まこ

50代看護師。太極拳を10年ほどやってます。仕事や太極拳、子育てや介護、色々な人との出…

まこ

50代看護師。太極拳を10年ほどやってます。仕事や太極拳、子育てや介護、色々な人との出会い、そんな日々の中での気付きや心に残る出来事、大切にしたい言葉などを書き留めています。

最近の記事

故郷の桜

毎年、桜の季節になると思い出す。 私は勤労学生だった。 看護師になるために看護学校に通いながら病院で働いていた。 そこに入院していた患者さん。 確か50代の男性で、末期の胃癌だった。状態が良くなく、 ほとんどベッド上で過ごしていた。 春先のある日のこと。 検温に行った時に、 「良いお天気ですよね。もうすぐ桜の季節ですね」 と、当たり障りのない気候の話をした。 「そうだね。僕は東北出身なんだけど、このへんより桜が咲くのが遅いんだよ。」 「そうなんですね。いつ頃咲

    • コトダマとお守り

      私は家族が出かける時など、 いってらっしゃいと一緒に、 「気を付けて」 と必ずいう。 無事に帰って来れるように、 その言葉がお守りになるような気がするから。 「言霊」というものがある。 言葉には霊力が宿っているという。 考えてみれば、 言葉ひとつで、 人を幸せにすることも不幸にすることもできる。 毛布のようにあたたかく包み込むこともできれば、刃物のように切りつけることも。 大丈夫、大丈夫と何度も言うと、 なんかほんとに大丈夫な気がしてくる。 言霊というのは確かに

      • しあわせ貯金

        以前仲が良かった人がよく言ってたこと。 「一生のうちで嫌な事と良い事は同じだけ起こるっていうから、 嫌な事が続けて起こった時は、次に来る良い事のために不幸を貯めてる、不幸貯金だと思うようにしてる」 嫌なことがあった時、 2人で、これは幸せのための不幸貯金や!と言いあっていた。 あの頃、結構私はネガティブな人で、 すぐ感情的になっていた。 カッときて、すぐにそのまんまの感情を相手にぶつけることもあった。 (めんどくさいヤツだった笑) 師匠と出会い、気功と太極拳を学ぶよう

        • おばあちゃんトラップ

          私の母は認知症だ。 家族のことはわかるし、実家からうちまでの道のりも一応覚えている。 だけど、 自分で服を用意して着替えるということができない。 料理の名前も忘れているし、もちろん料理もできない。 パーキンソン病もあるので、 身体の自由がきかず、筋力も衰えているので、動くのがなかなか辛そうだ。 だからといって何もさせないのは良くないので、食器洗いや洗濯物をたたむことをやってもらっている。 でも、 どれが誰の服なのか、どの食器をどこに片付けるのか、そういうことがわからな

        故郷の桜

          メッセージ

          自分に必要なメッセージというのは、 ふと目にした文章や、誰かの口からとか、色んなところから入ってくるという話を聞いたことがある。 ここ数年で、まさにこれ!という体験。何度かした。 そして、そのたびに心が救われた。 ちょっと前、 辛いことがあって、 自分がどうあればいいのか、どんなふうに生きていけばいいのか、 見えなくなってしまっていた。 このままではいけないと思いながらも、 グズグスとした気持ちを抱えながら、 平静を装い毎日を過ごしていた。 そんな中、突然、 「作り

          メッセージ

          恩返しの時間

          数年前、 私、なんかおかしいから病院行きたいねんと、母が自ら受診を希望して、 色んな検査を受けて、 パーキンソン病とアルツハイマー型認知症という診断を受けた。 母本人も結構ショックを受けていたが、お母さんっ子だった私と妹も相当ショックを受けた。 その時母が言った言葉、 「私が急に病気とかで逝ってしまったら、あんたら辛いやろ。 だから、世話かかって大変やしお母ちゃん逝ってくれてもいいわってあんたらが覚悟できるように神様がこんな病気にしはったんやで」 その時は、 何アホな

          恩返しの時間

          17歳で決まった人生

          高校2年生の時、 友人からドラマの主人公の友達役のオーディションを一緒に受けないかと誘われた。 なんか面白そうというとこでOK。 スナップ写真をお互い撮影し合って、書類に添付して送付した。 結果は、書類選考は2人とも合格。 2次審査(何をやったか全く覚えていない)で、めでたく(?)2人とも不合格となった。 その一連の流れがあって、 友人が私に、 「まこちゃん、肌がキレイやったら人生変わってたで」 友人にとっては褒め言葉だったんだと思う。 確かに当時、私は顔の湿疹とニ

          17歳で決まった人生

          文学少女

          看護学校を卒業して就職した病院で、 最初に配属されたのは産婦人科病棟だった。 15床しかない小さな病棟には、 生まれて間もないベビーもいれば、 ママになりたてホヤホヤのひともいるし、 抗がん剤治療をしている人もいた。 抗がん剤治療のため入院していたNさん。 確か50代後半で、ベリーショートのグレイヘア、何だか可愛らしくて、物静かで柔らかい雰囲気を漂わせている人で。 午後の検温に行くと、いつもベットの上で座って本を読んでいて、 その姿を見る度に、いつも文学少女っていう言葉

          文学少女

          はじまり

          私は50代で看護師をしています。 フルタイムで仕事をしながら、 近所に住むパーキンソン病&認知症の母を、家族みんなで協力しあって介護しています。 10年ほど前から太極拳を習っていて、 最近、初心者のためのクラスを受け持たせてもらえるようになりました。 忙しい日々の中、 色んな人と出会い、言葉と出会い、 一喜一憂したり、なるほど!と思ったり、 すとんと腑に落ちたり、切なかったり、 幸せだったり、 そんな色んなことがちりばめられた日常のひとコマを、 他のSNSでは書いていな

          はじまり