歳)は老人性難聴のために電話には出ない。
なのでもっぱら母が電話当番みたいなものだった。

母の、1年半前の認知症の感じをお伝えするために、つらつら書く(介護と言うと「大変ですね~」と言われるが、あまり大変だと思ったことは無い。むしろ、改善のためにあれこれ考えるのが面白くも有った)


2011年11月頃から電話をかけても誰も出なくなったし、母が出たとしても、さっき聞いたことを再び質問をされるという「まさか」の事態が起きていたのだった。
私「〇日にそちらに行くからね」「ご飯は要らないよ」
母「分かった」「で、ご飯はどうするの?」
私「ご飯は食べてから行くよ。だから要らない。」
母「分かった」「で、ご飯はどうするの?」

まあこんな感じの会話が続いて、「こりゃやばいかも」と思ったわけ。
「噂には聞いていたけども、やっぱり自分の親も認知症になるんや」と思ってしまった。

そんな会話をした日の晩20時ごろだったか、母から電話があって
「あんたの友達が5人来ていて、入れてくれって言ってる」
「こんな夜に来てもらっては困る」
「子どもが二人いる」
「玄関で部屋に入れてくれと言っている」
「どうしたら良いか?」
こんな感じの内容で、私はそれを真に受けて、
「そんな人たちは入れてはダメだ!」
「詐欺師だから追い返せ」
みたいな事を伝えて、都内に住む妹に連絡をして、実家の危急を知らせて、その時間ならば新幹線の最終に間に合うので、直ぐに実家に向かうことにした。
そして、正に新幹線に乗ろうかと言うときに妹から電話。
「母は幻覚を見ている」「家の中を徘徊中」「だから、慌てて来なくても良いよ」との事。

翌日昼過ぎに実家に到着。案の定、呼び鈴を鳴らしても誰も出ないので、表に回って父の書斎の窓ガラスをたたいて気付いてもらい、無事に?家の中に入った。
母はベッドに寝ていた。
声をかけると起きては来たが、居間の椅子に座って「胸が苦しい」と言ってものの10分も起きていただろうか?またベッドに戻って行ってしまった。

夕飯は18時スタートと決まっている。
その日の夕飯はとりあえず「鶏モモ肉のソテー」にした。
両親は喜んではくれたが食べる事が出来ない。
もう歯が悪くて、鶏モモ肉を噛みきれないのだ。

母は、目の焦点が定まらないで、目の前のおかずを見つけることが出来ない。
21時ごろから家の中の徘徊が始まった。
暗いのに歩くことが出来る。
幻覚を見ている
「あんたの友達が来ている」
「子どもは可哀そうだから寝かせた」
母は、私の友人分のご飯を用意してくれて、食卓に並べていた。
一生懸命に並べてくれたみたいで、床にはご飯やら漬物が散乱している。
いつも父が座っている方を見て「おじいさんが来ている」とか言う。
私は「『お迎えが来る』とはこう言う事か」と背筋が寒くなりながら、母に付き合って一緒に深夜の食事を食べた。
テーブルクロスの黄色い模様をたくわんと思って、箸で何回も摘まもうとしている母の姿が有った。

私が神戸に帰っている年末にはついに雪の未明に、家の鍵を開けて外に出てしまった。
幸いな事に父が発見したので、大事には至らなかったが、この事件をきっかけにケアマネさん、訪問看護師さんたちが猛烈に動いてくれて、要介護1から3になった。
2階級特進で有る。

母の徘徊に付き合って分かったこと

母の徘徊は、始まると2日間ぐらい寝ずに歩き続ける(付き合うのは大変だ。90度にまがった腰で良く歩けると感心する)。

徘徊の後は寝ている時間が長くなる。

徘徊中は瞳孔が開いている(だから暗くても見えるようだ、低血糖を補正するために多分、アドレナリンが出ているのだろう)。

徘徊中は早口で反抗的になる(興奮して瞳孔が開いているのだろう。アドレナリンだ。)。

夜間の血糖値が下がっている(やっぱりだ。フリースタイルリブレで分かった)。

2021年の大晦日、「年越しケーキ」と称して、夜にショートケーキを提供したら、元日の朝に足がつって動けなくなった(かなりの低血糖になったと推察できる。ミネラル不足も有るだろう)。

連続してパンを食べる日が続くと徐々に目つきが徘徊モードになる(これに気付くのに1年ぐらいかかってしまった)

パンとグルタミン酸ナトリウムの組み合わせが続くのが良くないかも(やはり1年かかった)

徘徊のための条件は、パン(小麦製品)、たんぱく質不足、ミネラル不足、水溶性食物繊維不足によって、リーキーガット、リーキーブレインがベースに有ると推察される。
日々の糖質過剰で血糖値スパイクによって夜間低血糖になり、血糖値を正常にするために糖新生が働き、ホルモンとしては興奮性のアドレナリンが使われている。
更に夕食の興奮性のグルタミン酸ナトリウムの組み合わせで脳が興奮。
これらの複合的な影響で瞳孔が開いて夜間の徘徊が始まる。

前後するが最初に行ったこと

2020年11月に母に会って、直観的に「栄養失調」と思った。
痩せてガリガリ(身長150cm体重41kg<着衣参考>)目の焦点が定まらない、食が細い、菓子パンが夕食。
そこで、朝のホエイプロテイン20g、朝ビタミンD1万IU、ひきわり納豆1パック、イワシの缶詰を中心に組み立てた食事を作り始めた。


意外な敵が潜んでいた。


父は魚が大嫌いで、母は納豆が超嫌いで有った( ゚Д゚)
(因みに私は魚が大好きで納豆も普通に食べる。なので、どうしてこの両親から育ったのかが不思議である。橋の下から拾ってきたと言われたことが有った。そう言われて、面白くなって、どこの橋の下なのかを猛然と聞いた気がする。行って見たかったのだ。)
魚を煮たり焼いたり缶詰を開けるだけでも父は「臭い、臭い、臭い、臭い、臭い」と言って窓を開け始める。
「不味い」とも言っていたな。

母はそのままでは納豆を食べない。
認知症の人の嗅覚は落ちているので、みそ汁に忍ばせると食べた。
だけど横で父が言う
「臭い、臭い、臭い」

父は、母が喜ぶのでアンパンやクリームパンを大量に購入して、母に食べるように勧める。安いので期限切れ寸前のものを買ってくる。
母は喜んで食べる。アイスクリームも毎晩食べる。冷蔵庫のヤクルトを夜中に5本も飲んだことが有った。

父は、母が認知症になったことが理解できずに母を怒るしバカにする。
母は、その点は分かるようで、父に対して猛反発をする。
プライドはしっかりしている。
母の口癖は「生きていてもしょうがない」「早く死にたい」だった。

父に言われた「もう、オレ達は、90歳を過ぎた」「好きなものを食べさせろ」「あれこれ食べるなと言われると、気が滅入る」
なるほど、それはそうだ。
家に有ったキャノーラ油は捨てた。砂糖は使わなくした。加工食品も使わない。アンパンを袋ごと捨てたことも有った。
しかし、考えて見ると老夫婦はもう十分に長寿である。

母は7人兄弟姉妹の末で有るが、他の姉妹たちは70歳代で他界をしているのに、母だけが90歳を越えた。
父には兄弟は居ない。戦争中の事情で一人っ子で有った。
93歳でも聴覚以外はしっかりしている。
こうなると、アンパン、クリームパンが長寿の秘訣か?という調査結果が出来てもおかしくはない。と言うのは冗談にしても、別に長寿の秘訣があるに違いない。

ざっと書くが
早めの夕食(18時)で、翌朝まで食べない生活(父がリタイアしてから80歳ぐらいまでは、間食は食べていなかったと思う。オートファジー生活だ)。
80歳を越えるぐらいから飴玉を良く舐めている。要するに血糖値が下がらない生活である。

脱線するが、男性諸氏に告ぐ!はっきり言って私は料理の初心者である。60歳からの料理である。悪いことは言わない、料理を作れるようにしておくべきである。それもアルカリ性体質になるための料理である。

私は、釣った魚は出刃包丁で捌くし刺身にも出来る(趣味だからである)。
だけど、豆腐のみそ汁は作ったことが無かった。
豆腐を切ったことが無かった。
ニンジンを切りながら指を数回切った。
「臭い」「不味い」とか言われるとめげた。
だけどもやり続けると何とかなる。
これを読んでくれてる、まだ料理をあまりやったことのの無い男性諸氏がいるならば、ご自分が元気な内に是非、食事作りをやって見て欲しい。習慣化して欲しい。すると、認知症になりかけの人を救うことが出来るだろう。
作り易いのは「野菜スープ」であるので、先ずは鍋を用意して、野菜を適当にぶち込んで、作って見て欲しい。
味付け?海塩で薄めで良い。

もちろん一番に救われるのはご自分である。
作り慣れる必要が有るのは、単なるお料理では無く、アルカリ性体質になる料理である。
男性は少しだけ上等な包丁を揃えることから始めるのをお勧めする。
すると、なぜだか知らんが道具を使って見たくなるので、料理をするようになると思う。

世間では炭水化物、脂質、タンパク質が三大栄養素で、バランス云々と言うが、その前に、酸とアルカリ性(塩基)のバランスの方が重要だと思う。

酸とアルカリ性(塩基)のバランスを整えるためには、アルカリ性のミネラルが必要になるので、自然にミネラルも摂るようになるであろう。


アルカリ性体質になることで老化が進みづらくなる。

アンチエイジングどころか、リバースエイジングである。
年齢を巻き戻すのである。
更にがんにもなりにくくなる。
70歳を越えるぐらいになると、歩幅が狭くなりよちよち歩きの傾向が出てくる。
筋力が弱まり関節の柔軟性が無くなってくるからだろう。
筋肉や関節は、そう、タンパク質で出来ている。
サルコペニアと呼ばれている状態は、つまり糖新生(血糖値維持のためにタンパク質が使われる)で説明が出来る。
更に言えば、ミネラル不足、ビタミン不足も原因となり得る。

ちょっと想像をして見て欲しい。
70歳ぐらいになって、アルカリ性体質になることが非常に重要になって来るのだが、その年齢からアルカリ性の料理作りをスタートが出来るだろうか?
我が家の老父母を見ていると、冷凍食品、加工食品で食事を済ませて満足をしている傾向がある。
「売っているものを買って食べて何悪い!」とは父の言葉。

正に、タンパク質で糖質過剰の生活だし、ミネラルは完ぺきに不足をしている。
加工されているから食品添加物はバッチリ入っている。特にクロトー遺伝子関連の無機リンは過剰になるだろう(クロトー遺伝子関連記事 https://note.com/hanasakajii/n/n5038135e9b8e  )。

酸性体質になって無機リンが過剰になることで異所性石灰化が進むと推察される。
すると毛細血管が詰まるのだ。
それが脳血管障害型の認知症だと私は見ている。
脳血管障害型の認知症は、男性が多い。
筋肉が豊富なのに認知症の人は微細な脳梗塞が原因だと推察できる。(脳梗塞が原因ならば血栓を溶かすサプリメントを推奨する。アカミミズのルンブルキナーゼが良いだろう。)

ともかく、野菜をたっぷり食べれるような工夫が、認知症からあなたを救うだ。
すると自然と野菜スープに行きつく。
男性諸氏、簡単だから作って見よう。


2021年11月から2022年6月頃までは月の内の1~2週間を実家で食事作りをして、残りは神戸で過ごすというペースで有った。


それは、ほんの2週間の食事ではあるが、母の調子が目に見えて改善するからであった(食事の力は偉大である)。
だから「もう大丈夫」と思って神戸に帰るのだ。

ところが、ところが。
その後3週間も開けると、母の状態はまた元に戻ってしまうのだ。
決定的だったのが2022年5月~6月にかけて、母が通っているデイサービス先でコロナのクラスターとやらが発生して、デイサービスに行けなくなったことだった。
デイサービス先では、しっかりとした食事を出してくれるので、最低でも一食は栄養が摂れる。
ところが、クラスターのこの間は、また栄養失調になったのだ。
夏でも有り、脱水も有ったのか。気付いた時には本当に酷くなった。
日中、ほとんど起きることが出来ずにいて、深夜になると家の中の徘徊を始めた。
今度だけは、本当にこのまま衰弱して行くのかと思って覚悟も決めた時だった。
幸いなことに外出はしなかった。
父もやっと母が認知症であることの意味が分かった時期でもあった。
「母には絶対にパンを食べさせてはいけない」と再三伝えてきたが、父もやっとその意味を理解した感触で有った。

意を決して3週間を実家、1週間を神戸の生活にした

妻にも協力をしてもらい、このペースにした。
仕事は厳しくなり収入に響いた。
でも母の認知症は食事で改善できるとの実感が有ったので、実家に住み込みに切り替えた。
都内の妹には超老犬がいて、なかなか家を空けて来ることが出来ない。
その代わりと言っては変では有るが、経済的に支えて貰った。

妹の家の老犬♂がついに死んだ。
17歳で老衰。最期は尿毒症だったらしい。
ピンシャーと言う品種で、彼が若いころに母は齧られている。
愛犬が死んで妹は自宅を離れることが可能となったので、実家に来て母に夏物の洋服を買った。

昨年の10月頃にケアマネさんに確認をした。
私「母は、昨年に比べるとだいぶしっかりしていると思うが、ケアマネさん的にはどうでしょうか?」
ケアマネさん「はっきり言って奇跡です」「下村さんのところを真似して、ビタミンDとホエイプロテインを試してもらってい居るお宅が有るのだけれども、改善の兆しが有ります」

2023年2月の徘徊が最後で、今は良く寝て体重は44kg

この文章は2023年8月26日
25日の朝、母とトイレの前でばったり会って「おはようございます。」で、「お先にどうぞ」と言って母にトイレを譲った。
そして朝食の準備のために台所に立った。
しばらくしてトイレから出てきた母は、私を呼ぶ「ユタカ君!」と呼ぶ。そう、子どもの頃の呼び方だ。
間違ってはいない。
そして「悪かったね」「トイレ、どうぞ」。
というでは無いか!
( ゚Д゚)これってすごいのだ!( ゚Д゚)
少なくとも母がトイレに入っている数分の間、ユタカがトイレに行きたくて我慢をしていると覚えていたわけだ。
昨年の今ごろでは考えられないわけだ。

1年半の試行錯誤でたどり着いた方法

キャノーラ油、サラダ油、大豆油、菜種油は使わない。
ごま油、オリーブオイルは適量使う。
塩は海塩。
朝のビタミンD(サプリメント5,000IU<始めは1万IU>)
朝のビタミンK(サプリメント、納豆は断念)
朝の子持ちシシャモ(コレステロール、ミネラル豊富、父も食べる)
朝のホエイプロテイン20g
食後の果物(アルカリ性体質にする、夏はスイカ)
キシリトール(アルツハイマー型認知症は脳の糖尿病だから)
MCTオイル(お腹が緩くなってトイレの失敗があるので止めた。大丈夫ならばお勧めである)
食後のクエン酸3g(酸っぱいと飲まないので、重曹でクエン酸ナトリウムにする)
老夫婦はケッチャップが大好きなので、ケッチャップを使って丼のようにご飯にかけると、残さずに食べる。
ワカメとキノコたっぷり野菜スープを切らさない。
野菜スープから汁をもらって豆腐味噌汁を作る。
野菜スープから具をもらって、野菜炒めとかを作る。

現在の母


母の役割は洗濯物を干すことである。
役割は重要である。


食欲は十分にある。
体重は44kg(着衣参考)。
この1年半で3kgは増体した。
同じことを繰り返し質問をすることが少なくなった。
テレビを見ているときに「(この番組は)なんの話題か?」と聞くと、割としっかり答える。

体重は寿命だと思う。
特に筋肉は寿命だ。
骨が太いのも寿命にプラスになるだろう。
結論は、「食事で改善が出来るのだから、認知症は脳の病気ではない。」で有る。
特にアルツハイマー型認知症は食事で改善が出来る。
世間では認知症は、脳の病気で老化が原因だから仕方がないと思われている。
だが、それは本当だろうか?
冒頭に書いたように、もしも脳の病気ならば年齢に関係無く、もっと若い人がどんどんなってもおかしくはない。
今のところはそれは無い、と言うかまだ少ない。

若い時には成長ホルモンも出るし、女性はエストロゲンも出る。
エストロゲンは血糖コントロールを容易にする。
閉経後に優位なアンドロジェンは血糖コントロールを難しくする。

今の若い人たちは骨が細くて筋肉も少ない感じだから、私の仮説が正しければ、早めに認知症、特にアルツハイマー型認知症になるだろう。
今の若い人や、若くなくとも痩せ気味の人は、今の内に筋肉量が落ちないように工夫をすべきである。
痩せたくて「『的外れな』糖質制限ダイエット」を行うと、低血糖となり、糖新生が起きて筋肉が減じてしまう。

そうして残念ながら体重は思いのほか減らない。

減るのは寿命だ。

ろくに運動をしなくても筋肉を落とさない方法は「アルカリ性体質にする」ことだ。
オレも気を付けよっと。


日本の課題「自分の健康は自分で作る」


高齢になることで、普通は体力が衰える中でフライパンとかが持てなくなる。
すると、冷凍食品に頼るようになる。
縷々書いてきたように、冷凍食品、加工食品は栄養失調になる。
糖質過剰、タンパク質不足、ミネラル不足。
そして酸性体質。
無機リン過剰で様々な血管障害にもなる。
認知機能だけでなく、腎機能にも悪影響を及ぼすだろう。
だから透析患者が増えているのだろう。
先ずは、この不健康になる構造を全国民が理解する必要が有る。

解決方法は「アルカリ性体質になる」である。
アルカリ性体質になることで、免疫力が本来の実力を出せるようになる。
すると流行りのウィルス病にも強くなる。
がんにもなりにくくなる。
虫歯は勝手に治る。

太っている人は痩せやすい体質になる。
痩せている人は体重を増やすことも出来るようになる。

そうして高齢になってもはつらつとして元気で有る。
棺桶の中からピースを送りながら、旅立つのが目標だと言っている大先輩がいらっしゃる。


オマケのちゃぶ台返し

ここまで書いて、身も蓋もないことを書く。
「ナンスタディー」ってご存知だろうか?
「ナン」とは修道女のこと。
アメリカの認知症の研究で、修道女がお亡くなりになった時に、献体をして頂いて、脳を解剖させてもらって、認知機能と脳との関連や生活習慣を比較研究するというもの。


ちゃぶ台返し



脳は典型的なアルツハイマー型認知症の特徴を持って「スカスカ」ではありながら、全く認知機能の衰えがみられなかった修道女がいた。アルツハイマー型脳を示したシスターの25%もいた。

典型的なアルツハイマー型の脳病変で、スカスカになっているにも関わらず、お亡くなりになる数日前までしっかりしている人たちが少なくなく存在した。
著者は「脳の役割はいったいなんだ?」とも書いていたと記憶する。

認知症になるシスターとならないシスターの特徴は、なんと!18歳の時に提出した論文に既にあらわれていた。
認知症になるシスターは、理路整然と箇条書きのような文章。
一方、認知症にならなかったシスターの文章は、情緒的で詩のようであった。

こうなると、脳は栄養失調でスカスカになっても、感情豊かに生きて行けば大丈夫だという事になる。
海馬に刺激を与えるような生き方が認知症から逃れるもう一つの方法とも言える。

まとめ、じゃあ認知症は何の病気なのか?

ナンスタディーを読めば、認知症は益々脳の病気では無いと思えてくる。

では認知症は何が原因でなるのであろうか?

母を観察して言えるのは「現代版の栄養失調」が原因である。
タンパク質不足、ミネラル不足、ビタミンD不足、ビタミンK不足、水分不足。

リーキガット、リーキーブレインが有るようなので、腸内細菌を整えるのも大事である。
酪酸菌を増やすために野菜スープ(ワカメ、キノコ数種類、青物野菜、根菜類)である。


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