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詩のようなものたち

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身替

身替

役目を終えたその場所は

望みもしないのに

新しい役目を与えられる

精一杯働いたのに、まだ動かなきゃいけないの
疲れたよ

みんな身勝手だ

錆びた腕や足は鉛よりも岩よりもタチが悪い

だけどそこには誰も気が付かない
小さな小さな命が宿る

誰にも何にも見つからずに段々と大きくなっていく

それはやがて住処となる

わずかな光と風と水を栄養に

そっと見守ってくれる自然の住民たち

青と黄色と

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空にアメ

空にアメ

伸びをしながら見た空

遥か遠くに輝くひかり
いまあるの?  もぅないの?

誰も知らない

記憶のものがたり

空の上には
カラフルに光る

粒のまばらなこんぺいとうが

子供が遊んだあとみたいに
散らばっている

きみが見上げたそこには
何色のこんぺいとうが見えるのかな?

あくまとてんし

あくまとてんし

綺麗を着飾っても
本当の美しさは得られない

限界を越えるには

  自分の限界を知ることから

物事には全て順序があり
   人は寄り道をしながら進んでいく

悪魔の声も
天使の声も

どちらも聞こえるし
     心も揺れる
それが"ヒト"

どんなに偉い人でも、心の中には

自分という"主"がいて

両側に"あくま"と"てんし"を従えてる

この二人は別に仲が悪い訳じゃなくて
それぞれの役割

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しろいふわふわ

しろいふわふわ

遠い空に浮かぶ
近い空に漂う

同じようでまるで違う

あなたの見てるそれと
わたしの見てるこれは

きっと別のもの

急に寂しくなるこの気持ちはなに
誰か教えて

同じ空にいるはずなのに
別の場所で笑ってる

名前も知らない
小さくて柔らかい君

雨の歌を聴かせてくれる

悲しい音

誰かを探してる

楽しく遊ぶ彼女は踊り子

無機質な世界に熱を運ぶ

怒りが心を飲み込む

同じ空にいるはずなの

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はな

はな

花は思いを繋ぐもの

出会いと別れの季節には

必ず花がある

新しい出会いを祝福するかのように暖かく

旅立つ背中を押すように頼もしく咲き誇る

人が集まるところにも

必ず花はいる

見てくれと言わんばかりに元気よく

ココにいるよと明るく咲き誇る

生き物が住むところにも

必ず花は咲く

守ってあげるよと勇ましく

一緒だよ優しく咲き誇る

旅立つときには

花に囲まれる

心配しなくてい

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なみだ

なみだ

なんて言えばいいの

これは何

まるでいきものみたい

きみは

どこに隠れているの

いつも見つけられない

かくれんぼが得意なんだね

どうして
邪魔をするの

どうして
優しくするの

なんで
今、出てくるの

誰が

きみを呼んだのかな

わたしの心の奥の

ちっちゃなわたし

あなたには

何回も助けられて
何回も慰められて

いっぱいいっぱい

愛してもらったね

どうぞこれからもよ

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はこ

はこ

大きなはこ

小さなはこ

長いはこ

薄いはこ

いろんなはこがある

勝手にシカクを想像してないか

別にシカクにこだわらなくてもいい
マルだっていいし、
サンカクだっていい
ホシだってあり
ウネウネしてても

勝手にミエルモノを想像してない?
見えた方が都合がいいのかも

見えなくてもいいんじゃない

あれ?
そもそもはこってなに

月下美人

月下美人

いつもの道
同じ空気
たくさんの音が鳴る
それでもぼくの耳は君の音を
はっきりと聴き分ける

何よりも儚くて
何よりも繊細で
なによりその波が心地よくて

ぼくの声は届かない
君の声は聞こえない
近くにいるのに
笑っているのに

この声は届かない
この想いも
ずっと胸の中に押さえ込んでる

一人が好き
と、たまに離れる
お互いわかってる
理解してる
必要だから

偶然かな
その日は笑ったように見え

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しろはあお

しろはあお

しらたま

まんまるで
白くて

なんか
にくめない

主役なのか
脇役なのか

どっちもなれる
オールラウンドプレイヤー

白玉団子・・・強そう

しらたまだんご・・・ちょっとかわいい

白玉だんご・・・うん

控えめなのに
ちゃんと主張してる

まるで青い炎

だんでライオン

だんでライオン

地に足つけて
どんな敵にも屈しない
強靭な精神と身体

孤独でも凛としてる
仲間がいればなお強い

何より圧倒的な存在感

実はこれ
けっこう疲れるんだよ

なぜか
だんだん眠くなってきて

丸くなりたくなって

とげとげした金色の髪は
ふわふわした白銀の髪に

そして

厳しい縄張り争いから逃れ
のんびり気ままに過ごし始める

進化なのか

退化なのか

本気を出せば
食い破るモノを持っているん

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おくそこ

おくそこ

綿毛のように飛んでいきたい
自分の意思ではなく
自然のちからに身を委ねて

行くあてもなく
降りたところが目的地
無計画浮遊旅行

荷物は

からっぽにした
自分自身と

生きるか死ぬかを決めるくらいの
ちっぽけな勇気

それと

愛する人を守り抜いてやるくらいの
大きな覚悟

あとは交換に必要なちょっとの硬貨

別れは告げたの?

そんな必要はない
そもそも別れなどない

あるのは出会いだけ

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透明なこころ

透明なこころ

みずは表情豊かないきもの

ほしが泳いでいるように
きらきらひかる

かぜが踊っているように
ゆらゆらゆれる

川が怒っているように
ぐらぐらうねる

みずも

いろんな顔を持っている
たくさんの感情を持っている

透明な液体も実は生きている

もし水が居なくなったら

みんな生きられない

あなたがぷんぷん
怒れるのも

あなたがうるうる
泣けるのも

あなたがきらきら
笑えるのも

朝露の小さ

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koto dama

koto dama

文章は選択の連続

どんな言葉を使うか

どんな言い回しをするか

"ひらがな"で表すか
"カタカナ"
それとも"漢字"

はたま"アルファベット"

あ、記号もある

図形も使える

必ずしも読めないといけないなんてない

ひとは感じ取ることもできる

音楽は読めないから感じ取る

もしかして

音楽と文章は似てる?

なんとなくそんな気がした

一つの言葉
一つの音

ちなみにこれは=(イコー

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ありがとうからごめんね

ありがとうからごめんね

どこかの町の路地裏
昼間なのに暗い

なんとなく
ノラねこが集まりそうな
ちょっと変な雰囲気

ふと近くを通ったときに
興味を持ってしまった

たまに吹く風?
それとも香り?
何かが鳴る音?

この日

ついにやられた
完全に五感を麻痺させられた

と錯覚した

心は逃げたかっているのに
身体がその路地裏へ向かっていく

あるところまで行くと足が止まった
そこには

何もなくただ広くなっているだけ

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