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日々の徒然なること

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日々感じたことを自由に書いたエッセイ
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記事一覧

モダン・タイムス2024春

モダン・タイムス2024春

 いつまでも寝ていたい春の朝にバス停で待ちながらおもむろにヘッドフォンを取り出して、お気に入りのプレーヤーで音楽を鳴らす。今日の選曲は、グレン・グールドが奏でるバッハの平均律クラヴィーア曲集。小気味よくピアノの旋律が刻んで上昇していく音に私の眠っていた心は反応し始める。ふと、幼少期に母が毎朝クラシックをかけていたことを思い出す。平日はいつだって目覚めと同時に社会なるものとの付き合いを再開せねばなら

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無常を腹に落として執着で遊べ!

無常を腹に落として執着で遊べ!

今までの自分のnote記事を見返してみて何が言いたかったのかということが朧げながら見えてきたので総括的な記事を書こうと思う。
私が言いたかったのは、仏教の一番の核となる思想、「無常」という一点に尽きる。無常=いかなるものも永久に存在する本質というものをもっているわけではない。

無常=空
ブッダの一番弟子であるサーリプッタが「空に住する境地」でおりました!と報告したところ、「みごとだみごとだ!偉大

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正確な無知の知

正確な無知の知

この世界をわかった気になっていることってないですか?
いまの日本とか、いまの世界とか、自分なりにこんな風に捉えていますというのは人によってあると思うんですが、それ自体を疑った方が良いということに最近気づきました。

私なんかは、今の権威的なものが崩れて欲しいという願望みたいなものがあり、それをもとに世界を見ようとします。そうすると今の世界はあたかも崩れていく直前であるかのように思えてきます。その根

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鯰の上に建てた大伽藍

鯰の上に建てた大伽藍

江戸には鯰絵というものがあって、地下に住む鯰が暴れると地震が起こる。江戸時代には安政江戸地震1855年に起こっており、死者は少なく見積もっても6千人いたそうである。その後の関東地方の地震では、防災の日になっている関東大震災が1923年9月1日に起こっている。関東大震災では死者なんと10万人。今年でちょうど100年である。地震の周期はわかないけれど、いつ大都市東京を震源とする首都直下地震が起きてもお

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静から動へ

静から動へ

実に慧眼である!

下記の養老孟司さんの動画にて目から鱗が落ちた。

それは養老孟司先生の子どもだったり自然だったりを捉える確かな眼である。彼らは実に動的で変化していく。こうやって書いている間も目まぐるしく変化していく。おおよそ世の中というものの実体というのは、このように変化していくものである!!養老孟司先生は、インターネットにあるものは静的であると論じておられた。私は初めはその意味を掬い取れてい

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虚構に満ちた世界

虚構に満ちた世界

私が思っている思想や理念がある。その思想に沿った事実を探そうとネットサーフィンをしていると、そんな私におあつらえ向きのニュースがたくさん表示される。そのニュースに寄って私の思想は益々強化されていくが、それが虚構のニュースだと気づくのはだいぶ後である。

これは私の一例に過ぎないが、インターネットの普及によって誰でもスマホを持って自分の思想や理念、それもかなり歪んだ形の思想を強化していっている。自分

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別冊太陽「河合隼雄」を読んで

別冊太陽「河合隼雄」を読んで

暑さも酷いもので、こんな暑い日は家の中で冷房効かせて読書なんかしているのが一番と思っていますが、なにか今感じていることをつらつらと書き連ねてみようと言う気になりましたので、そんなどうでも良い雑感にお付き合いいただく殊勝な方がおられましたら読み進めてみてください。

最近、私の大好きな河合隼雄さんの雑誌が刊行されまして読んでおりましたら、とても気になる一節が出てきました。

ちょっとグサりときました

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ある一日

ある一日

還暦を迎える友人とは仕事の移動中によく電話をする。彼がサマージャンボ宝くじを思いつきで買ったという。宝くじはあまり買わないタイプだったけれど、電話を切った後、近くのチャンスセンターに赴き、サマージャンボを連番10、バラ10買ってみた。凝り固まった自分の癖から抜け出して、可能性の世界に身を乗り出すのは楽しい。昔の自分だったら、宝くじなんて馬鹿らしいと思っていた。

昼過ぎから仕事のクレーム処理に奔走

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上手いサボり方

上手いサボり方

Twitterを見ていたらグッと惹かれるツイートを目にする。

大人をよーく観察していると、本当にみんなちゃっかりサボっている。若い人にはバレないようにサボっている上役の人をどれだけ見てきたことだろうか。上司の人にはやっているというスタンドプレーを見せながらちゃっかりサボっている人も多くみてきた。ピロティー方式の一階が駐車場になっている家電量販店やスポーツ用品店に平日の昼間に行ってみよう!ほぼ10

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子どもがいるということ

子どもがいるということ

子どもというのはつくづくコントロール不能である。親がしつけという名の下にコントロールしようとするけれど、面白いぐらい裏切ってくれる。私たちは少しばかり、子どもを思い通りにしようと思い過ぎていたのかもしれない。予測不能なことをしでかしてくれる子どもがいることによって、親は何度も何度も打ちのめされる。そしてコントロール不能であることを察する。家庭によって、何がダメであるか違うけれど、ある程度大人の力に

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ある休日・・・《2021.10.28》

ある休日・・・《2021.10.28》

昨日も夜更かししてしまった私は、今日も予定時刻ギリギリに起きて、すぐに準備する。妻が駅まで送ってくれるというので、送ってもらい、朝食の代わりにと妻とミスタードーナツをキメる。

久しぶりの地下鉄に乗る。イヤホンを忘れてしまったが、移動中は読書。岩田慶治の道元を読みながらの移動。なんとも贅沢だ。

約束していた友人と合流して、コロナ禍でずっと出来なかった昼飲みを決行。予約していた中華レストランで食べ

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グレン・グールドへ愛を込めて

グレン・グールドへ愛を込めて

恥ずかしながら小さい頃からクラシックに触れてきた。母は元音楽教師で小さい頃からバイオリンを習わされていた。祖父もベートーヴェンが大好きで、交響曲をよく聴いた。普通の家庭よりはクラシックというものに触れることも多かった。それなのに、40になるまでグレン・グールドを知らなかった。

グレン・グールドの素晴らしいアルバムに触れて、「なんじゃこりゃぁ!!」と感動した。心が動かされた。普通の弾き方と明らかに

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街の銭湯に行く

街の銭湯に行く

温泉や銭湯に行くのが好きなわたし。
久しぶりに街の銭湯に足を運んだ。

それは私の住んでいる街から20分くらいの古びた住宅街の一角にある昔ながらの銭湯。銭湯の前は、古い長屋が連なっている。今のスーパー銭湯とは趣が違う、番台があって、男湯と女湯とそんなに大きくないけれど、使い勝手の良い銭湯。スーパー銭湯ではありえないような、熱い熱いお湯が魅力的だ。最近のスーパー銭湯は、その膨大な広さの風呂すべてにお

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