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ロシア文学

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2021年にはまり始めたロシア文学。ドストエフスキー、ゴーゴリ、プーシキン。感想や色々です。
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「罪と罰」ドストエフスキー(感想1)読了後に落ちたりする

「罪と罰」ドストエフスキー(感想1)読了後に落ちたりする

「罪と罰」フョードル・ドストエフスキー, 亀山郁夫訳
罪と罰の3分の1の分量である『賭博者』を読了できたので、この作品も同じ訳者を選択。

気持ちよく読了できたと思ったら、無意識にシンクロしてしまい謎に気持ちが落ちました。読書による影響力を実感...

この作品は読了後に色々と書きたいことが出てくるようなので(感想1)としてみました。(不意にどろりと出てくる)

以下、Twitterに書いたことを

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「一八六四年のメモ」ドストエフスキー

「一八六四年のメモ」ドストエフスキー

一八六四年のメモ 

ドストエフスキー,安岡治子訳

人間の最終系について語られる。こうなるであろうゴールとしての未来は見えていて向かっている途中だと(決定論ともまた違う印象)。とはいえ妄信している感じは受けず、自分の中で組みあがったものに対して信じているといった印象を受けた。

常々宗教やキリストとラベリングせず、注意深く読んでいくようにしたいと思っているので感想が遠回しになりがち。

★読了後

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「百姓のマレイ」「キリストのヨールカ祭りに召された少年」ドストエフスキー

「百姓のマレイ」「キリストのヨールカ祭りに召された少年」ドストエフスキー

「百姓のマレイ」「キリストのヨールカ祭りに召された少年」
ドストエフスキー 

どちらも1873-1881に書かれた「作家の日記」からの短編。

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★「百姓のマレイ」

シベリア流刑地にいる29歳の男性がふと思い出した9歳のころの小さな事件の話。解説によるとどちらも実体験とのこと。

普通のエッセイにしないところが小説家魂なのかな。はじめ語り部の人は架空かと思った。(

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「おかしな人間の夢」ドストエフスキー

「おかしな人間の夢」ドストエフスキー

おかしな人間の夢
ドストエフスキー,安岡治子訳
1877年

(2021/7/15読了)
虚無感にとらわれた男性が見た夢を中心とした短編。

夢の中ではあるが別の宇宙へ向かう描写は非常に興味深い。
別の宇宙の地球は完璧な善世界ではあるが停止したような世界。
男性が観測者として降り立ち干渉したことにより何かを動かしてしまう。動き出した世界は止まらず様々な色が混ざり合っていく。

目覚めるところまで一

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「射弾」プーシキン

「射弾」プーシキン

射弾
プーシキン ,望月哲男
(ベールキン物語内の短編5篇のうちの一つ)

(2021/8/9読了)

"私"が語る一人の男の話。
射撃名手ですぐに決闘をしたがるシルヴィオのエピソード。

どうも美しい。さりげない美しさが散りばめられている。訳?作者のスタイル?海外文学は判断が難しい。

→読了後すぐの率直な印象は…美しい、カッコいい、ある意味紳士的な、一本細いレイピア風な筋が通っている。そんな

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「白夜」ドストエフスキー

「白夜」ドストエフスキー

白夜
ドストエフスキー,安岡治子訳
1848年

(2021/7/12読了)
恋愛もの短編。17歳の女性ナースチェンカをどうイメージして読むかで全体の雰囲気が大きく変わる気がする。その設定次第で振り回された20代の夢想家くんも浮かばれて、絵になる感じ。

舞台、ミュージカルっぽく感じたのでキャストなど色々と想像が膨らみ読了後じわじわ楽しめた。

例えば宝塚で上演されると憐れっぽくならずキラキラ可愛

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「地下室の手記」ドストエフスキー

「地下室の手記」ドストエフスキー

地下室の手記
ドストエフスキー 安岡治子訳
1864年

(2021/6/4読了)

1章は途中挫折しそうになる。2章は逆に止まらなくなった。

なぜそんなことを、いう程に恥ずかしい状況を作り上げていく。手記の作者(主役)は「これはもはや文学ではなく矯正のための懲罰」だという。いや、よく書いたよと最後には共感さえ覚えた。

そしてこのような小説をよく書いたよとドストエフスキー氏にも思うかもしれない

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「スペードのクイーン」プーシキン

スペードのクイーン
プーシキン, 望月哲男

(2021/7/24読了)

1834年。
老伯爵夫人の秘密を得ようと若いリザヴェータに偽りの恋の手紙で近づくゲルマンの末路。

短編ながら厚みがすごいと感じた。といっても重々しくもなく読んでいて楽しい。

物質世界において二つの物体が同一の空間を占めることが不可能であるのと同じく、精神世界においても二つの固定観念が共存するのは不可能である。

こうい

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「鼻」ゴーゴリ

「鼻」ゴーゴリ

「鼻」ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ, 浦雅春訳

(2021/6/21読了)
1836年
記念すべき初ゴーゴリ。短編。
あえての落語調訳とのこと。イワンはパンの中から鼻を見つけ、コワリョフは顔から鼻がなくなっていることに気付く。両者の動揺も凄かっただろうが読み手としても動揺が半端ではない始まり方。

「コワリョフが見た箱馬車から降りてきた制服の一人の紳士。」

「なにしろそれって、ほかならぬ自分

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「貧しき人々」ドストエフスキー

「貧しき人々」ドストエフスキー

貧しき人々
ドストエフスキー/安岡治子訳

(2021/6/21読了)
1846年。初期の初期の作品。
書簡体小説→手紙のやり取りで進む話。
書き手は47歳のマカールと、近所に住む18歳くらいのワーレンカ。読みやすさ絶大で最後まで飽きない。

印象深い箇所
>ワーレンカ
・ポクロフスキーとの恋が純粋で美しい。
・ポクロフスキー老人の話
・秋の夕べの湖の描写が別世界を切り取ったかのような感じを受けた

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ロシア文学にはまり出す。

ロシア文学にはまり出す。

noteはじめまして。(とりあえずnoteにご挨拶)ロシア文学にはまりだし、EverNoteにメモして来ましたが独立させてみたかったので実験的note。

・ドストエフスキー(1821-1881)/ゴーゴリ(1809-1852)/プーシキン(1799-1837)

・忘れないように概要(読了したシェイクスピアの大半は忘れてしまったので・・)、感想?、関連本を探す、などまとめていく予定。

「賭博者」ドストエフスキー

「賭博者」ドストエフスキー

賭博者
ドストエフスキー, 亀山 郁夫

(2021/4/30)
初ドストエフスキー。
イメージ的にハードルが高すぎて避けていたが、読む本に幅広く名前が出てくる。これを読まないとせっかく読了した本にも空白の部分(共感できない部分)ができてしまうのが残念で読み始めることに。

主役のアレクセイ含め逃れられない衝動に翻弄されまくる話。
おばあさん登場あたりから止まらなくなり先が気になりすぎて一気に読

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