池田修

京都橘大学 発達教育学部 教授。「国語科を実技教科にしたい」「学級を楽しく経営したい」…

池田修

京都橘大学 発達教育学部 教授。「国語科を実技教科にしたい」「学級を楽しく経営したい」「作って学ぶ」「遊んで学ぶ」が研究テーマです。東京書籍「新しい国語」編集委員。経産省、未来の教室教育コーチ。ハンモッカー。抹茶書道、ガラス書道家元。琵琶湖と料理の話題が得意。試行錯誤が趣味。

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Zoomで始める遠隔授業

初めまして。京都橘大学発達教育学部の池田修です。 学校が再開されず、遠隔授業での実施も求められるようになりました。この記事では、zoomを活用して遠隔授業を始める先生に書いた「zoomで始める遠隔授業」(pdf版 池田修著 2020.4.26 vol.1 ver.1.1 59p)を紹介したいと思います。この記事を購入してくださった方は、一番下にあるpdfファイルをダウンロードすることができます。 ◆ 使い勝手のいいzoomは、遠隔の会議や飲み会で活用されており、その使い方

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    • 「じゃあ、〜の資格だけは取っておけ」

      かつて、そう、20年以上も前のことになるけれど、 「先生、俺はトラックの運ちゃんになるから、高校行かないから漢字なんて知らなくていいんだよ」 と言っていた生徒がいた。 しかし、運転はできても免許がなければ仕事をすることはできない。そこで、運転免許証の教則本を与えて、これで漢字の勉強をさせたことがあった。これならやるということで。 20年前であれば、トラックの運ちゃんになれば、生きていくことができると私も考えていた。 しかし、これからは自動車は自動運転になっていく。あのと

      • 生成AIの講座を終えて

        大学の前の田圃に水が入った日に、明日の教室での生成AI講座を実施した。去年に引き続き二度目である。この1年間で生成AIは長足の進歩を遂げたので、一度目とはかなり違う内容になったものを行った。 13:30から17:00までと言うことで、私としてはやはり時間が足りなかった。演習をどんどんやりたかったのだが、足りなかった。しかし、基礎基本の説明と、小さな演習を通して、現状の生成AIの実態を理解してもらえたのではないかと思う。 ◆ 生成AIは、本当にさまざまなものを生成する。

        • 手なんか、洗えば落ちる

          「修、手なんか、洗えば落ちる。」 母によく言われたものだ。 私が適当に掃除をしていたりするとすぐにころ言われた。台所のシンクの排水溝の中とか、汚れていたところは触りたくなくて、ちょこちょこっとやってるとこんな風に言われた。 (手が洗って落ちたら大変だろう) 子供の頃は、こんな屁理屈を心の中で思っていた口に出したら、また怒られるのはわかってるから、黙って心の中でこんなこと思っていた。 もちろん 「(汚れた)手なんか、洗えば(その汚れはすぐに)落ちる。(適当にやらないで、き

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          4/20 明日の教室 生成AI講座のご案内

          生成AIの出現によって、私の人生は大きく変わったと思う。 私の人生が大きく変わったのは、私だけのことではなくて、生成AIに触れた人の全てが、大きく変わったかと思う。 まだ、触れていない人は、本当に早く使い始めてほしいと思う。 4/20に京都で講座をやります。 ぜひ、ご参加ください。

          4/20 明日の教室 生成AI講座のご案内

          小学校の卒業式

          近隣の小学校は、今日が卒業式。 私が小学校を卒業したのは、ずいぶん前のことだ。 それでも、小学校を卒業した時のことは覚えている。 なんだかリアリティがなくて、本当に卒業するのかなあと思っていたのを覚えている。 そして、もう一度みんなでこの小学校で集まって勉強するような気すらしていた。 今ではその学校も統廃合の結果、記念の部屋が一つ、統廃合後の学校にあるだけになってしまったが。 ◆ 式を終えて、何事もなく家に帰ってきたのに、そこで驚いたことがあった。 私、家に帰った

          小学校の卒業式

          家紋を考える

          私の家の家紋が揚羽蝶だとわかった時、まだ小学生の頃だっただろうか、私は (え、ちょっと気持ち悪いなあ) と思ったのを覚えている。 揚羽蝶の顔がかなり訴えるものがあってそう思った。 (なんで、ご先祖様たちは、こんなのを家紋に選んだのかなあ) と思った。 子供なりに出した結論は、 ・ ひらひらと美しく舞うような人生を象徴している と言うものであった。 まあ、これはこれで一つの正解かもしれない。 ただ、今は別の仮説を持っている。 ◆ 揚羽蝶は、卵、毛虫、青虫

          家紋を考える

          筆の人から、名付けの際のお願い

          名付けの際のお願い。 いや、私がお願いするのも変なのですが、将来子供が書きにくくなることがあるので、ちょっと配慮されてみてはどうかと思います。 名前の漢字に、中心線のあるものを選んでください。 私の名前は池田修。 この名前は、実は書くのは難しいのです。池と修は中心線がありません。中心線とは山の一画目の縦線のようなものです。 これがあると、その中心線を頼りにして字をまっすぐに揃えて書けます。これがないと、名前をまっすぐに書くのは難しい。 しかし、私の場合、唯一「田」がありま

          筆の人から、名付けの際のお願い

          悔いなんてあることが前提

          「悔いなく過ごしたい」 と学生たちは良く言う。 私も若い頃はそうだったかなあと思うが、思い出せない(^^)。 今、これは違うなと思う。 悔いなく過ごすことが目標になっていてどうするんだろうかと思う。目標にすべきはは、挑戦する毎日であることとか、自分を成長させようとするとか、仲間と楽しくやろうとかいうことではないだろうか。 悔いなんてあるでしょ。ミスのないことなんてないし、相手がいれば相手の事情もあるのだし。それが生まれないようにあれこれすることが目標というのは、私は違うと

          悔いなんてあることが前提

          通知表に色々な顔を

          物いわぬ四方のけだものすらだにも哀れなるかなや親の子を思う  源実朝の歌を出すまでもなく、親は子を思う。色々な事情でそれが厳しい親もいなくはないが、多くの親はそれを思う。内田樹先生がおっしゃった「子どものためになら死ねる」「子どものためには死ねない」という不条理の中にいながら、親はこのことを思う。 教師も子どものことを理解しようと思う。中には、親以上に子どものことを理解していると思う若い教師もいるだろう。しかし、それは違うと思ったほうがいい。子どものことを思う気持ちを親と

          通知表に色々な顔を

          が、私は落ちた

          30人のうち27人が1発で合格した。 私が大学四年生の時の、自主ゼミのメンバーだ。 当時、倍率は20から25倍程度。 その中でこれだけ合格するのは凄まじいと思う。 が、私は落ちた。 来年度からどうするか全く見通しが立たない。そんな時を過ごした。 ♦︎ 「受かったのは、おめでとう。あとは事務手続きの流れに乗れば、大丈夫。私が心配するのは、そうではなかった人たちだ。 100人受けて5人落ちる。95%の合格率だから、この事実は素晴らしい。努力したことが実ったのだからおめで

          が、私は落ちた

          「仏の顔は、一回目から」

          「仏の顔も三度まで」 教育に関わると、この言葉はその実践の中で時々顔をもたげる。 (あ、いかんいかん。ここは怒ってはいかん。仏の顔も三度までだ。一回位で怒っては駄目だ) のように思う。 しかし、これは違うのではないかと思うのである。 ◆ 私たちは子どもが一回悪さをしたとき、この諺の教えに従って我慢し、二回目も我慢し、三回目も我慢し、四回目で叱るというように考える。 叱る側は (三回も我慢したんだからいいだろ) と思って、四回目を強く叱る。 が、叱られる側から見るとどう

          「仏の顔は、一回目から」

          そんな「学力」が必要になってきている

          「もし、地球が東から西に自転したとしたら、世界は現状とどのように異なっていたと考えられるか、いくつかの視点から考察せよ。」 東京大学理科Ⅰ類2014年度 外国学校卒業生特別選考小論文問題より ◆ この問題を知ったのは『2020年の大学入試』(石川一郎)であった。私には衝撃であった。とても簡単な日本語で書いてあるのに、問われているのはとても深い内容である。 これは、思考コードのCゾーンの問題である。 あらかじめ用意された唯一の答えがない問題である。その問題に、答えを出さ

          そんな「学力」が必要になってきている

          1、2年ではダメだ

          秀吉が下足番をやっていた時、信長の草鞋を抱えて温めていたという逸話は有名だ。下足番一つを取っても工夫の仕方があるということだ。 ◆ かつて、学生時代にアルバイトをしていた喫茶店で聞いた話がある。その喫茶店の親会社の社長さんがいつも出かけていくとあるデパートの社長室では、おいしい日本茶がいただけるというのだ。 何がおいしいと言って、いつも適切な温度で出てくるというのだ。それはどんなお客さんが行ってもそうなのだそうである。そこの秘書室のお茶を出す係りの人は、お客さんのお茶の

          1、2年ではダメだ

          その時思ったねえ、ああ、好き嫌いがあってよかったってね

          給食指導は、大事。このことを授業で考えさせた。 とにかく食べ物の恨みは怖い(^^)。 また、いじめを生み出すきっかけや原因にもなりやすい。 ◆ 色々指導した後に、好き嫌いの問題をどうするかという話を考えさせた。 1.とにかく食べさせる 2.残してもいいとする 3.その他 と選択肢を与えて、小グループで議論させた。 学生たちの答えは、残してもいいけれど少しは食べてみようかというものであった。妥当なところではないかなあと思う。もちろん、アレルギーのことは別にして、少しは食

          その時思ったねえ、ああ、好き嫌いがあってよかったってね

          Bohemian Rhapsodyを見た

          五年前に書いた文章。 ネタばれあり。 ーーーーー Bohemian Rhapsodyを見た。 ◇ ドイツに行くルフトハンザの機内で、映画を探していた学生たちが叫んでいた 「Bohemian Rhapsodyがある!」 (え、どうしよう。見たいけどどうしよう) 私が思ったのはそういうことだった。 映画館でBohemian Rhapsodyが映画になる。このことはかなり前から知ってはいた。封切りと同時に見に行きたかったが、封切りの前に耳がおかしくなってしまった。この耳

          Bohemian Rhapsodyを見た