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四字熟語を考える―3

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#人生観

「大樹美草」を考える

たいじゅびそう
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素晴らしい人物が上にいると、下のものは上に行くことができずに、立派な人物に育たないということ。
大きな木の下は、日の光が遮られて影になるために、美しい植物は生えないという意味から。
「大樹の下に美草無し」を略した言葉。
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「大」 ①形や規模がおおきい。
②数や量が多い。

「樹」 ①立っている木。立ち木。

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「烏白馬角」を考える

うはくばかく
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絶対にあるはずがないこと。
「烏白」は頭の色が白い鳥。
「馬角」は角の生えている馬のことで、そのような動物は存在しないということから。
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「烏」 ①鳥の名。からす。
②くろい。

「白」 ①太陽の光線を全部反射する時の色。しろ。しろい。
②日が照ってあかるい。光りかがやく。

「馬」 ①体が大ぶりで、長い顔

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「区聞陬見」を考える

くぶんすうけん
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学問や知識の幅が狭くて偏っていること。
「区」は細かい、小さいという意味。
「陬」は偏っていること。
自分の知識を謙遜する場合に使うこともある。
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「区」 ①しきりをする。さかい。くぎり。
②大都市の市域に設けられる区画単位。

「聞」 ①声や音が耳にはいる。きこえる。きく。ききしる。
②きくところ。きこ

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「察言観色 」を考える

さつげんかんしき
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人の言葉や表情、顔の様子から相手の性格や考え方を見抜くこと。
「色」は表情や顔つきのことで、人の表情や顔つき、言葉を観察するという意味から。「言(げん)を察して色(いろ)を観る」とも読む。
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「察」 ①物事にくわしく通じて、あきらかになる。くわしく知る。よく見て、しらべる。
②おしはかる。思いやる。

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「孟浪咄嗟」を考える

もうろうとっさ
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いい加減な処置をとること。
「孟浪」はいい加減で大雑把なこと。
「咄嗟」は急なこと。
対処を考えずに、適当にその場で済ませることをいう。
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「孟」 ①はじめて生まれた子。長子。
②すべての物のかしら。おさ。はじめ。

「浪」 ①大きななみ。
②水の流れるさま。さまようさま。一定のよりどころがない。

「咄

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「推陳出新」を考える

すいちんしゅっしん
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古いものを処分して、新しいものを生み出すこと。または、古いものを取り入れて、新しいものをつくること。
「推」は押しのけるや推測すること。
「陳」は古いものという意味。
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「推」 ①後ろから力を加え、物事を更に前方へやる。おす。あとおし。
②おしてみて考える。おしはかる。

「陳」 ①列をなしてなら

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「腰纏万金」を考える

ようてんばんきん
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たくさんのお金を持っていること。
または、中に隙間がないほどに財布の中身が詰まっていること。
「腰纏」は腰に巻きつけて使う帯状の袋で、お金や大切なものを入れるためのもの。
「万金」はたくさんのお金のこと。
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「腰」 ①人・動物の胴のくびれた部分(から尻(しり)の辺まで)。
②腰⑴の力。持ちこたえる力。粘

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「気息奄奄 」を考える

きそくえんえん
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どうにか呼吸ができているような、今にも死んでしまいそうな様子のこと
または、国の組織などが今にも滅びてしまいそうな弱々しい状態のこと。
「気息」は呼吸のこと。
「奄奄」は呼吸が止まってしまいそうな弱々しい状態のこと。
「気息奄々」とも書く。
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「気」 ①心の動き・状態・働きを総合して捉えたもの。精神。

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「陵谷遷貿 」を考える

りょうこくせんぼう
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世の中が非常に激しく変化して、今までとは全く別のものになることのたとえ。
「遷貿 」は時間と共に様変わりしていくこと。
大きな丘が削られて深い谷になったり、深い谷が石などに埋め立てられて大きな丘になったりするような大きな変化という意味から。
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「陵」 ①天子の墓。みささぎ。
②大きなおか。

「谷」

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「洞見癥結 」を考える

どうけんちょうけつ
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見つけにくい問題や事柄を見抜くこと。
「洞見」は見通すや見抜くという意味。
「癥結」は腹の内部にできたしこりのことで、表面から見えない問題のたとえ。
中国の戦国時代の鄭の国の医者の扁鵲は、長桑君という人からもらった薬を飲むと壁の向こうを見通せるようになり、病人を見ると体内のしこりを全て見抜くことができたという故事から。
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「巍然屹立」を考える

ぎぜんきつりつ
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人並みはずれてすぐれている人のこと。
または、山や建物が一際高く立っていること。
「巍然」は山がとても大きく高い様子。
「屹立」は一際高く立っていること。
「巍然(ぎぜん)として屹立(きつりつ)す」とも読む。
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「巍」 たかい。山が高くて大きいさま。抜きんでているさま。

「然」 ①そのとおり。そのまま。

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「悔悟慙羞」を考える

かいござんしゅう
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過去の過ちに気付き、後悔すること。
「悔悟」は後悔して過ちに気付くこと。
「慙羞」は恥じること。
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「悔」 ①自分が悪かったことに気づいて苦しい思いをする。くい改める。
②わが国で「悔やむ」「悔やみ」として、人の死をいたむ意にも使う。

「悟」 ①是非がはっきり判断できる。迷いがなくなる。またその力。

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「因果覿面」を考える

いんがてきめん
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悪いことをした報いがすぐにあらわれること。
「覿面」は目の前で見るという意味から、すぐに結果が出ること。
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「因」 ①もとづく。したがう。
②事の起こるもと。

「果」 ①木の実。くだもの。
②原因・因縁によって生ずるもの。

「覿」 ①みる。あう。まみえる。
②しめす。見せる。

「面」 ①顔。人の

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「唖然失笑」を考える

あぜんしっしょう
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突然の出来事に驚いて、思わず笑ってしまうこと。
「唖然」は予想外の出来事で驚いて呆れること。
「失笑」は無意識に笑ってしまうこと。
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「唖」 ①言葉の不自由な人。
②ああ。驚いて上げる声。また、カラスの鳴く声。
③わらう。笑い声。

「然」 ①そのとおり。そのまま。
②形容の語をつくる助字。状態を表す語

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