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インターンへの言葉を踏まえて目指す未来を再確認してみる

双子の兄・副代表の文登です。
早速ですが、去年のインターンに採用された仲間たちにヘラルボニーのslackに招待した際に、本心を綴った言葉です。

ヘラルボニーのインターンの応募と面談をありがとうございます!今、slackにいるということはヘラルボニーの仲間に加わったということです。

最初から厳しいことをお伝えしてしまうと、ヘラルボニーは外部資本も入っているスタートアップです。急成長を目指す上で、すべてを手取り、足取り、丁寧に教えてもらえる環境ではありません。だからこそ、多くのことを自ら主体的に聞いて、感じて、動いて、貪欲に吸収してください。

皆さんに何を伝えようかと考えながら先程、自宅の近くを散歩していたところ、ある〇〇メーカーを通り過ぎて、ふと、こんなことを思い出しました。

僕が社会人2年目にゼネコンで営業をしていた頃まで話は遡ります。勤めながらライフワークの一貫として、仕事の合間を縫ってヘラルボニーの前身であるMUKUの活動を双子の崇弥と推進していました。岩手県で有名な〇〇メーカーとコラボを僕はどうしても実現したくて、そのメーカーに長文のメールを送りました。勿論、メールは返ってきませんでしたが、諦めきれずに電話をして、企画書を送り、やっとの思いでアポを取り付けました。後日、意気揚々と打合せに向かうと「忙しいので10分でお願いします」と第一声に言われました。僕は知的障害のあるアーティストのアート作品を〇〇に使えないかと伝えたときに、「無料なら考えます」との返答でした。完全に舐められて、下に見られてるなと、唇を噛みしめたこのときの感情を今でも強く覚えています。

最初にネクタイを製造したいと決めたときは、会社でもなく、実績もなく、どの企業にも相手にしてもらえず、製造先も見つかりませんでした。そんなときに絶対にこの会社とやりたい!という「銀座田屋」という老舗ネクタイ会社を見つけました。今までのように連絡しても無理なことは分かっていたので、アポなしで山形県米沢市の職人の工場まで足を運び、自分の想いを伝えました。そこから共感をしてもらって、打合せを重ねてネクタイを製造できることになりました。

有難いことにヘラルボニーという会社がメディアで取り上げられ、大企業とのコラボが実現されて、「ヘラルボニー」というラベルが少しずつ大きくなるにつれてアポが取れて、打合せの時間は延びていき、話を聞いてくれる大人も多くなりました。一番大事なのは会社の後ろ盾が全くない状態のときに自分という人間が全く相手にされなかったとしても、自分の目指す道を信じて、試行錯誤をしながら続けていく力があるかどうかです。

ヘラルボニーは今、急成長というフィールドに入っています。自ら学び、自ら発信して、主体的に行動してください。そして他人のためではなく、第一に自分のために過ごしてください。それが最終的に必ず人のためになります。

僕らは「障がい者支援」という福祉的な視点ではなく、知的な障がいのある人が描く「アート」を、世の中に提案し、ざまざまな「異彩」をさまざまな形で送り届け、福祉を起点に新たな文化を作り出していきます。共に「障害」の価値を揺らがせる、密度の濃い時間を過ごしましょう!

こんな本心から綴った熱い言葉を送っていましたが、これは5年も前の話になります。所感ですが、5年で社会側の意識や価値は大幅に変革しています。

会社を立ち上げた当初は企業側がCSR、SDGs的視点での商談がほぼ100%だったのです。今ではアート的視点で採用したいとの打合せが圧倒的に増えています。

5年後の社会を想像してみてください。

本気で「障害」の概念や意識は変わっているかもしれません。

福祉は儲けてはいけないという概念も破壊されているかもしれません。

障害のある人のアートが社会貢献や支援的目線ではなく、アート的目線に社会側の思考を変換しているかもしれません。

私たちはアートの価値をあげる会社ではなく、アーティストの人生を紐解いていって、個人という存在が伝わることで「障害者」として生きるのではなく、一人の人間としての存在が肯定される、そんな会社でありたいのです。

「障害者」が最初ではなく「〇〇さん」が最初に来る社会にしたいのです。

先日、福祉のイメージとは離れた見出しのインタビュー記事が出ました。
"障害のある人によるアートで年商1 億"

このタイトルも5年後には自然な形になるはずなのです。
と強いタイトルですが、私たちの手腕でも何でもありません。

福祉施設から放たれる作品そのものが「最高」であり、私たちは「最高」なまま社会に届けているだけなのです。

僕らはアートというフィルターを通じて、社会側の意識を変えることにチャレンジします。社会側の意識を変えたあとは「障害のある当事者の生き方を変えていく」そんな障害福祉のインフラ的、存在になっていきたい。

障害のある人の幸せを追求し続ける、そんな場所を作りたいのです。
長期的ビジョンで例えばですが「HOTEL HERALBONY」です。

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双子の兄・松田翔太。彼は全く挨拶ができません。 あいさつが全くできないホテルマンとして勤務する。ここで兄を配置してみました!笑

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一般的なホテルでは、あいさつができないホテルマンなどあり得ないが、「HOTEL HERALBONY」では、先に挨拶ができないことを伝達していることで、エンタメに変わる。極論ですが、そんな場所です。笑

私たちが新しい思想を提案することで、それによって障害のある当事者の幸せの総数が増えていく、そんなヘラルボニーでありたいです。

そんなヘラルボニーは現在、インターンを募集しています。


募集をするのは、ヘラルボニーミッション・バリューに共鳴してくれた方。

そして、「福祉」という領域を、「社会貢献」というフィルターではなく、「ビジネス」として捉え「福祉領域を、拡張させる」という推進力を持つ方を求めています。

実は有難いことに、多くの方からインターン希望が来ております。
3月15日までお待ちしております。


最後にヘラルボニーをこれからもどうぞよろしくお願いいたします。双子で大学時代に釣りに行ったときの写真で〆ます。

松田文登

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