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スティーブ・マックイーンの代表作 ~「大脱走」(アメリカ映画)🇺🇸

音楽があまりにも有名すぎて、それだけが一人歩きしてしまう・・そんな映画音楽ってありますよね。

『明日に向かって撃て 』の「rain drops keep fallin' on my head」もそうですし、『第3の男 』なんてエビスビールですからね。

さて、内容ですが、きな臭い世相がとても色濃く感じられます。

どの戦争でもそうなんでしょうけど、とくにこの時代は、人権に対する意識が希薄だったんでしょう。

脱走したことは、収容所側から見るとたしかに罪ではあるのでしょうが、再びつかまえた50人を一方的に虐殺するって言うのはいかがなものでしょうか。

この映画では、脱走シーンよりも、きっと、、、

この部分を伝えたかったんだと思います。

あの時代、歴史の影にはこのように命を落としたものがいるということを。

スティーブ・マックイーンの溌剌さと、どこか希望を感じさせるまなざし。

そして、そこに流れる音楽。

この二つの要素が加わっただけで、映画はがらりと様相を変えています。

悲壮感よりも、痛快な脱走劇へと変わっています。

だからこそ、子供から大人にいたるまで絶大なる支持を今だに得ているんでしょう。

この映画の音楽が、ゴッドファーザーみたいな悲壮感漂うものではだめです。『第3の男 』や、『明日に向かって撃て 』のような軽やかなテーマがぴったりくると思います。

スティーブ・マックイーンがバイクでフェンスを越えるシーンはいつ見ても爽快です。暗い世相に、風穴をあけるような、そんな気持ちをこめたのかも知れません。


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