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大学改革

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#立命館大学

全学とキャンパス、複数ブランド化で相乗効果をねらう。立命館の新拠点誕生に見る重層的なアプローチ

全学とキャンパス、複数ブランド化で相乗効果をねらう。立命館の新拠点誕生に見る重層的なアプローチ

大学のブランディング活動を、ものすごく平たく言ってしまうと、その大学がこれまで積み重ねてきたことと、これからやろうとすることを、ターゲットに最も伝わる表現で伝え、浸透させていく営みのように思います。今回、見つけた立命館大学の取り組みは、まさにこれに当たるのですが、他とはちょっと違うんですね。こういった重層的な手法をとれると、より深く、説得力のあるかたちで、社会に大学の価値を伝えられるのかもしれませ

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大学は学び場から、目的を見つけ備える場に変わる?立命館のイベントで感じた、これからの大学がめざす姿。

大学は学び場から、目的を見つけ備える場に変わる?立命館のイベントで感じた、これからの大学がめざす姿。

大学広報というのは、言ってしまえば大学が何をめざしていて、何をやっているのかを伝える活動なわけで、私立大学の場合その根っこにあるのは教育活動になります。そのため、大学関係者とあれこれ話していると、教育は今後どうなっていくのか、という話になることがよくあります。つい最近、縁があって立命館のイベントに参加したのですが、教育の今後を考えるいいきっかけになりました。今回はこれについて取り上げたいと思います

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プラスどころかマイナスになる?立命館の支援制度が伝える、インナーコミュニケーションに足りていない大事な視点

プラスどころかマイナスになる?立命館の支援制度が伝える、インナーコミュニケーションに足りていない大事な視点

社会の先行きが読めなくなり、また変化が早く激しくなってきたことで、自分たちのやるべきこと、やりたいことを見つめ直すことの大切さ、みたいなものが以前に増して重要視されるようになってきた印象があります。大学もインナーブランディングやインナーコミュニケーションの促進に本腰を入れて取り組むところが増えています。私もこういったプロジェクトにいくつか関わらせてもらっているのですが、今回、見つけた立命館大学の取

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スマホ持ち込みOK!タブーに切り込む産業能率大の新たな入試方式が問いかける、これからの入試の役割。

スマホ持ち込みOK!タブーに切り込む産業能率大の新たな入試方式が問いかける、これからの入試の役割。

今年度の大学入試というとコロナ対策をどうするのかがよく話題にあがっていますが、今回、取り上げるのは、それとはまったく関係のない入試関連のトピックになります。産業能率大学が全国初となるスマホやタブレットを持ち込んでOKという、新たな入試をはじめるそうなのです。とうとうここまできたのか、と思う反面、いやいやいいのかとも思ってしまうこの入試について、今回は取り上げたいと思います。

スマホが持ち込める入

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立命館大学新聞社の学生調査から考える。インパクトのある情報によって議論が単純化することの怖さと難しさ。

立命館大学新聞社の学生調査から考える。インパクトのある情報によって議論が単純化することの怖さと難しさ。

先日、立命館大学新聞社の学生調査で、4人に1人が休学を視野に入れているという調査結果が発表され、ニュースで大きく取り上げられました。1大学のみの調査なうえ、有効回答数も1,414件と少ないので、大学生全体の声とはいえませんが、それでも衝撃的な結果であることには違いありません。

この立命館の調査の続報で、秋学期に希望する授業形態を問う質問項目の回答状況が紹介されました。こちらの調査結果では、「WE

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