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【社会科】なぜ土地に合った農業といえばアメリカなのか?適地適作とアメリカの農業。

どうも。いかたこです。
中学校で社会科の教員をしています。
noteでは授業がより楽しくなるアイデア(授業のタネ)を発信しています。

今回のテーマは、適地適作です。

適地適作
その土地の自然的条件・社会的条件に最適な作物を選んで農業経営を行うこと。

帝国書院 新詳地理B

適地適作は、アメリカ合衆国(以下、アメリカ)の農業の特徴として、教科書などでもよく取り上げられます。

ですが、それぞれの土地に合わせた作物を栽培するというのは、いろいろな国や地域で実践されていることのように思います。

その土地に合わない作物を栽培するなんてなかなか難しいでしょうし・・・。

では、なぜアメリカの農業の特徴として、適地適作が取り上げられているのでしょうか?

アメリカの気候に注目してみましょう。(画像1)

画像1

赤:熱帯  茶:乾燥帯  緑:温帯  青:冷帯

このように、アメリカでは多様な気候が見られます。

例えば、日本でも日本海側、太平洋側など細かく気候を分けることはできますが、日本の大部分としては温帯となっています。

一方で、アメリカ国内は熱帯から寒帯(アラスカ州)まで分かれており、地域ごとに自然環境が大きく異なります。そのため、その土地に適した農業、つまり適地適作を分かりやすく見ることができます。

授業では、「どうして適地適作といえばアメリカなのか?」という疑問を投げかけ、アメリカの多様な自然環境と農業の関係を考えてもらいます。


さらに、もう少し掘り下げてみましょう。

アメリカでは、適地適作のため地域ごとに主な農作物が異なります。

例えば、小麦はオレンジ色で示した辺りで栽培されています。(画像2)

画像2

この地域で採れた小麦を国内・国外に送り届けなればなりません。

そのためには、道路や鉄道、湾港などのインフラがとても重要です。

広大な土地と豊かな自然環境によるアメリカの農業は、物流インフラに支えられてきました。

このように考えることで、農業を自然環境だけでなく、交通都市と結びつけることができます。

アメリカの農業を支えるものについても触れることで、特徴がより具体的にイメージできると思います。

今回はここまでです。最後までご覧いただきありがとうございました。

今後も授業のタネを発信していきます。お楽しみに。


(参考資料)

山田優 「食料・農業と米国の戦略」
明治大学社会科学研究所紀要第55巻2号(p.200~209) 2017年3月
https://www.meiji.ac.jp/sha_ken/kouen/6t5h7p000001d40e-att/2_yamada.pdf(最終閲覧日2023年9月9日)


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