『資本論』第1章のDialektik
第1章 商品 「商品」というものは、何も不思議のないもののように思える。我々は、労働によって「商品」を生産する。また、貨幣によって「商品」を取得し、それを消費する。これ以上の説明が必要だろうか。
それは至極当然の感覚である。けれども、マルクスは、どうしても「商品」の分析から『資本論』を始める必要があった。なぜなら、人々が自明視している「商品」こそが、資本制社会における〈物神〉の原始形態であり、より高次の〈物神〉である「貨幣」や「資本」を成立させる基底だからである。資本の自