マガジンのカバー画像

いろんな空

62
過去の投稿をまとめています。 全部自分で撮った空です。
運営しているクリエイター

記事一覧

あなたへの愛とさよならを伝えよう

あなたへの愛とさよならを伝えよう

例えていうなら?

そうだな
冬の日の銭湯かな

ちょっと寒い日でも、
木枯らしがぴゅうぴゅう吹く日でも
そこに行けば温まれる場所

雪なんか降った日には
喜んで浸かりに行ってしまうよね

行くまでの寒い道のりを越えてでも
ぬくもりを求めて足は動くし
そして帰り道には温まった心と身体で帰路を踏む

ありがとう

疲れも、悩みも
気付けばなくなっていたのはあなたのおかげ

ありがとう

あなたがいる

もっとみる
浮かぶ

浮かぶ

ぷかぷかと
ふわふわと

浮かぶ これ はなんだろう
あなた?わたし?
わたしたち?

どこからみてるんだろう?
外から?うちから?

わからない
ただただ、浮かんでいる

それはなにかの上かもしれないし
なにかに包まれているかもしれない

反するようで
くっついていて

寂しいようで
包まれているようで

浮かんでいることは
幸せなのかもしれない

はじめての光かもしれないし
待ち望んだ空気かも

もっとみる
よわくてつよい

よわくてつよい

あなたはつよいね

弱さを知って、隠さず、驕らず、
ありのままでいようとする

つよいひとは、よわさを見せないひとではなく
よわさを抱きしめることができるひと

だからわたしはまだまだよわくて
よわい自分から目を背けてしまう

でも、わたしのたくさんの部分は
あなたたちでできるから
少しずつつよくなれてるんだ

よわい自分でもいいと思えてるんだ

ただ、まだ少し、時間が必要みたい

さまよい続ける

もっとみる
めがね

めがね

視力が、すこしわるい

日常生活にはそこまで支障がなくて
道ですれ違う知り合いに
近づかないとわからないくらい

コンタクトは苦手だし
眼鏡は曇るからあんまりしないんだけど

そのくらいでみえる世界が
あんがい好きだったりする

細部は見えないし、表情もみえない
そのくらいの世界が
わたしにはちょうどよかったりする

場の空気、という言葉が
いまほど当たり前に使われていないころから
その場の空気に

もっとみる
空のありがたみ

空のありがたみ

ビルの隙間にのぞく空だったり

コンクリートの狭間に咲く花だったり

ふとした命を感じること、その瞬間は

それがありふれた地元よりも

今のほうが増えた気がする

ないからこそ、気づくんだろうな

きっと、いま気づけていないものがたくさんある

だからもっと、知りたい
そこにあることを
どこかにいることを

そのほうが
今にもっとありがたみを感じられるから

踏みこむことで壊れるのが怖いと思って

もっとみる
笑顔の葬式

笑顔の葬式

それは、とっても笑顔にあふれていた場だった

.

大学3年生の秋、父方の祖父が亡くなった。

がんを患っていたおじいちゃんは、転移が進み蝕まれていた身体の悲鳴を一切孫に悟らせることなく、弱い姿をほぼ見せないまま、あの世へ旅立っていった。

命日となったあの日も、わたしは部活の練習後で、
おじいちゃんの容態が悪いから帰ってくるように連絡を受けながらも、次の日の練習のことを考えながら片道2時間弱の地

もっとみる
その道の先の空が

その道の先の空が

すごくきれいなことはわかってるんだ
すてきだねって微笑むあなたがいることも

すらっとした輪郭と
無邪気な目尻と
クリアに思い浮かぶ、あなたの笑顔

ただその空を見てしまったとき
わたしたちはお別れの挨拶をしなきゃいけない

そんな気もするんだ

次の道を曲がった先には
それはもうきれいな空がひろがっていて

わたしはその道を進むあなたを見ていたいから
路地裏に佇んでしまうのかもしれない

その風

もっとみる
うごく、うごかす

うごく、うごかす

ここ数日、「滞留」をしていたように思う

それは静止とはまた別で
うごいてはいるが、とどまり続けている
そんな日々だったように思う

理由はいくつかある

大好きな場所の余韻を
噛みしめていたかったのかもしれないし

離れていくあなたを
まだ感じていたいからなのかもしれない

そんな滞留のなかで、
静止することはとてもこわいことで
しずみゆく恐怖をもとに生きている

でもそれはもしかすると
袋小路

もっとみる

与えられるものこそ 与えられたもの
ありがとうって胸を張ろう
待ってるからさ もう帰ろう
去り際のときに 何が持っていけるの
ひとつひとつ 荷物手放そう 
憎み合いの先に 何が生まれるの
わたしがさきに 忘れよう
- kaze fujii

絵を描いた話

絵を描いた話

このまえ、絵を描いた

元から表現すること自体が苦手だった

表現した先に
現れるものは自分じゃないという葛藤
これじゃないということだけがはっきりとわかる

そもそも現すスキルも持っていなかったし
絵も、音楽も、無縁な人生を送ってきた

唯一昔から好きだったことばだけは
少しはできると思っていたけど
表現としてのことばになると
わかりやすく伝わりやすい、
だれかの、広い世界のことばに変わっていっ

もっとみる
空を見上げさせるのは誰?

空を見上げさせるのは誰?

涙がこぼれないよう視線をあげたときに
目に入る夕暮れの空も

あなたをまっすぐに見つめられなくて
被りをふったときに気づいた足もとの命も

たまたま、目に入ったものかもしれない
たまたま、視界が変わったのかもしれない

それでももう一度その景色を見つめるか
その景色に飛び込むかは

自分自身でしかない

そんなたまたまを、必然と呼ぶか、偶然と呼ぶか

輝かしい未来は
わくわくする現実は
人を盲目に

もっとみる
その空の青さを僕は知らない

その空の青さを僕は知らない

生まれつき色の識別が弱い
だから僕は、あなたが綺麗と感じるその色を知らない

僕が思うこの色は
あなたが見ている色とは違う

でも、そこにあることは知っているんだ
あなたが綺麗と呟く
空が、木々が、そこにあることを

あなたという存在が
いるよ、て言ってくれているだけで
その存在を感じるだけで、僕は充分なんだ

あなたの口からでるその言葉が
その感覚が、僕にとっての色なんだよ

だから、安心して目

もっとみる
ほんとはね

ほんとはね

パーティなんてきらいなんだ

楽しければ楽しいほど
しあわせならしあわせなほど

終わったあとが悲しくなるから

そのたのしさを、しあわせを
知ってしまったぼくはどうしたらいいんだろうな

終わってしまうものなら、はじめなければいい
ほんとにそうなのかな

いつか終わる

いつかこの場は、はじまる前の静けさにもどる
最初からなにもなかった
ただその場所にもどるだけ

それでもぼくは、パーティにいく

もっとみる
両手いっぱいの花束を放り投げて

両手いっぱいの花束を放り投げて

誰かひとりを守るために

誰かひとり
もしくはそれ以上を傷つけてしまうとき
そしてそのどちらも大切なとき

わたしは誰を守れるのだろう

「傷つける覚悟」とあなたはいった

「責任」とあなたはいった

優しい嘘ってなんだろう
必要な犠牲ってなんだろう

多くを求めるな、と誰かはいうし
そんなのエゴだ、と誰かはいう

だからわたしは、
わたしのために、あなたを守るよ
わたしのために、誰かを傷つけるよ

もっとみる