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四字熟語を考える―3

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記事一覧

「察言観色 」を考える

さつげんかんしき
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人の言葉や表情、顔の様子から相手の性格や考え方を見抜くこと。
「色」は表情や顔つきのことで、人の表情や顔つき、言葉を観察するという意味から。「言(げん)を察して色(いろ)を観る」とも読む。
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「察」 ①物事にくわしく通じて、あきらかになる。くわしく知る。よく見て、しらべる。
②おしはかる。思いやる。

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「孟浪咄嗟」を考える

もうろうとっさ
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いい加減な処置をとること。
「孟浪」はいい加減で大雑把なこと。
「咄嗟」は急なこと。
対処を考えずに、適当にその場で済ませることをいう。
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「孟」 ①はじめて生まれた子。長子。
②すべての物のかしら。おさ。はじめ。

「浪」 ①大きななみ。
②水の流れるさま。さまようさま。一定のよりどころがない。

「咄

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「推陳出新」を考える

すいちんしゅっしん
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古いものを処分して、新しいものを生み出すこと。または、古いものを取り入れて、新しいものをつくること。
「推」は押しのけるや推測すること。
「陳」は古いものという意味。
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「推」 ①後ろから力を加え、物事を更に前方へやる。おす。あとおし。
②おしてみて考える。おしはかる。

「陳」 ①列をなしてなら

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「腰纏万金」を考える

ようてんばんきん
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たくさんのお金を持っていること。
または、中に隙間がないほどに財布の中身が詰まっていること。
「腰纏」は腰に巻きつけて使う帯状の袋で、お金や大切なものを入れるためのもの。
「万金」はたくさんのお金のこと。
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「腰」 ①人・動物の胴のくびれた部分(から尻(しり)の辺まで)。
②腰⑴の力。持ちこたえる力。粘

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「気息奄奄 」を考える

きそくえんえん
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どうにか呼吸ができているような、今にも死んでしまいそうな様子のこと
または、国の組織などが今にも滅びてしまいそうな弱々しい状態のこと。
「気息」は呼吸のこと。
「奄奄」は呼吸が止まってしまいそうな弱々しい状態のこと。
「気息奄々」とも書く。
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「気」 ①心の動き・状態・働きを総合して捉えたもの。精神。

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「陵谷遷貿 」を考える

りょうこくせんぼう
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世の中が非常に激しく変化して、今までとは全く別のものになることのたとえ。
「遷貿 」は時間と共に様変わりしていくこと。
大きな丘が削られて深い谷になったり、深い谷が石などに埋め立てられて大きな丘になったりするような大きな変化という意味から。
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「陵」 ①天子の墓。みささぎ。
②大きなおか。

「谷」

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「洞見癥結 」を考える

どうけんちょうけつ
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見つけにくい問題や事柄を見抜くこと。
「洞見」は見通すや見抜くという意味。
「癥結」は腹の内部にできたしこりのことで、表面から見えない問題のたとえ。
中国の戦国時代の鄭の国の医者の扁鵲は、長桑君という人からもらった薬を飲むと壁の向こうを見通せるようになり、病人を見ると体内のしこりを全て見抜くことができたという故事から。
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「巍然屹立」を考える

ぎぜんきつりつ
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人並みはずれてすぐれている人のこと。
または、山や建物が一際高く立っていること。
「巍然」は山がとても大きく高い様子。
「屹立」は一際高く立っていること。
「巍然(ぎぜん)として屹立(きつりつ)す」とも読む。
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「巍」 たかい。山が高くて大きいさま。抜きんでているさま。

「然」 ①そのとおり。そのまま。

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「悔悟慙羞」を考える

かいござんしゅう
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過去の過ちに気付き、後悔すること。
「悔悟」は後悔して過ちに気付くこと。
「慙羞」は恥じること。
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「悔」 ①自分が悪かったことに気づいて苦しい思いをする。くい改める。
②わが国で「悔やむ」「悔やみ」として、人の死をいたむ意にも使う。

「悟」 ①是非がはっきり判断できる。迷いがなくなる。またその力。

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「因果覿面」を考える

いんがてきめん
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悪いことをした報いがすぐにあらわれること。
「覿面」は目の前で見るという意味から、すぐに結果が出ること。
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「因」 ①もとづく。したがう。
②事の起こるもと。

「果」 ①木の実。くだもの。
②原因・因縁によって生ずるもの。

「覿」 ①みる。あう。まみえる。
②しめす。見せる。

「面」 ①顔。人の

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「唖然失笑」を考える

あぜんしっしょう
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突然の出来事に驚いて、思わず笑ってしまうこと。
「唖然」は予想外の出来事で驚いて呆れること。
「失笑」は無意識に笑ってしまうこと。
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「唖」 ①言葉の不自由な人。
②ああ。驚いて上げる声。また、カラスの鳴く声。
③わらう。笑い声。

「然」 ①そのとおり。そのまま。
②形容の語をつくる助字。状態を表す語

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「風檣陣馬」を考える

ふうしょうじんば
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勇ましく、やる気が満ちていること。または、文章や詩句などの力強さのこと。
「風檣」は風をはらんだ帆舟の帆柱。
「陣馬」は戦地にいる馬。
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「風」 大気の動き。かぜ。かぜがふく。

「檣」 ほばしら(帆柱)

「陣」 ①軍隊をならべて、備えを立てる。また、軍隊の配置。
②戦時の軍隊のいるところ。

「馬」

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「璞玉渾金」を考える

はくぎょくこんきん
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すぐれた人物になる才能を秘めていること。
宝石の原石と精錬されていない鉱石との意から。
「璞玉」は掘り出したばかりで磨かれていない宝石の原石。
「渾金」はあらがね、精錬されていない鉱石。
「渾金璞玉」ともいう。
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「璞」 あらたま。みがいていないたま。

「玉」 ①石の美しく貴いもの。たま。宝石。

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「突怒偃蹇」を考える

とつどえんけん
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怒った人やおごりたかぶった人の顔を言い表す言葉。または、岩石が角ばっていて突き出た様子を言い表す言葉。
「突怒」は激しく怒っている様子。
「偃蹇」はおごりたかぶっている人の様子。
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「突」 ①勢いよく出る。つき出る。ぬきんでる。つき出たもの。
②だしぬけにぶつかる。つきあたる。つく。

「怒」 ①腹を立て

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