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書くために聴かなくなった私は、いつのまにか書けなくなっていた。

ここ数年で、私はぱたっと音楽を聴かなくなった。厳密にいうと2021年の夏あたりから。
私はnoteを始めて文章を書くようになってから、音楽からだいぶ離れた生活をするようになってしまったのだ。


それまで、私の生活にはいつも音楽が周りにあった。家でテレビをつけずに音楽を流しながら過ごすことも多かったし、出勤や電車での移動時、外を歩く時はいつも大抵音楽を聴いていた。

「このジャンルが好きで大体それを聴く」とか「このアーティストの大ファンでこれを聴くのが日課」というよりは、今日は朝からやる気を出すためにノリノリのロックを聴こうとか、暑くなってきたから夏っぽいレゲェでも聴こうかなとか。
夜風が気持ちいいほろ酔いの帰り道には心地のよいシティポップを聴きたくなったり、ふとお店や街中で耳にした曲を調べて、そのアーティストのアルバムをひとしきり聴いたり、その日の天気や温度、心持ちや偶然の出会いで色々な音楽を聴くことが多い。


しかし、そんな私の生活は文章を書くようになってからがらりと変わった。
最初は習慣になっていたのでいつものように音楽を流しながら書いていたのだが、そのうち書きたいことが思い浮かんだ時やそれをメモしている時、音が耳障りに感じるようになってきた。

日本語の曲を聴いていると歌詞に頭が持ってかれてしまったり、かっこいいベースラインなんかについ耳をさらわれていると「あれ?このあとどういう流れを書こうとしてたんだっけ」なんて文章を考えていた頭がどこかに飛んでいってしまって手が止まる。

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