文筆家

映るものすべてが(#毎日更新17日目)

ある人が、ひとは皆宿命を背負っているからすべての生命には価値があるのだと力説していた。
同じようなことを言う母の顔をぼんやり思い浮かべて、「そうですねぇ」と相槌を打った。

来月で20歳になる私は、ものかきになるために生まれてきた。と、思う。
表現しつづけることこそが私の生命の使い方。と、思う。

しかしながらそれに“宿命”だなんてたいそうな名前をつけられると、なんとなくそこに疑念が生

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フリーランスになったことによるデメリット

フリーランスのエディターになり、約3年がたった。

会社員時代の夢は未だに見る。
大体が怒られたり、自分が失敗してどうしよう!と慌てふためいている夢。
どれだけトラウマになっているのだと思うと自分に辟易してしまう。

フリーランスになってから、
無駄な人間関係に悩むことがなく、
体調が悪ければ1日寝ていることも許され、
心の状態はだいぶ良くなった。

頑張った分、収入は増えるし
休みたいと思えば、

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明けない(#毎日更新16日目)

仄暗い部屋
下品に軋む、硬いマットレス
私たちをみつめる、瓶底眼鏡

泳ぐ貴方、荒い手つきで髪をつかむ
歪んだ視界にいるのは、いったい誰なの

今宵こそ、

薄く開いた唇はすぐに塞がれて
浅く吸った息はすぐに足りなくなって

ああ、また

溺れる、溺れる、

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咲月(さつき)

99年生まれの19歳。クリエイターとして食べて生きたいフリーライター。

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ohayo(#毎日更新15日目)

「誠心誠意頑張りますのでよろしくお願いいたします!」

黒の短髪にキリっと整えられた眉、薄い唇から覗く、並びのよい白い歯。

いかにも“好青年”といったふうな男性が、ガバッと頭を下げた。

朝か、と思う。

私の形に凹んだソファの上で夜が明けるか明けないかのスレスレをぼうっと過ごしていた私は、
彼らの「おはようございます!」によって未だ水平線の下に在るはずの陽のもとに引きずり出された。

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絶対にかきたくなかった舞台裏のハナシ(#毎日更新14日目)

今日で毎日更新を始めて14日目__2週間が経った。
細々と始めたnoteだけれど、すこしずつ読んでくださる方が増え、
今は15人の方にフォローしていただいている。(2019/10/10現在)

私にとって、このテーマをかくのはかなり勇気のいることだった。
自分の情けない部分を晒すよりも、ある意味ずっと恐ろしいことだった。

こんなことかかなくても良いかなと思っていたが、
最近あたたかい応援の言

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まあるくなあれ(#毎日更新13日目)

「エモい」

こんな言葉が流行り出したのはいつのことだろう。
流行り言葉に疎くて未だに「オシャレ」を「ハイカラ」なんて言ってしまう私だから、よく覚えていない。

頭が良くて、沢山のサークルに入っていて、大変人柄の良い彼氏がいて、最高に“エモい”文章をかく、
今風に言うと“キラキラJD”、を具現化した様な友人に「エモいってなに?」と尋ねてみたが、
「エモいはエモいだよ」
と、あまり参考にならない

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その調子(#毎日更新12日目)

久しぶりにチャリに乗った。
ぼうっと歯を磨いているうちに、彼女との約束の時間が迫っていたからだった。

盛りを過ぎた夏の夕方はちょうど良い感じに涼しくて、気分良く流行りの歌なんかを口遊ながら漕いでいたら、
“ガコッ”
事態に対してはあまりに地味な音がして、前輪がぺちゃんこにパンクした。

漕ぎ出したときに感じた違和感はこれだったのかと、がっかりよりも先に納得してから、それでもなおペダルを踏む足

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虚(#毎日更新11日目)

灰色にみえる。
なにも出てこない。

紫がどんな淡さか忘れてしまった。
緑がどのくらい温かかったか忘れてしまった。

なにも、なにも出てこない。

出てこないものを書こうと必死になって、ついに私の瞳は濁ってしまった。

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咲月(さつき)

99年生まれの19歳。クリエイターとして食べて生きたいフリーライター。
活動実績 https://www.finderjapan-pro

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思い出なんかじゃなくて(#毎日更新10日目)

祖父母の家に来ている。

電車と徒歩含めても2時間もかからないのに、なんとなく訪ねることができないでいた場所。

数年ぶりに降り立った駅も周辺の街並みも、記憶のなかのそれからはすこし変化していて、
こんな場所だったっけ、と、まるでタイムスリップでもしたかのような感覚に襲われた。

何度も通った道はしっかりと身体が覚えていた。なにも考えなくても勝手に足が進む。

幼少の頃大好きだった赤い屋根

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「好きを仕事に」とはなんぞや

ここ数年、「好きを仕事に」とゆうキャッチコピーをよく目にしますよね。

「やりたいことが見つからない」
「好きなことがわからない」
なんて若者が増えていますとか云々みたいな文言もよく耳にしますが、

そんなもん、大体の人がわからへんがな。

と思っています。

年を重ねても、手探りです。
というより、環境が変わったり
会う人が変わったりするうちに
やりたいことも変わります。

自分は編集者ですが

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