とにかく体重を落としたい人のためのダイエット完全マニュアル


0.注意書き

このnoteは、あくまで手段を選ばずに体重の数値を下げることを目的として書かれたものである。

・リバウンド問題

ダイエットとは本来、食生活の改善であり、生活習慣の改善であり、人生の改善だ。
一時的に体重が下がっても、習慣が変わらない限りは永遠にリバウンドし続けるだろう。

・減量スピード問題

一気に体重を落とすことは内臓やその他の健康を害する可能性もある。
健康を害さないペースは、月に体重の2-3%程度とされている。

・目標設定問題

体重を目的、目標にすることに対しても懐疑的だ。
体重はあくまで一つの指標であり、本来は体脂肪の減少や見た目の改善が最終目標になるべきである。

しかし人にはいろいろな事情があるものだ。
階級制の競技があったり、結婚式が間近に控えていたり、友人とダイエットコンテストをしていたり。

なので今回は難しいことはできるだけ考えず、体重計の数値を減らすことのみを目指す方法論を説明していく。


1.自分の消費カロリーを知る

体重は基本的に消費カロリーと摂取カロリーの差で増減する。

なのでまず最初にやるべきは一日の消費カロリーの計算になる。
これもいろいろな方法があるが、一番カンタンな方法は下の計算式だ。

体重(kg) x 24 x 生活強度

生活強度は以下のように定義する。
1.3…デスクワーク
1.5…立ち仕事やジム通いなどの軽い運動
1.7…肉体労働や毎日の運動

例えば70kgで生活強度が低い人は
70 x 24 x 1.3 = 2184kcal
が一日の消費カロリーになる。

2.目標を決める

次に決めるべきなのは目標だ。

・いつまでに体重を減らすのか
・どれくらい体重を減らすのか
を決めよう。

例えば2ヶ月後までに5kg痩せる場合を考えてみる。

体脂肪は1kgあたり約7,000kcalなので、
5kg x 7,000kcal = 35,000kcal

これを2ヶ月で消費するためには、
35,000kcal / 60日 ≒ 583kcal

つまり、一日あたり600kcal弱のマイナスを積み上げていけばいいということになる。

3.摂取カロリーを決める

今までの話をまとめると、70kgの人が2ヶ月後までに5kg痩せる場合、

消費カロリーが2,184kcalで、583kcal弱のマイナスを作ればいいのだから、一日の摂取カロリーは
2,184kcal - 583kcal = 1,601kcal
となる。

摂取カロリーはアプリで管理するのがおすすめ。


3-1.カロリー=PFC

そもそもカロリーがなにからできているかというと、
P=タンパク質 1gあたり4kcal
F=脂質 1gあたり9kcal
C=炭水化物 1gあたり4kcal

となっている。

つまり、タンパク質と脂質と炭水化物のどれかを減らすのがダイエットということになる。
しかしタンパク質はいろいろな理由で減らさないほうがいいため、実質的には脂質と炭水化物のどちらを減らすかという選択肢になる。

3-2.ローファットダイエット

ローファットダイエットとは、fatつまり脂質を減らすダイエットだ。
脂質は1gあたりのカロリーが多いため、効果が高い。

タンパク質:脂質:炭水化物のカロリー比率(グラム比率ではないことに注意!)を
3:2:5くらいにするのがいいだろう。

1,600kcalであれば
タンパク質 120g
脂質 36g
炭水化物 200g

となる。

ローファットダイエットで食べるべき食材(炭水化物)
・米
・パスタ
・そば
・和菓子

ローファットダイエットで食べるべき食材(タンパク質)
・鶏むね肉
・ヒレ肉
・タラなどの白身魚
・貝類、甲殻類
・卵

ローファットダイエットで避けるべき食材(脂質)
・赤身肉
・サバなどの魚
・ラーメン
・中華料理
・洋菓子

3-3.ローカーボダイエット(ケトジェニックダイエット)

ローカーボダイエットとは、carbつまり炭水化物を減らすダイエットだ。

ケトジェニックの状態を維持するためには、毎日の糖質量を50g以下に抑え続けることになる。
体質にもよるが、ケトジェニックダイエット中に糖質を一度でもたくさん摂ってしまうとケトーシス状態でなくなってしまい、ダイエット効率が非常に悪くなる。

即効性は高いが、お金がかかるのと上記の理由であまりおすすめはできない
しかしきちんとやれば確実に体重は落ちてくれる。
特に体脂肪量が多い人は、エネルギー源となる脂肪が多いので効果的な場合もある。

タンパク質:脂質:炭水化物のカロリー比率(グラム比率ではないことに注意!)を
3:6:1くらいにするのがいいだろう。

1,600kcalであれば
タンパク質 120g
脂質 107g
炭水化物 40g

となる。

ローカーボダイエットで食べるべき食材(脂質)
・オリーブオイル
・MCTオイル
・アボカド
・ナッツ類

ローカーボダイエットで食べるべき食材(タンパク質)
・赤身肉
・鮭やサバなどの魚
・卵

ローカーボダイエットで避けるべき食材(炭水化物)
・米
・パン
・麺類
・お菓子、スイーツ

4.食事以外で気をつけるべきこと

4-1.筋トレと有酸素運動、どっちがいいの?

短期的効果を得たいなら有酸素運動をするべき。
有酸素は、やればやっただけカロリーが消費されるからだ。

逆に筋トレはやればやっただけ筋肉がつく。
筋肉がつくのは代謝が上がるので良いことなのだが、筋肉自体の重みがあるのと、代謝が上がることの恩恵は時間をかけてじっくりしか受けることができない。

筋肉が1kgつくと一日に50kcalくらいの基礎代謝が上がるので長期的な効果は高いが、筋肉を1kgつけるのには最低でも数ヶ月はかかる。
もちろん筋トレの運動自体で消費されるカロリーもあるが、そこを期待するなら有酸素のほうが効率がいいかもしれない。

カロリーを50kcal消費したい場合、体重70kgの人が必要なランニング時間は、およそ以下のようになる。
・時速6km(10分/km)のペースで走る場合…約12-13分
・時速8km(7.5分/km)のペースで走る場合…約10-11分

長期的に代謝を上げたい場合は筋トレのほうがいいが、
短期間で体重を落としたい場合、ランニングをやるべきといえる。

4-2.睡眠をしっかり取ろう

睡眠は最低でも7時間、できれば8時間は取りたい。

睡眠不足が続くと、ストレスホルモンの分泌が高まり、食欲の亢進や代謝の低下につながる。
ストレスが過食につながってしまったら元も子もない。

また、身体の回復にも睡眠は欠かせない。運動するのであれば、休養としてしっかりと睡眠をとることで筋肉の回復が促進される。

4-3.意外と大事な水分摂取

また忘れがちなのが水分摂取。

1日2リットル程度の水分を摂取することを目安にしよう。
お茶やスープ、味噌汁なども水分としてカウントしていい。
水分を十分に取ることで、意外と満腹感も得ることができる。

ただし、糖分の多いジュースは避けよう。
人工甘味料であればOKだが、小さい妥協が気の緩みに繋がるのでそこだけ注意。

水分が不足すると、代謝の低下や便秘、むくみなど、さまざまな症状が現れる可能性がある。
また筋肉の合成や体脂肪の分解など、いろいろな代謝に体内の水が使われる

5.直前に追い込むためのテクニック

体脂肪を減らすのではなく、体重を落とすのあれば小手先のテクニックを使うこともできる。

ただし体脂肪自体が減るのではないので、検量の数日前に一回こっきり使うことができるラストエリクサーのようなものだと思ってほしい。
また効果には限度があること、一時的なこと、健康を害する可能性があることにも注意してほしい。

5-1.水抜き

検量時の体重を一時的下げるために、体内の水分を抜く。
これが水抜きである。

検量5日前から3日前にかけて、大量の水を飲む。
これをウォーターローディングという。
一日6-8リットルくらいが望ましい。
そのとき、塩分はいつも通りにして多く摂りすぎないようにしよう。

そうすると一時的に体重は増えるが、身体から水分を放出する能力が高まる

そこから検量2日前から1日前にかけて水分をほとんど摂らないようにする。
具体的には一日1リットル弱くらい。
そうすると、水分を放出する能力が高いままで水分摂取が減るので、身体から水分がどんどん抜けていく。

水分の放出を促進するカリウム(さつまいも等によく含まれる)や、ガムによる唾液放出やサウナを併用すると効果が高まるだろう。

ウォーターローディングの期間や量にもよるが、この方法でだいたい体重の3%程度は減らすことができる。

5-2.カーボディプリート

人間の身体にはグリコーゲンという形で炭水化物を蓄える機能がある。
そしてグリコーゲン1gに対して約3-4g の水が結合している。

体重70kgの人の場合、身体に蓄えられているグリコーゲンの量は概ね以下のようになる。
筋グリコーゲン: 約400-500g
肝グリコーゲン: 約100g
合計: 約500-600g

つまり、体内に蓄えられている500gのグリコーゲンを枯渇させることで、グリコーゲン500gに加えて1,500gの水、つまり体重を2kg程度減らすことができる計算になる。

この量であれば、2-3日炭水化物を食べなければ体内のグリコーゲンを枯渇させることができるだろう。

6.減量の失敗パターン

最後に典型的な減量の失敗パターンを紹介する。

6-1.キレ食い

ストイックすぎるあまり、我慢の限界を超えてしまい、ジャンクフードやお菓子を大量に食べてしまうパターン。
たいていの人がこれを一回やると心が折れてしまい、ダイエットの諦めに繋がってしまう。

ダイエットを続けていく上で、時折の小さな"解放"は必要不可欠。
無理のない範囲でチートミールを取り入れたり、最初から頑張りすぎないようにしよう。

個人的にはチートデーは必要ないと思っている。
その代わりにチートミールとして、一週間に7日 x 3回 = 21回ある食事のうち、1回か2回くらいであれば好きなものを食べてもいいのではないだろうか。

6-2.マンネリ

正直一番ラクなのは毎日同じものを食べること。
ご飯500グラム、鶏むね肉500グラムを「一日の食事」として決めて分割して食べれば大きな失敗はしないだろう。

しかし同じ献立を続けていると、飽きてしまい続けられなくなることもある。
塩を醤油にしたりポン酢にしたりするなどして味変し、バリエーションを持たせることが大切だ。

6-3.食べなさすぎ

ダイエットを極端に続けると、かえって代謝の低下を招く可能性がある。
あまりに食事量が少ないと身体が節約モードに入ってしまい、消費カロリーが落ちる
だから本来は、無理のない期間設定で少しずつ減量していくことが大切になる。

先ほど紹介したチートミールも効果的だが、
・一日のトータルカロリーは変えず、炭水化物の量を一時的に減らして脂質の量を増やす
・一週間のトータルカロリーは変えず、高炭水化物の日と低炭水化物の日をつくる

などの工夫もできる。


■おわりに

このnoteは、筋トレを始めたばかりで、しっかり身体のことについて勉強したい人をターゲットに、健康的な生き方に関する情報を論理的に発信しています。

過去にもいろいろな記事を投稿しているので、もし気になったら読んでみてください。
また、記事にしてほしいトピックのリクエストもコメント欄から募集中です。

筋トレについてそこそこ詳しい方や、実際にトレーナーとして活動されている方にとっても、「こんな考え方、こんな表現があったんだ!」という発見になってくれれば幸いです。

この記事が参加している募集

新生活をたのしく

記事が気に入ったり役に立ったと思ったらサポートお願いします!新しい書籍やサプリメント購入費にして、皆さんに情報として還元できるように頑張ります。